鶏肉などの食物アレルギーはどんな症状が起きる?対処法は?

有害な細菌やウイルスなどの病原体から私たちの身体を守ってくれる「免疫」という働きが、私たちの体には備わっています。しかし、本来私たちの身体にとってありがたい存在であるはずのこの「免疫」が、無害であるはずの食べ物に対して過敏に反応してしまうと、「食物アレルギー」という形で私たちの体に有害な症状が起きてしまいます。今回は、

  • 食物アレルギーはなぜ起こるの?
  • 食物アレルギーは発症するとどうなるの?
  • 原因食物を加熱すれば食物アレルギーは防ぐことができるのか
についてご紹介させていただきます。食物アレルギーは軽症なものから重症なものまであり、重症なものの場合は私たちの命を脅かす恐れもあります。この記事を読んで、食物アレルギーについてしっかり理解していきましょう。

スポンサードリンク

食物アレルギーの仕組み

食物アレルギーは、小さなお子さんから大人まで、どの世代でもみられるアレルギー疾患のことを言います。原因は食べ物ですので、いつどこででも発症の可能性があるのがこわいところですよね。患者本人だけではなく、その周りの方にも食物アレルギーについての正しい理解と配慮が求められます。それでは一体、食物アレルギーの仕組みはどういったものなのでしょうか?以下に記載させていただきます。

免疫システムが過敏に働く

食物アレルギーとは、ある特定の食物を摂取することによって免疫システムが過敏に働き、体に不利益な症状が現れることを言います。しかし、牛乳を飲むと下痢をしてしまうなどの症状は、「乳糖不耐症」というものになるため、この場合は食物アレルギーには含まれません。また、食中毒も食物アレルギーには含まれません。

たんぱく質が原因

食物アレルギーの原因物質は、食物に含まれるたんぱく質です。食物を摂取後、腸管からその成分が吸収される時に、体が特定のたんぱく質を異物だと認識してしまうことで血中のIgE抗体(免疫グロブリンE)と呼ばれるたんぱく質が反応してしまうのです。このことがアレルギー症状につながります。たとえば、卵アレルギーの方は卵のたんぱく質に反応するIgE抗体を持っていますし、牛乳アレルギーの方は牛乳のたんぱそのため、その方のIgE抗体が卵にのみ反応するものであれば、牛乳を飲んでも何も症状は出ないというわけです。しかしだからと言って、たんぱく質の多い食物が原因になりやすいというわけではありません。例えばキウイフルーツなどはたんぱく質が少量ですが、食物アレルギーの原因食物としては全体で9番目前後だと言われていますし、反対に肉類などはたんぱく質の多い食べ物ですが、肉アレルギーの方はほとんどいません。

スポンサードリンク

発症するとどんな症状が?

食物アレルギーが起こる仕組みについては、先ほどの説明でなんとなく理解ができたかと思います。それでは、もしも食物アレルギーが発症してしまったらどのような症状が出てしまうのでしょうか?以下に記載させていただきます。

皮膚症状が代表的

食物アレルギーと一言で言っても、その症状は様々です。発熱や頭痛が起きたという方もいますし、眠気が生じたという方もいます。しかしその中でも1番多いと言われているのが皮膚症状です。じんましんやかゆみなどは、食物アレルギーの症状の80~90%を占めると言われています。

アナフィラキシーショックの可能性も

皮膚症状が1番多いですが、中にはショック症状を起こす方もいます。7~10%の割合になると言われていますが、ショックとは最重症で、医学的には生死をさまよう状態を指します。このような危険な状態になる可能性が7~10%もあるということが、食物アレルギーが恐れられている一つの理由になります。

スポンサードリンク

食物アレルギーへの対処法

軽症から重症まで様々な症状がある食物アレルギーですが、ショック症状が起これば命の危険もあるわけですから、気をつけていきたいところですよね。以下に「食物アレルギーへの対処法」をご紹介させていただきますので、良ければ参考にしてみてください。

鶏肉は加熱しても駄目

食物アレルギーに関して誤解されやすいのが、「原因食物を加熱すれば大丈夫なのではないか」ということです。結論的に言うと、答えはNOです。食物アレルギーは、原因食物を加熱したからといって大丈夫とはなりません。食物成分は、吸収器官の小腸へたどり着くまでに唾液や胃液・腸液などで細かく分解されて運ばれます。それでも腸管に吸収された際に異物として認識されるてしまうのです。そのため食物アレルギーの原因となるたんぱく質は、非常に壊れにくい構造であるといえます。ですので原因食物を加熱したくらいでは、その強固な構造は簡単には壊すことはできません。しかし、卵アレルギーの方の場合は、生や半熟卵は食べられなくても、加熱卵は食べられるという症例が多いですよね。これは、卵のたんぱく質が加熱にもろい構造をしているからです。ですがこのようなことは鶏卵など一部の食品にのみある特徴なのです。

自己判断は避ける

食物アレルギーについて、「このぐらいなら大丈夫だろう」などという自己判断は危険なので避けましょう。

スポンサードリンク

まとめ

この記事をまとめると

  • 食物アレルギーの原因物質は、食物に含まれるたんぱく質である。
  • 食物アレルギーには様々な症状があるが、じんましんやかゆみなどの皮膚症状が最も多いと言われている。しかし、中にはショック症状といった命に関わる症状が出ることもある。
  • 食物アレルギーの原因となるたんぱく質は壊れにくい構造をしているので加熱したぐらいでは壊れない。