妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“スケトウダラ”は妊婦さんでも食べられる魚です。スケトウダラを始めとする魚には妊娠中に嬉しい栄養素が多く、妊婦さんにとって効果的な食材です。今回は、
- スケトウダラが妊娠中にオススメな理由
- スケトウダラは水銀量は少ない?
- スケトウダラが含む主な栄養素
- 妊娠中でも安全おいしいレシピ
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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スケトウダラってどんな魚?
特徴
“スケトウダラ(介党鱈)”はタラ目タラ科の魚で、練り物の原料としてよく使われています。また、卵巣はたらこや明太子として加工されています。大きさは体長70cmほどですが、身は細長いのが特徴です。
スケトウダラを始めとするタラ類は鮮度の落ちが早く、時間の経過と共に臭いやヌメリが出やすいです。産地では鮮魚として食べることもできるようですが、珍しいものとなっています。鮮魚が流通するのは、秋から冬にかけた時期です。
『スケトウダラ』という名前は、佐渡近海で獲れることから、「佐(すけ)」「渡(と)」という語呂に由来すると言われています
スケトウダラの食べ方としては、かまぼこ・つみれ・ちくわなどの練り物がメインです。たらこ・明太子はスケトウダラの卵巣を塩漬けしたものとなります。
ちなみに、一般的に白子と言われているものはスケトウダラの卵巣で、マダラの卵巣は『真子(まこ)』や『真鱈子(まだらこ)』と区別され、高級食材として扱われています。
旬の時期
スケトウダラの旬の時期は、12〜3月です。1年を通し獲ることのできる魚ですが、1〜2月に産卵期のピークを迎えるため、身が厚くなり栄養も蓄えています。
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スケトウダラは妊娠中でも食べられる魚!
スケトウダラは、魚介類の中でも妊娠中にオススメの食材です!その理由には、スケトウダラに含まれる“ビタミンD”、“タンパク質”、そして水銀量の少なさがあります。
水銀量が少ない
魚な種類によって水銀が含まれているものがあります。水銀は、自然界の食物連鎖により魚の体内に溜まっているものです。
妊娠中に水銀を摂取した場合、胎盤を通じて胎児に届きやすく、摂り過ぎると『中枢神経障害』を起こします。中枢神経障害の主な影響には、感覚障害・運動失調・視野狭窄・聴力障害などがあります。
妊娠中、絶対に水銀を含む魚を食べてはいけないわけではありません、しかし、スケトウダラに含まれる水銀量は少ないので、妊娠中でも安心して食べることができる魚となっています◎
妊娠中期以降はタンパク質量を増やして
スケトウダラなどの魚類には、タンパク質も多く含まれています。特にタラは高タンパク・低脂質の魚です。タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素で、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。
- 妊娠前の成人女性…50g/1日
- 妊娠初期…50g/1日
- 妊娠中期…60g/1日
- 妊娠後期…75g/1日
妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。
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骨を丈夫にするビタミンD
スケトウダラに含まれるビタミンDには、カルシウムが吸収されるのをサポートし骨を丈夫にする働きがあります。ビタミンDは不足しがちなもので、太陽の光に当たり紫外線を受けることでも生成される栄養素です。
ビタミンDが不足すると「ビタミンD欠乏症」となり、カルシウムが吸収されにくくなったり、骨粗しょう症や骨軟化の原因となります。また、赤ちゃんの足が曲がってしまう「くる病」という病気になるリスクも上がります。
ビタミンDは妊娠中はもちろんのこと、授乳中にも必要不可欠な栄養素です。妊娠期・授乳期共に1日あたり8.5㎍のビタミンDが必要で、きのこにも多く含まれています。
スケトウダラに多く含まれる主な4つの栄養素
スケトウダラは高タンパク低脂質なのでヘルシーな食材としてオススメな魚ですが、グルタミン酸やロイシンヤリジンといった旨み成分であるアミノ酸が豊富に含まれています。
- グルタミン酸:グルタミン酸は体内で脳内物質のGABAの生成に関わっており、緊張をほぐす効果があります。体内では有害なアンモニアの分解する力を持ち、血圧を下げる効果があると言われています。肌を構成するケラチンの材料でも知られており美肌効果も持っています。
- たんぱく質:たんぱく質は20種類のアミノ酸が複数個結合することで作られています。結合するアミノ酸が種類や配列によって様々な臓器や組織の材料になります。特に筋肉の材料として使用されるため、多くの摂取が望ましいです。食品では魚や肉、大豆に多く含まれており、様々な種類を多く摂ることが大切です。
- カリウム:カリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分の排出に関わるミネラルで、細胞の中に主に存在しています。ナトリウムとセットで、体内の水分量を調整し、体内にある過剰な水分の排出を促進させます。むくみや冷え性と言った不調の改善効果があります。
- ナトリウム:ナトリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分保持に欠かせないミネラルです。人間の体内の水分を留める働きを持ち、普段は細胞外液に多く存在しています。ナトリウムとカリウムはセットで働き体内の水分調節とともに、老廃物の排出や栄養の取り込み、血圧に関わるミネラルです。
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妊娠中でも安全おいしいスケトウダラのおススメレシピ
妊娠中にスケトウダラを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのスケトウダラレシピをご紹介!栄養たっぷりなので是非お試しください♩
ムニエル
スケトウダラの調理は焼くのが向いているので、皮をカリッと焼いたムニエルがオススメです。クリームソースをかけたり、塩胡椒で味付けしたり、お好みの味付けで仕上げましょう。
西京焼き
みりんなどの調味料に漬けておけば、簡単に西京焼きを作ることができます。漬けたスケトウダラは焦げやすいので、火加減に注意しましょう。
トマト煮込み
スケトウダラをトマトで煮込むと、ほっくり柔らかくなり美味しいです。トマトにはβカロテンやビタミンCが含まれているので、栄養面も◎です。
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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- スケトウダラは妊娠中にもオススメの魚!
- スケトウダラは水銀量が少ないので安心して食べられる!
- スケトウダラに含まれるビタミンD:カルシウムの吸収を助ける!
- スケトウダラに含まれるタンパク質:妊娠中は妊娠前より多く必要な栄養素
スケトウダラはタンパク質が多く水銀量の少ない魚です。また、妊娠中のママの体や赤ちゃんに嬉しい栄養素が豊富に含まれています。妊娠中はなかなか調理する気力が出なかったり、食欲がない時もありますが、栄養のため時々魚も食べるようにしましょう。
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