妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ウニ”は妊婦さんでも食べられるのでしょうか?ウニに含まれる栄養素や、妊娠中に食べる危険性の有無について着目しました。今回は、
- ウニは妊娠中でも食べられる?
 - ウニは葉酸が豊富?
 - 妊娠中でも安全おいしいレシピ
 - 生のウニを食べるとどうなる?
 
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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ウニってどんな魚介類?

| 英名 | Sea urchin | 
| 別名・和名 | 海胆 | 
| エネルギー(100gあたり) | 120kcal | 
| 糖質量(100gあたり) | 3.3g | 
ウニ(雲丹)は、トゲが沢山生えている甲羅の中に生殖巣を持つ海の生き物です。いくつか種類がありますが、食用とされているのは主に「バフンウニ」「ムラサキウニ」「キタムラサキウニ」「エゾバフンウニ」などです。
日本における生産量の約半数は北海道産が占めており、地域によって収穫期が異なります。そのため、夏でも冬でも収穫されているのです。
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ウニは妊娠中でも食べられる?

ウニは、加熱すれば妊娠中でも食べることができる魚介類です。ウニには、妊娠初期から必要とされる葉酸が多く含まれています。妊娠中、1日あたりに必要な葉酸量は400μgとされていますが、ウニ100gあたりの含有量は360μgです。
また、ビタミンB1・B2・B12などのビタミンB群やビタミンEも多く、妊婦さんに嬉しい効果が複数あります。
葉酸は妊娠前の2倍以上必要
ウニに含まれる葉酸は、ビタミンB群に分類される栄養素の一つで妊娠前から摂取したい栄養素とも言われています。 妊娠初期の活発な細胞分裂のサポートをしたり、DNAの合成など胎児の発育に大きく関係する ためです。
妊娠前の2倍以上の葉酸が必要となるため、サプリでの補給もすすめられています。
ビタミンB群の各効果とは?
ビタミンB群の中でも、アワビに含まれるB1やB2・B12には、妊婦さんにとってこのような効果があります。
- ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
 - ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
 - ビタミンB12…DNAの合成を助ける働きや貧血予防効果
 
どれらもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。
ビタミンEも妊娠中は多めに
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、細胞膜や脂質を酸化から守る働きがあります。妊娠中のビタミンE摂取は、流産を防ぐ効果があると言われています。
体内に蓄積しにくく、不足すると神経や筋障害が出ることもありますが、通常の食事をしていれば不足することはあまりないと考えられています。妊婦さんにとっては、妊娠前よりも多めに必要な栄養素です。
妊娠中のビタミンE摂取目安量は、1日6.5mg!
厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンE摂取量は1日5.0〜5.5mgです。それが妊娠中となると1日6.5mg、授乳中になると1日7.0mgが必要な目安量と言われています。
ビタミンEには、 βカロテンやビタミンCと一緒に摂ると抗酸化作用が高まる 特徴があります。
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生のウニは食べても大丈夫?

ウニは生が美味しい魚介類ですが、残念ながら妊娠中に生で食べるのは控えた方が良いとされています。お刺身やお寿司などの生魚介類には、“腸炎ビブリオ菌”や“ノロウイルス”、“病原性大腸菌”による食中毒リスクがあるからです。
これらの食中毒により繰り返し下痢を起こすと、子宮収縮を起こし胎児へ影響が出ることも考えられます。また、本来であれば飲める薬も妊娠中には限られるため、食中毒になった時に満足な治療ができないこともあります。
いつもなら問題なく食べていた食材でも、妊娠中にはあたる可能性が高くなるため、食中毒・感染症リスクのあるお刺身の摂取は控えるようにしましょう。
うにに多く含まれる主な4つの栄養素

ウニには、抗酸化作用が強いビタミンEが豊富に含まれているため、体の老化防止やアンチエイジングにも効果的です。また、動脈硬化や心臓病などの生活習慣病予防にも効果のある栄養素となっています。
また、野菜や果物から摂ることができないビタミンB12やその他のビタミン類も含んでいるので、高栄養な食材と言えます。
- ビタミンE:ビタミンEは、強い抗酸化作用、加えてコレステロールの酸化を防ぎ血流を良くする働きを持っています。また、毛細血管の収縮を抑制することで、細くなった血管が広がることで血流の悪化による体の不調改善効果もあるビタミンです。
 - ビタミンB1:ビタミンB1は、人間の代謝に関わるビタミンで、炭水化物を糖に分解し、エネルギーを作り出す経路の最初を担います。食べた糖質全般を燃焼させる工程に関わるため、不足すると疲れやすくなります。また脳の神経伝達物質にも関わり、集中力を増やすや手足の痺れにくくすると言った働きがあります。
 - ビタミンB2:ビタミンB2は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝で、酵素に近い補酵素としての働きます。ビタミンB2は単独では酵素としての働きは持たないものの、体内で特定の分子がつくことで代謝の働きを担います。三大エネルギーの分解の他、体内の活性酸素の除去作用も持っています。
 - ビタミンB12:ビタミンB12には、細胞分裂に関わり、特に乳児や人間の血球の文化には不可欠な栄養素です。細胞分裂の際の、DNAの複製に関わるため、不足すると正常な組織が作られず体の機能維持に影響が出ます。神経伝達や脂質代謝にも関わる酵素です。
 
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妊娠中でも安全おいしいウニのおススメレシピ

妊娠中にウニを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのウニレシピをご紹介!栄養たっぷりなので是非お試しください♩
炊き込みご飯
引用:cookpad
ウニの炊き込みご飯は、材料を炊飯器に入れてスイッチを押すだけなので簡単に作ることができます。妊娠中は料理をするのが大変な時もありますが、お手軽に作れるのでとても便利です◎
卵焼き

ウニを卵焼きで包めば、優しい味わいの中に魚介の風味香るリッチな卵焼きになります◎ウニは卵と混ぜる前に、フライパンなどで加熱しておきましょう。
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
 - 鶏肉 …たんぱく質
 - 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
 - 青魚 …DHA・EPA
 - 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
 - ぶり …鉄
 - かつお…鉄
 - 白身魚…たんぱく質
 - 貝類 …鉄+亜鉛
 - 桜エビ…カルシウム
 - 卵 …たんぱく質
 - ブロッコリー…葉酸+カリウム
 - 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
 - ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
 - 納豆 …葉酸+ビタミンE
 - 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
 - いちご …葉酸
 - アボカド …ビタミンE+カリウム
 - トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
 - グリーンアスパラガス …葉酸
 - 枝豆 …葉酸
 - そら豆 …葉酸
 - トマト …カリウム
 - もずく …ミネラル+食物繊維
 - きのこ …食物繊維+ビタミンD
 - 切り干し大根 …食物繊維
 - もち麦 …食物繊維
 
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
 - 生卵
 - ローストビーフ
 - 生ハム
 - ナチュラルチーズ
 - 肉・魚のパテ
 
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
 - メカジキ :1回80gを週に1度まで
 - メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
 - 本マグロ:1回80gを週に1度まで
 - エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
 - くじら:1回80gを週に1度まで
 - きだい:1回80gを週に2度まで
 - インドマグロ:1回80gを週に2度まで
 - マカジキ:1回80gを週に2度まで
 - くろむつ:1回80gを週に2度まで
 
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
 - ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
 
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
 - 紅茶 …約30mg
 - 緑茶 …約20mg
 - ほうじ茶 …約20mg
 - ウーロン茶 …約20mg
 - ココア …約10mg
 
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
 - うなぎ
 - あなご
 
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
 - アルコール
 
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まとめ
この記事をまとめると
- ウニは妊娠中でも食べることができる魚介類!
 - ウニに含まれるビタミンB群:DNAの生成を助ける働きがある!
 - ウニに含まれる葉酸:胎児の形成に欠かせない栄養素
 - ウニに含まれるビタミンE:流産を防ぐ効果があると言われる栄養素
 
ウニには妊娠中のママの体や赤ちゃんに嬉しい葉酸や、ビタミンB群も含まれています。生でなければ食べても問題ありませんので、食べる際はよく加熱してあるか確認しましょう♩
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