日本人にとって、ぬか漬けと言えばとても思い入れのある食べ物ですよね。お店で気軽に買えるぬか漬けも美味しいですが、やっぱり家庭のぬか床で漬けたものの味は別格です。
しかし、ぬか床は手入れがとても難しいことでも知られていますよね。
この記事では、
- ぬか床はカビが生えやすいって本当?
- カビが生えたぬか床は捨てるべき?
- ぬか床にカビが生えないようにする方法はある?
今回は、こちらについて詳しく解説していきます。
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目次
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ぬか床はカビが生えやすい
高温多湿な気候である日本は、環境的に様々な場所にカビが生えやすいです。。もちろん、ぬか床も例外ではありませんが、ぬか床にカビが生える原因は他にもあります。
水分を吸ってしまうから
ぬか床に様々な野菜を漬け込むことでぬか漬けが出来上がることは誰もが知っていることかと思います。
漬け込む野菜には少なからず水分が含まれていますが、漬け込んでいくと野菜に含まれる水分が抜け出してきます。
この水分があまりに多くなってしまうと、もともとぬか床に含まれていた塩分濃度が薄まってしまいます。
一般的なカビは塩分濃度が15%の環境になると増殖を始めると言われており、ぬか床の管理と塩分濃度の調整は切っても切れない関係にあるのです。
栄養がたっぷりだから
ぬか床には色々なものを混ぜ込むことで、出来上がるぬか漬けに深みのある味わいを与えることが出来ます。
- ぬか床の底に昆布を敷くと昆布から出ただしが全体に行きわたり美味しくなる
- ぬか漬けに香りづけをするためみかんやゆずなどの柑橘類の皮を入れる
- ビールをぬか床に少量加えると酵母の香りがぬか床に加わる
- 煮干しをぬか床に加えると味に旨味を加え、仕上がりがまろやかになる
簡単なものだけでもこれだけの隠し味が存在します。もちろん、家庭によって加えるものは大きく異なりますが、加えた材料の栄養がぬか床に吸収されています。
栄養がたっぷり含まれているということは、その分カビが生育しやすい環境が揃っているとも言えます。つまり、色々な材料を加えたぬか床ほどカビが生えやすくなります。
かき混ぜ不足
ぬか床は、定期的にかき混ぜないとぬか床の中で「産膜酵母」や「酪酸菌」が増殖していきます。これらが増えすぎてしまうとぬか床がカビ臭くなってしまうことも。
定期的にぬか床をかき混ぜてあげることによって、特に空気を嫌う「酪酸菌」を消滅させることが可能です。
気を付けたいのは、かき混ぜすぎるとぬか床に生まれた乳酸菌の働きも悪くなってしまうため、あくまで適度にぬか床をかき混ぜてあげることです。
塩分不足
ぬか床を長く使用していると、漬けた野菜の水分が抜けてぬか床の水分が増えてしまうことがあります。その場合、ぬか床に含まれる塩分濃度が薄くなってしまいカビが生えやすくなります。
ぬか床の塩分が足りなくなったら、定期的に塩を追加して塩分濃度を一定以上に保つことが大切です。
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カビが生えたぬか床は捨てるべき?
ぬか床の手入れがうまくいかないと、表面にカビが生えてしまうことがありますが、生えた量によっては捨てずに該当する部分だけを取り除いて廃棄することで対応が可能です。
捨てなくても大丈夫なときも
ぬか床に一見すると白いカビのようなものが生えることがありますが、これは空気を好む産膜酵母と呼ばれる菌である可能性が高いです。
産膜酵母については後ほど詳しく解説しますが、産膜酵母自体は食べても人体に害はありません。
産膜酵母は低温下に置かれると発酵がおさまる性質を持っているため、冷蔵庫の中で保存することで対処しましょう。
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カビが生えないようにするには?
ここまではぬか床にカビが生えてしまった場合の対処方法について解説してきました。それでは、カビが生えないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
予防方法
よくかき混ぜる
ぬか床全体に乳酸菌を行きわたらせるだけでなく、他の菌の増殖を防ぐにはぬか床のかき混ぜが不可欠です。気温の低い冬場は1日1回でも大丈夫ですが、暑い夏場は朝晩2回のかき混ぜを行いましょう。
ぬか床の温度を下げる
ぬか床の温度が上がると微生物の働きが活発化してカビが生えやすくなります。ぬか床を冷蔵庫で保存することで菌の働きを鈍らせることが可能です。
ぬか床の塩分を増やす
ぬか床の塩分濃度を一定以上に保つことで、微生物の働きを抑えることができます。
ぬか床で漬ける野菜の数や種類にもよりますが、数回ぬか漬けを作ったあとは小さじ一杯程度の粗塩を加えて良くかき混ぜるようにしましょう。
ぬか床の水分を取り除く
ぬか床の水分が増えると雑菌が増えやすい環境になるだけでなく、塩分濃度も薄まってしまいます。ぬか床が水っぽくなったら、キッチンペーパーや清潔なスポンジを使用して水分を取り除いていきましょう。
カビではない可能性も
ぬか床を開けるとまれに白い膜のようなものが張っていることがあります。一見するとカビのようにも見えますが、これは産膜酵母と呼ばれるものでカビではありません。
産膜酵母とは?
産膜酵母とは酵母菌の一種で、耐塩性(塩分濃度の高い過酷な環境でも生育できる特性)のある酵母のことを指します。白い粉状の膜になる特徴を持ちますが、食べても人体に影響はありません。
しかし、量によっては風味を劣化させる原因にもなるため、あまり広範囲に膜を張っているようなら取り除いた方が良いでしょう。
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まとめ
この記事をまとめると
- ぬか床は手入れが難しく手を抜くとすぐにカビが生えてしまうため注意が必要
- カビが生えやすい条件はいくつかあるが、かき混ぜ不足と塩分不足には特に気を付ける
- カビが大量に生えたぬか床は捨てた方が良いが、ぬか床に白い膜が張っている場合は産膜酵母である可能性が高い
- 産膜酵母は酵母菌の一種で風味は落ちるものの食べても人体に影響はない
いかがだったでしょうか。
毎日の食卓に彩りを与えるぬか漬けは日本人にとってのソウルフードと言えるでしょう。この記事を参考に、皆さんがより美味しいぬか漬けを作ることが出来たら嬉しいです。
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