妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ローストビーフ”は妊婦さんでも食べることができるのでしょうか?妊娠中にローストビーフを食べる危険性の有無について解説いたします。
- ローストビーフは妊娠中でも食べられる?
- ローストビーフは食中毒が危険?
- 妊婦が食中毒になるとどうなるの?
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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ローストビーフってどんな食べ物?
“ローストビーフ”は、牛肉の塊をオーブンなどで蒸し焼きにした料理です。イギリスの伝統的な料理の一つで、スライスしてグレイビーソースをかけて食べるのが定番です。
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ローストビーフは妊娠中でも食べられる?
妊娠中、ローストビーフはあまり食べないほうが良い食材です。その理由は、牛肉が持つ菌によって食中毒となることがあるからです。ローストビーフに潜む食中毒菌や、それによる影響にはどのようなものがあるのでしょうか?
ローストビーフによる食中毒症状
ローストビーフによる食中毒には、O157や黄色ブドウ球菌があります。これらはローストビーフに関わらず生の牛肉によって起こる可能性のある食中毒で、それぞれこのような特徴を持っています。
O157
O157は牛肉によって起こり得る食中毒の代表ですが、 下痢が主な症状 です。焼肉の生焼け・ユッケ・レバ刺しなどによるO157が毎年10〜20件ほど国内で起きており、海外では死亡したケースもあります。
O157を持った牛は無症状のため、出荷の際に気づくことができません。全ての牛が持っている菌ではありませんが、生焼け状態だと万が一O157持ちの牛であった場合、食中毒を起こしてしまいます。しかし、人によっては無症状で済む場合もあります。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌とは牛・豚・鶏どのお肉にも起こり得る食中毒で、その割合は牛が13%・豚8%・鶏36%となっています。牛肉よりも鶏肉の方がより高い数値となっています。
黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンという毒成分を生成する働きがあり、それによって激しい嘔吐・腹痛・下痢などの急性胃腸炎を発症します。健康体であれば食べてしまっても無症状で済むこともありまうすが、免疫力が下がっている時や体の弱い人はかかりやすいという特徴があります。
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ローストビーフによる食中毒は何時間後に出る?
食後すぐ〜30分ほどで発症するケースは黄色ブドウ球菌で、早くて30分ほどで発症します。O157の場合食後すぐに症状が出ることはほとんどありません。というのも、O157には3〜5日間の潜伏期間があります。数日潜伏した後に消化器系に異常が出るため、原因にすぐ気付かないことも多いです。
妊娠中に食中毒にかかるリスク
妊娠中に食中毒となると、ママだけではなく赤ちゃんに影響が出る可能性があります。普段は胃腸の強い人でも、妊娠中は免疫力が低下するものです。
少量でも食中毒となることも多いので、危険性のあるものは食べるのを控えた方が安全です。妊婦さんが食中毒になった場合、考えられる症状やリスクには下記のようなものがあります。
- 治療に必要な薬が制限される
- 繰り返す下痢によって子宮収縮が起こる
- 子宮収縮によって酸素や栄養が届きにくくなる
- 酷い場合は流産に繋がる可能性もゼロではない
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妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。 妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう! 妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中に積極的に摂りたい食材
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- ローストビーフは妊娠中、食べるのを控えた方が良い!
- その理由は食中毒リスクが高いため
- 食中毒の原因菌①:黄色ブドウ球菌 ②:O157
- 万が一食中毒となると胎児に影響が出る可能性も高い
ローストビーフは低温調理なので生焼けの可能性が高い食べ物です。万が一妊婦さんが食中毒になると十分な治療ができない他、赤ちゃんへのリスクもあるので、妊娠中は食べないようにしましょう。
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