皆さん「ペクチンアレルギー」という言葉を聞いたことがありますか?ペクチンは、りんごやバナナなどのいろいろな果物に含まれています。
「ペクチンアレルギー」は、まだあまり知られていない症状かもしれません。どんな症状なのでしょうか?まとめてみました。
今回は
- ペクチンとは?特徴は?
- ペクチンアレルギーの症例・症状
- ペクチン以外の添加物でアレルギーは出る?
- アレルギーの対処法・治療法
これらのテーマでご紹介いたします。
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目次
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ペクチンとは?特徴は?
ペクチンとは
ペクチンとは植物の細胞壁や中葉に含まれている複合多糖類であり、 膨張してゲル化する特徴 からジャムやゼリーなどにも利用されています。
サトウダイコン・ヒマワリ・グレープフルーツ・ライム・レモン・リンゴなどから抽出されたものです。
主な果物別のペクチン含有量は以下のとおりです。
- リンゴ 0.3~0.7g
- バナナ 0.3~0.7g
- いちご 0.75g
- かき 0.68g
- 洋なし 0.49g
- さくらんぼ 0.47g
- もも 0.39g
※新鮮物可食部100gに対するペクチン酸カルシウムとしての全ペクチン含有量
ペクチンが含まれる食品
食品添加物(主として増粘安定剤)としてジャム、ゼリー、ヨーグルト飲料などに含まれています。
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ペクチンアレルギーの症例・症状
ペクチンアレルギーの症例
ペクチン含有量が高いとされる冷凍温州みかんを食べたことが原因だと思われるペクチンアレルギーの症例です。
7歳女児で給食で冷凍温州みかんを食べた後、2時間ほどして 全身紅潮,犬吠様咳嗽 をみとめ,本院に搬送されました。
既往に カシューナッツのアナフィラキシー歴があった ため、冷凍温州みかんが原因のペクチンアレルギーとして考えられました。
市販の手作りジャム用のLow Methoxyl(LM)ペクチンを用いたプリックテストおよび好塩基球活性化試験で陽性の活性反応を示し,さらに経口負荷試験で果皮を含む果実摂取時のみに消化器症状を呈しましした。
本症例は温州ミカンに含有されるペクチンがアレルギーの原因になっていると推察されました。
その他のペクチンアレルギーの発症例報告では以下のとおりです。
- スムージー (果物を含む)
- ヨーグルト飲料
よくある症状
ペクチンアレルギーの主な症状は以下のとおりです。
- 全身紅潮
- 犬吠様咳嗽(けんばいようがいそう):犬が吠えるような咳のことをいいます。
アナキラフィシーに注意
ペクチンでアナフィラキシーショックを起こした症例では、カシューナッツアレルギーの既往歴があることが多いそうです。
ペクチンアレルギーは カシューナッツアレルギーの合併頻度が高い と報告されています。カシューナッツのアナフィラキシー歴がある方はペクチン摂取は避けたほうが安全かもしれません。
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ペクチン以外の添加物でアレルギーは出る?
ペクチン以外の添加物でアレルギーは出ることもあります。
保存料
安息香酸ナトリウム/ヒドロキシ安息香酸:喘息が誘発されたり、アトピー性皮膚炎への関与が言われています。特にアスピリン喘息の患者で喘息発作が起こります。
含まれるもの:醤油、マーガリン、シロップ、キャビア、清涼飲料水
パラベン(パラオキシ安息香酸ナトリウム):喘息が誘発されたり、じんましんの原因になっています。特にアスピリン喘息の患者で喘息発作が起こります。
含まれるもの;醤油、酢、清涼飲料水、化粧品、薬剤(特に注射薬)
安定剤
増粘安定剤のうち多糖類に分類される添加物のことを「増粘多糖類」といいます。大豆アレルギー、芋アレルギーがある方は「増粘多糖類」が使われていると分かったら あまり食べないようにしましょう。 増粘多糖類と書いてあったら、オクラ・いも・大豆・海藻のどれかだと思っていれば良いでしょう。
着色料
アゾ色素であるタートラジン 黄色の色素:喘息が多く報告されている。特に、解熱剤でおこるアスピリン喘息で喘息が誘発されます。じんましんの原因になります。
含まれるもの:ジャム、バター、チーズ、アイスクリーム、キャンディー、ケーキ、錠剤
コチニール色素(主な成分 カルミン酸) 水溶性、耐熱性、耐光性がある天然由来の赤色の着色料:端息、鼻炎、結膜炎、皮膚炎、じんましん、アナフィラキシー
含まれるもの:一部のカンパリオレンジまたはイチゴジュースなど
サリチル酸誘導体:自然界に多く存在します。じんましんの原因になります。
含まれるもの:トマト、キュウリ、イチゴ、リンゴなど
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アレルギーの対処法・治療法
アレルギー内科に受診・検査
アレルギーの症状が出てしまった場合は、アレルギー専門のアレルギー内科を受診しましょう。 総合病院内に「アレルギー科」があることも あります。
さまざまなアレルギーに専門的に対応してくれますので、症状緩和とアレルゲン(アレルギーを引き起こす元となる物質)確定のための近道になることもあります。
原材料表示をチェック
どの原材料がアレルギーの原因だったかを突き止める必要があります。必ず原材料表示をチェックしましょう。
ピスタチオ/カシューナッツに注意
ペクチンでアナフィラキシーショックを起こした症例では、カシューナッツアレルギーの既往歴があることが多いそうです。
カシューナッツのアナフィラキシー歴がある方は気をつけることが重要 です。
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まとめ
この記事をまとめると
- ペクチンとは植物の細胞壁や中葉に含まれている複合多糖類です。ペクチンは膨張してゲル化する特徴があります。
- ペクチンアレルギーの症例は国内でも数少ないですがあり、症状は全身紅潮や犬吠様咳嗽などがありました。
- ペクチン以外の添加物でアレルギーは出るので気をつけましょう。
- アレルギーの対処法・治療法はアレルギー内科に受診や検査に行くことです。原材料表示をチェックすることも重要で、カシューナッツアレルギーの既往歴がある方は食べるのを避けたほうがいいでしょう。
ペクチンにもアレルギー症状が出た症例があったというのはびっくりですね。気をつけましょう。
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