ニジマスの食べ方の代名詞と言えば炉端焼きや塩焼きですが、実はシンプルな料理ほど難しいものです。
そこで今回は美味しいニジマスの塩焼きのいろはについて学んでいきたいと思います。
- ニジマスについて
- ニジマスの塩焼きがまずくなる原因は?
- 上手な下処理の方法
- 上手な塩焼きの方法
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目次
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ニジマスについて
まずは調理をするにあたり、ニジマスがどのような魚なのか理解する必要があるのではないでしょうか。
概要
ニジマスはサケ目サケ科サケ亜科タイヘイヨウサケ属に分類される川魚の一種です。学名はOncorhynchus mykis、英名はレインボートラウトといいます。背側面には黒斑が多数あり、体側の紫赤色の縦帯は雄に顕著に出ています。
成魚の体長は一般的に約40cm前後ですが、大型のものは60cm~120cmにまで成長することもあります。小型のニジマスは一生を淡水で過ごす陸封型(河川残留型)で、大型のニジマスは川から海へ下って再び川へ戻ってくる降海型です。陸海型は大きさだけでなく見た目も全く変わっており、サケのような見た目になります。降海型のニジマスは北方漁業では〈ショマ〉と呼ばれ漁獲されています。
養殖や川釣りではニジマスはポピュラーな魚で、今回は陸封型のニジマスの話になります。
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ニジマスの塩焼きがまずくなる原因は?
本来であれば美味しくなるはずのニジマスの塩焼きがなぜまずくなってしまうのでしょうか。
臭い
川魚は特有の生臭さをもっているためか、川釣りをしても魚は持ち帰らなかったり、仮に持ち帰って調理してもその生臭さに食べるのを断念してしまう人もいるそうです。一般的に臭みが出ないように餌を管理された養殖のニジマスは臭みが少ないそうです。
また淡水魚・海水魚に共通して存在する魚臭さはアンモニア臭がある「ピペリジン」が原因です。
一方で、淡水魚には海水魚には無い匂い成分があり、「ゲオスミン」や「2-メチルイソボルネオール(2-MIB)」は「土臭」「かび臭」のする成分として知られています。淡水魚に特徴的な成分ともいえる土臭物質は魚由来の成分ではなく、環境中に存在する細菌によって発生した成分です。
栄養に富んだ池や川で発生するアオコは墨汁のような臭いが発生しますが、これもゲオスミンや2-MIBによるもので、微生物がたくさん発生している川にいる魚が臭いのはこれらの成分を魚が餌として取り入れているためと考えられます。
水っぽさ
ニジマスの身にはとても水分が多く含まれています。そのため下処理を怠ると食べた時に水っぽさが残ってしまうのです。
また釣りをする時に用意するクーラーボックスにもひと手間が必要で、鮮度を保つためにクーラーボックスに水を張って生かしておく方法ですとニジマスがいずれ酸欠で死んでしまった時に体の中に水が回ってしまい水っぽくなってしまうようです。釣ったニジマスの鮮度を保つ時は水を張るのではなく、氷が良いと思います。
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上手な下処理の方法
ニジマスは下処理が不可欠な魚だとわかりましたが、どのような下処理を施せばよいのでしょうか。
ウロコを取る方法
まな板と出刃包丁を用意し、平らな所にまな板を置き、その上で作業を行います。まな板は大きいものを用いると作業がやりやすいです。
魚をさばく基本として、内臓をとってしまう前に普通はウロコをとるのですが、ニジマス(特に小型)の場合は実は取らなくても大丈夫です。ニジマスなどいわゆるマス類のウロコは非常に小さいためウロコ取りを省略する方も多いのです。
料理にもよりますが、皮ごと剥がしてしまう・また皮付きのまま表面をしっかり焼く料理の場はそもそもウロコ取りが省かれている場合が多いです。しかし焼きが甘かったりすると、口の中で小さなウロコを感じてしまいますので、気になる場合は内臓をとる前にしっかりとウロコを取ることをおすすめします。
ウロコを取る場合は包丁の刃先を身に優しく添わせてウロコを取る方法が一般的です。ペットボトルキャップやウロコ取りを使う方法もありますが、ニジマスは小さく皮が柔らかい魚のため表面を傷付けてしまいやすいです。
内臓を抜く方法
魚の内臓の抜き方は基本どの魚も変わりませんが、臭みの原因となるためしっかりと作業してください。
エラの付け根を全て落とし、肛門まで包丁を入れて腹を開き、エラ側から肛門側に向けてエラと内臓を一緒にゆっくりと剥がしていきます。全て剥がし切ったら中骨の手前に血合いがあるので、内臓や血合いを抜いて流水で綺麗に洗い流しましょう。
臭みを取る方法
ニジマスの臭みを取る方法はいくつかあります。
【塩を振る方法】
調理の30分程前に塩を振ります。浸透圧を利用して身から水分を出し、その際に臭みも一緒に出ていきます。身がしまり美味しくなりますが、長く置きすぎると臭みだけでなく魚の旨みも出ていってしまいますので置きすぎに気をつけてください。
【熱湯をかける方法】
煮魚などのような煮る料理をする際に下処理として熱湯をかけることで魚のぬめりや血を落とすことが出来ます。お湯は80度前後が良く、熱すぎると皮が縮んで破れてしますのでお湯をかける際には取り扱いに気をつけてください。
【酒をふりかける】
酒には臭みを抑える効果があります。また素材の旨みや香りを引き出すのに良く、臭み取りと同時に美味しく仕上がることから一石二鳥です。
水っぽさを取る方法
水っぽさを取り除くには、とにかく水分を取り除くことが重要です。臭みを取る方法で使用した塩を調理前に振り、しばらく置き、水分が出てきたらキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。このひと手間で仕上がりが全然違ってきますので是非行ってください。
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上手な塩焼きの方法
下処理の仕方は完璧ですか?それでは美味しいニジマスの塩焼きを作っていきましょう!
グリル
下処理を施したニジマスの表面に切り込みをいれ、粗塩を振りかけて、魚焼きグリルで25〜30分中火で焼きます。皮がパリッと焼き上がれば出来上がりです。
フライパン
下処理を施したニジマスに粗塩を振りかけて、フッ素加工がしっかりと利いたフライパンにサラダ油を馴染ませます。
フライパンを中火で熱し、ニジマスを入れ、焼き色がつくまで3分ほど焼き、裏に返して3分焼きます。
酒をまわし入れて蓋をし、ニジマスに火が通るまで弱火で3〜4分ほど蒸し焼きにします。蓋を取り、水分を飛ばすように2分ほど焼いて完成です。
アルミホイル
下処理を施し、三枚におろしたニジマスに塩コショウで下味をつけておきます。
ニジマスや具材が隠れる位の大きさのアルミホイルを切り、具材が乗る側にバターを塗っておきます。
アルミホイルに下味をつけたニジマスを並べ、しめじや玉ねぎなどお好みの野菜を上に重ね、バターひとかけと醤油数滴を入れます。
アルミホイルでしっかり蓋をして、ニジマスの入ったアルミホイルをフライパンに移動します。フライパンを火にかけてフライパンにふたをし、蒸し焼きにします。15分~20分ほどで中身に火が通っていれば、ニジマスのホイル焼きの完成です。
まとめ
この記事をまとめると
- ニジマスはサケ目サケ科サケ亜科タイヘイヨウサケ属に分類される川魚の一種です
- ニジマスには一生を淡水で過ごす陸封型(河川残留型)の小型のニジマスと、川から海へ下って再び川へ戻ってくる降海型の大型のニジマスの二種類があり、陸海型は個体の大きさだけでなく見た目も大きく変わっており、まるでサケのようです
- 養殖のニジマスはニジマス特有の臭いが少ないそうです
- 淡水魚・海水魚に共通して存在する魚臭さはアンモニア臭がある「ピペリジン」が原因です
- 淡水魚に特徴的な成分ともいえる土臭物質は魚由来の成分ではなく、環境中に存在する細菌によって発生した成分で、「ゲオスミン」や「2-メチルイソボルネオール(2-MIB)」は「土臭」「かび臭」のする成分として知られています
- 川魚が臭いのは川に発生している微生物成分を魚が餌として取り入れているためと考えられます
- ニジマスの身にはとても水分が多く含まれています
- ニジマスのウロコ取りは料理によっては省略可能です
- ニジマスの臭みを取る方法は「塩をふる」「熱湯をかける」「お酒をふりかける」の三種類があります
- ニジマスの水っぽさを取り除く方法は塩を調理前に振り、しばらく置き、水分が出てきたらキッチンペーパーでしっかり拭き取る方法です
- ひと手間加えたニジマスは塩焼きや、ホイル焼きなどにして美味しく召し上がれます
いかがでしたか?今までニジマスをキャッチ&リリースしていた方もこれを機に美味しく召し上がってみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
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