白子は高級食材のひとつとして有名ですよね。白子と言えばたらの白子を思い浮かべる方が多いと思いますが、今回は少し珍しい「鯖の白子」についてです。
- 鯖の白子ってどんな味?
- 寄生虫アニサキスとは?
- 鯖の白子を食べるときの注意点
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目次
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鯖の白子とはどんな食べ物?
白子とは雄の魚が持つ精巣のこと。一般的に白子と言えばたらの白子を指しますが、鯖にも当然白子を持つ個体はいて、食べることができます。
ただし足が早いため食べられるのは新鮮な鯖に限ります。そこだけは注意してくださいね。
食べ方は、鯖のお腹から白子を傷つけないように取り出したら、日本酒に10分程漬けて臭みを抜きます。あとは茹でてポン酢でも塩焼きにしても。お好みの食べ方で楽しめます。
白子は濃厚な味わいとは裏腹に意外と低カロリー、低糖質な食材です。
また栄養素も豊富で、たくさんのたんぱく質やビタミン類が含まれています。そのため白子は美肌やアンチエイジングにも効果があると言われているんですよ。
どんな味?まずい?美味しい?
白子の見た目はかなり独特です。インパクトが強いので、はじめて食べるときには戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。
白子の味については、正直なところ説明がとても難しいです。濃厚で甘く、クリーミーでまろやか。魚のおいしいエキスをぎゅっと凝縮したような味わいです。
白子にはたくさんの調理法がありますが、どの方法をとるかによっても味が変わってきます。
湯通ししてポン酢で食べるのが一般的で、それならポン酢の酸味によって白子の甘みがより一層引き立ち、濃厚な白子をさっぱりと食べることができます。
また天ぷらなどの揚げ物にすると、白子の中身がとろとろふわふわになり、さらに重厚なクリーム感が楽しめます。
白子は魚1匹から取れる量が少ないので、高級食材として愛されています。
魚類の産卵期である1~2月が白子のもっともおいしい時期とされているので、はじめて白子を食べるならぜひ旬の時期を選んでみてくださいね。
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鯖の白子にアニサキスはいる?
アニサキスとは、魚の体内に潜んでいる寄生虫の中でも代表的なものです。アニサキスは魚の内臓部分を好んで寄生するため、鯖の白子にもアニサキスがいる可能性はあります。
人間の体内にアニサキスが入ると様々な食中毒の症状を引き起こしてしまいます。でも安心してください。アニサキスの食中毒は比較的簡単に防げるのです。その方法について説明していきますね。
アニサキスは加熱で死ぬ?死滅温度
ご家庭で調理する場合は白子を生で食べることはしないでください。お湯にくぐらせたり加熱して食べるのが一般的です。
アニサキスは60度以上の加熱や冷凍することで死滅するので、下処理をきちんと行うことがとても重要なのです。
アニサキスによる食中毒とは?
アニサキスとは海に生息する小さな寄生虫で、クジラやイルカなどの体内で生まれます。
アニサキスの始まりは卵の状態で、クジラやイルカの排泄物と一緒に海に放出されます。その後アニサキスは海中で3cmほどにまで成長します。
その小さなアニサキスの幼虫はまず、甲殻類などの動物プランクトンに寄生します。
アニサキスが寄生している小さな甲殻類を小魚が食べ、その小魚を大きな魚が食べ、その大きな魚を人間が食べることによって食中毒を発症することになります。
アニサキスなどの寄生虫は、そうした食物連鎖によって寄生を繰り返して生きているのです。
アニサキスの特徴
見た目は半透明の白色で、糸状の形をしています。
アニサキスのサイズ
- 幼虫のサイズは2~3cm、幅は1mm程
- 成虫のサイズはメスは6~10cm、オスは3~9cm程
サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類によく見られます。
アニサキスは白身魚の場合同化して発見しにくいのですが、赤身の魚であれば目につくことが多いです。長さも3cmほどなので目視で確認することができます。
アニサキスの発生率が高い場所は内臓、筋肉、卵などです。魚をさばく場合はこの場所に注意してみてください。
アニサキスは特に内臓部分を好んで寄生しますが、これは寄生している魚が生きているときの寄生場所です。その魚が死ぬとアニサキスは筋肉の部分に移動します。
わたしたち人間は魚の内臓を生で食べることはありません。
つまり魚が新鮮なうちはアニサキスを食べてしまう心配はあまりないですが、魚が死んでから時間が経っているとアニサキスは筋肉に移動しているため、魚の身ごとアニサキスを食べてしまう可能性が上がるのです。
食中毒症状
アニサキスは魚などの宿主の体内で成虫に成長します。ですが人間の体内はアニサキスにとっては環境が合わず、成虫にはなれずに1週間以内に死滅してしまいます。
ですがその際、アニサキスが胃や腸内の粘膜に潜り込むことによって痛みなどの食中毒症状が起こるのです。
アニサキスによる食中毒は、食後数時間後~十数時間後にみぞおちや腸の激しい痛みや嘔吐を生じます。痛みが出るのは主に胃や腸ですが、中でも胃であるケースが非常に多いです。
また食中毒とは別にアニサキスのアレルギー症状を発症することもあります。
これはアニサキスに含まれるタンパク成分に反応するもので、通常無害なアニサキスの死骸でも発症します。この場合は、腹痛や蕁麻疹などのアレルギー症状を引き起こします。
アニサキスによる死亡例は?
これまでにアニサキスの食中毒での死亡例は報告されていません。食中毒の症状が出たからといって死亡に繋がるようなことはほぼないと言えそうですね。
対処法
食中毒の症状が出た場合は速やかに医療機関を受診しましょう。胃についたアニサキスの治療には胃カメラ検査を使って目視で確認し、その場で摘出します。
アニサキスが胃の中に入り込むと脂汗をかくほどの激しい痛みに見舞われますが、アニサキスを摘出した途端、すぐに痛みは治まります。
またアニサキスは通常人体では1週間ほどで死滅するため、万が一摘出できない場合でも抗ヒスタミン薬などで経過観察し治療をすることが可能です。
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鯖の白子に他の寄生虫はいる?
もともと魚介類にはたくさんの寄生虫がいます。ですがその多くは人体に寄生しないため、知らないうちに食べている可能性が非常に高いです。
鯖に関して言うとアニサキスの他にディディモゾイド類、ラジノリンクスなどがありますが、いずれも人体に害はないと言えます。
鯖の白子を食べる時の注意点
食べると激しい腹痛などの食中毒症状を引き起こすアニサキスですが、確実に予防できる方法はいくつかあります!代表的な予防法を6つご紹介しますね。
- 新鮮な魚を選び、早めに内臓を取り除く
- 目視で幼虫の有無をチェックする
- しっかり噛む
- 生食を控える
- 冷凍する(-20℃で24時間以上)
- 60℃で1分、もしくは70℃以上で加熱する
アニサキスによる食中毒を防ぐためには鮮度、加熱、冷凍がポイントです。アニサキスは加熱か冷凍をすれば死滅し、その死骸は食べてしまっても体に害はないのです。
ですがあるレポートによると、アニサキスの食中毒が発症するのは「1000万円の宝くじが当たるのと同じくらいの確率」だと言われています。
これは全国民(約1億2500万人)が毎週1回生魚を食べて(年間約50回)、年間7000件発症した場合、90万人に1人の確率でアニサキスによる食中毒を発症している、という計算によるものです。
つまりはものすごく低い確率、ということですね。
まとめ
アニサキスによる食中毒はかなり苦しそうですが、下処理さえしっかりしていれば特別心配することはないものだとわかったので、もう安心ですね。
この記事をまとめると
- 鯖の白子は1~2月が一番おいしい!
- アニサキスは鮮度、加熱、冷凍に注意すればほぼ予防できる
- 万が一症状が出たら速やかに医療機関を受診する
これを機に、この冬はぜひ鯖の白子に初挑戦してみてはいかがでしょうか?きっと気に入ると思いますよ。
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