ふわふわとした身と香ばしいタレが魅力的な鰻はちょっとした贅沢品ですよね。普段はあまり鰻を食べる習慣がない人も、土曜の丑の日くらいは鰻を食べたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
鰻を購入する際にどうしても気になってしまうのが、やっぱり値段です。
- 鰻はどうして高いのか
- 天然鰻と養殖ウナギはどう違う?
- 鰻の生態について詳しく知る
- 鰻をより美味しく食べる方法
今回は、こちらについて詳しく解説します。
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目次
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鰻が高い理由
鰻を購入する際は、スーパーで直接購入したりコンビニで予約する人がほとんどですがここ数年にかけては鰻の値段が急上昇しています。
流通量の減少が原因
鰻の値段が高騰する一番の原因は鰻の数が減少し続けていることです。ここでは天然鰻と養殖鰻の近況について確認してみましょう。
天然鰻
まず、現在の日本には天然の鰻はほとんど存在していません。日本で食べることの出来る鰻の種類は、養殖・天然問わず二ホンウナギという品種が最も主流です。
天然の二ホンウナギの多くは、青森県東北町に位置する小川原湖で漁獲されることで知られていますが、現在の天然鰻の漁獲量はピーク時のなんと1%にまで減少してしまっています。
更に、日本全国で流通している鰻全体のなかで天然鰻の割合はわずか0.3%未満になるのです。
養殖鰻
一方で、普段私達が口にする養殖鰻もまた、近年その流通量が激減していることをご存知でしょうか。
養殖鰻は、ニホンウナギの稚魚であるシラスウナギを捕獲、育成して流通経路に乗せて販売しています。しかし、ニホンウナギはIUCN(国際自然保護連合)によって平成26年に「絶滅危惧種B」として認定されてしまうほどに数が減少しています。
今後も、ニホンウナギの数が減少を続ければ「絶滅危惧種A]」となり、私達の食卓から鰻が姿を消してしまうことになるでしょう。
全て養殖にすれば安くなる?
前述したとおり、既に日本で流通しているほとんどの鰻が養殖鰻となっています。今後さらに養殖鰻のシェアが拡大して、100%に達成したとしても養殖鰻の元となるニホンウナギの数が増えない限りは、市場で流通している鰻の値段に大きな影響はないでしょう。
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鰻の天然物と養殖物の味の違い
天然物の味の口コミ
自然の中で長い年月をかけて育てられた天然鰻は、一定の環境下で育てられる養殖鰻と大きく異なり、一匹一匹大きく個体差が生じます。
天然鰻の個体差は主に味に現れるため天然鰻の味が必ずしも美味しくなるとは限らず、食べた人の感想としては
- さっぱりしすぎていて養殖鰻のほうが美味しく感じる
という人もいるほどです。
養殖物の味の口コミ
一方で、わたしたちにとって馴染みの深い養殖鰻もまた、国産と外国産に分かれていますよね。しかし、この2種類は食べ比べてわかるほどに味の違いはないと言われています。
どうしても国産という言葉の魅力に「国産=美味しいはず」というイメージを抱く人が多いようです。
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鰻の生態とは
鰻が絶滅の危機に晒されていることは、先ほど解説しました。ここでは、鰻の生態について解説します。
鰻の稚魚が生き残る確率は数%
実は、鰻は養殖が難しい生き物なのです。臓器やヒレが形成される段階である稚魚の時期は「蓄養」させることが難しく、大きく成長するのはわずか数%と言われています。
謎が多き魚でもある
鰻は、まだまだ解明されていない部分の多い生き物でもあります。一般の養殖場で育った場合、99%の鰻がオスになってしまうもののその原因については未だ謎に包まれています。
鰻の性別を決定づける条件がわからないことも、鰻の養殖が進まない原因でもあるのです。
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鰻をよりおいしく食べる方法
鰻の産地によって味はさほど変わらないということは先程解説しました。それでは、より美味しく鰻を食べるにはどうすればいいでしょうか。こだわりたいのは以下の2つです。
薬味を充実させる
鰻を蒲焼きとしてたべるだけでなく、様々な薬味を用意することは非常におすすめの方法です。名古屋の名物料理である「ひつまぶし」をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
具体的にはネギやわさびを用意するだけでも、いつもと違った鰻の味を楽しむことが出来ますよ。
蒲焼きのタレをこだわる
鰻を購入するとついてくる蒲焼きのタレは、便利ですが日持ちさせるために保存料などが使用されています。
家庭で蒲焼きのタレを作りたい場合は、
- 砂糖大さじ1
- 醤油大さじ3
- みりん大さじ2
- 酒大さじ1
をとろみがつくまで煮詰めるだけで、美味しい自家製のタレを作ることが出来るので試してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
この記事をまとめると
- 鰻の値段が高い原因は、鰻自体の数が減少し続けているため
- 天然鰻は現在の日本ではほとんど流通していないほど数が少なく、自然の環境下で育つため養殖鰻ほど味も安定していない
- 鰻はまだまだ判明してない部分の多い生き物であり、特にメスを確実に育成させる手法の確立が望まれている
- 国産鰻と外国産鰻の味にあまり違いはないため、より鰻を美味しく食べるためには薬味やタレにこだわることが大切
いかがだったでしょうか。
鰻には様々な栄養素が豊富に含まれていて、夏バテ防止にはもってこいの食材です。今年の夏は少し食べ方にこだわることで、より美味しく鰻を楽しんでみてはいかがでしょうか?
この記事がみなさんの参考になれば幸いです。
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