家で揚げる出来立てのとり天はとても美味しいですね!ですが、同時に生焼けで出来上がってしまった経験をした方も多いのではないでしょうか? そこで今回は…
- とり天が生焼けになった時の見分け方は?
- 生焼けのとり天を食べる危険性は?
- 生焼けにならない揚げ方は?
とり天に関する上記3点についてご紹介します。
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目次
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とり天が生焼けになった時の見分け方は?
とり天の出来上がりはトンカツなどのパン粉がついた茶色くザクザクした揚げ物とは違い、比較的天ぷらのような白めでさっくりとした仕上がりになります。それ故に生焼けかどうかの判断がつきにくいのですが、火が通っているかどうかどのように判断したらよいのでしょうか?
中心温度を調べる
中心温度とはその名の通り、食品の中心(真ん中)の温度です。
見た目は上手に焼けているようにみえるものも切ってみたら中がまだ真っ赤だったという経験があるのではないでしょうか。そんな時は中心温度計を使って温度を測定すれば、中心まで火が通っているかどうかが分かります。中心温度は基本的には、食材の真ん中や厚みがある部分に温度計を挿して測定します。
とり天などに使用している鶏肉も生焼け状態のものを食べると、カンピロバクターやサルモネラ菌などの重篤な食中毒を引き起こす危険性があります。しかしこれらの食中毒菌は中心温度が75度1分以上の加熱で死滅させることができます。
しかし中心温度計を有していない家庭も多いと思います。揚げ油の中に入った食材は外から油に熱せられるため、温度が高すぎると、中まで火が通らないうちに、外側が先に揚がりきってしまいます。高温で揚げた方が良い食材でも適温は高くても200℃くらいまで。200℃を超える高温になってくると、中には全く火が通らないまま表面だけがすぐに焦げ付いてしまいます。
とり天の揚げ温度は「菜箸を差し込んだら、少し遅れて泡が出るくらいの状態・170℃の中温帯(160~180℃)」に温度を調節します。油に菜箸を入れて「多量の泡が勢いよく上がる状態は高温帯(180~200℃)」ですので上がり過ぎになります、油の温度の見極めが肝心です。
肉汁の色を見る
油から引き揚げたとり天の一か所を菜箸や竹串などで刺して少し肉を押してみて下さい。刺した穴から出てきた肉汁が透明であれば充分に加熱できていますが、赤い色の肉汁が出てきた場合は生焼けですので再加熱が必要になります。
切り口の色を見る
確かめ方法としてはこちらが一番確実です。複数個揚げる場合は、1つ切って確かめてみると良いでしょう。鶏肉の外側が白く中心部だけがピンク色になっている場合は、加熱が不十分で生焼けと考えられますので再加熱してください。
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生焼けのとり天を食べる危険性は?
生焼けの鶏肉による食中毒はとても恐ろしい症状なのをご存じでしょうか?
食べるとどうなる?
生焼けの鶏肉を食べた場合、腹痛・下痢(まれに血便)・発熱(38度以下が多い)・頭痛などの症状がみられます。
食中毒の危険性は?
カンピロバクター属菌は、近年食中毒発生件数で非常に多く占める食中毒菌です。鶏の刺し身、タタキ、湯引きなど、生又は加熱不十分な鶏肉を原因とした食中毒が全国的に多発しており、少量の菌でも発症するため、鶏肉の鮮度とは関係ありません。新鮮でも、菌が付着した鶏肉を生又は加熱不十分な状態で食べると発症します。
また鶏肉を触った手や鶏肉に触れた調理器具を介してカンピロバクターを付けてしまうことで二次汚染が発生し、そのまま食べるサラダや加熱済み食品に付着してしまいそれが原因となる事例もあります。
ギランバレー症候群
幼児や高齢者など抵抗力の弱い人ではカンピロバクター食中毒が重症化することがあります。
まれに感染してから数週間後に、手足のしびれや顔面まひ、呼吸困難などが起こるギラン・バレー症候群に進展し、後遺症が残ってしまう場合もありますのでカンピロバクター食中毒を侮ってはいけません。
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生焼けにならない揚げ方は?
生焼けにならないコツはあるのでしょうか?
常温に戻して調理する
鶏肉は常温に戻しておきましょう。
お肉は衛生面や保存面の観点から冷蔵庫の中でも一番冷える場所に保管しています。そしてお肉を料理に使う時に冷蔵庫から出してすぐ使ってしまいます。本来それは正しい保存使用方法です、しかしとり天やから揚げなどの肉料理の調理や下味をつける時には少々やっかいであったりします。
冷たいものを温めるには、時間がかかります。揚げ物は表面を高温の油で温めることが多いので、表面は火が通っているのに、中身は火が通っていないという状態になってしまうのです。なのでお肉を料理する時は、必ず常温に戻してから料理します。たったこれだけのことなのですが、火の通りは断然変わりますので試してみて下さい。
切り方を工夫する
お肉の切り方を工夫しましょう!
お肉が厚く大きいと、中まで火が通るのに時間がかかります。火の通りに時間がかかると表面が焦げ、中は生焼けになる可能性が高まります。お肉を薄く小さめにすることで中まで火が通りやすくなります。
とり天の場合は小さめ且つ薄めにすると良いでしょう。そうすることで生焼けの可能性はぐっと減りますよ。
まとめ
この記事をまとめると
- 食材の真ん中や厚みがある部分に中心温度計を挿して中心温度を測定することで生焼けを防ぐことができます
- カンピロバクターやサルモネラ菌などの食中毒菌は中心温度が75度1分以上の加熱で死滅させることができます
- とり天の揚げ温度は「菜箸を差し込んだら、少し遅れて泡が出るくらいの状態・170℃の中温帯(160~180℃)」に温度を調節して揚げます
- 刺した穴から出てきた肉汁が赤い色の肉汁の場合は生焼けですので再加熱が必要になります
- 鶏肉の外側が白く中心部だけがピンク色になっている場合は、加熱が不十分で生焼けと考えられますので再加熱してください
- 生焼けの鶏肉を食べた場合、腹痛・下痢(まれに血便)・発熱(38度以下が多い)・頭痛などの症状がみられます
- 鶏の刺し身、タタキ、湯引きなど、生又は加熱不十分な鶏肉を原因とした食中毒はカンピロバクター菌が原因のことが多いです
- 幼児や高齢者など抵抗力の弱い人ではカンピロバクター食中毒が重症化し、ギランバレー症候群を発症することがあるので予後には注意が必要です
- とり天が生焼けにならないコツは調理前に肉を常温に戻すことと、薄く小さめに切ることです
上記を参考にとり天のお肉の扱いに気を付けながら、美味しいとり天を揚げてみてください!最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
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