ハトムギは妊娠中(妊婦)でも食べられる!流産・早産になるのは根拠なし?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ハトムギ”は妊婦さんでも食べられる食べ物です。「ハトムギを食べると流産する」という噂もあるようですが、これに根拠はないようですよ。噂の詳細と、妊娠中にオススメな理由を解説します。

  • ハトムギは妊娠中でも食べられる!
  • ハトムギが含む主な栄養素とは?
  • 食べると流産するという噂は本当?嘘?
  • 妊娠中でも安全おいしい食べ方

これらのテーマについて見てみましょう!

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ハトムギってどんな食べ物?

英名 Jobs tears
別名・和名 鳩麦
エネルギー(100gあたり) 360kcal
糖質量(100gあたり) 71.6g

ハトムギの歴史は古く、紀元前1500年頃、インド北東部のアッサム地方からミャンマー付近の地域で栽培が始まったと言われています。日本に伝来したのは1700年代初期です。

漢方としても利用されているハトムギですが、美容にも効果的なので最近は健康食としても人気となっています。お米や小麦に比べ2倍のタンパク質を含むので、主食としてオススメの食材です。

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ハトムギは妊娠中でも食べられるオススメ食材!

ハトムギは、妊娠中にオススメの食材です!その理由は、ハトムギに含まれる“食物繊維”“タンパク質“ビタミンB群”があります。押し麦は、特に食物繊維が多いのが特徴です。

妊娠中の便秘に食物繊維

ハトムギには、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が豊富に含まれています。その食物繊維含有量は、なんと白米の8倍!そのため、便秘解消やダイエットに効果があります。

妊娠中はホルモンバランスの関係で頑固な便秘になりやすく、便秘薬を飲まないとなかなか排便できないことが多いです。妊娠中でも飲める便秘薬には“酸化マグネシウム”などがあり、かかりつけの産科で処方してくれます。

妊娠中の便秘はなかなか手ごわいものですが、その対処法として 「食物繊維の多い食材を摂ること」 があります。

また、食物繊維を摂ることで腹持ちを良くし、妊娠中の体重増加を緩和させる効果もあります。食べづわりなどでつい食べ過ぎてしまい、体重が急増してしまった…!という時は、食物繊維たっぷりのハトムギを食事に取り入れてみましょう。

妊娠中期以降はタンパク質量を増やして

ハトムギには、お米や小麦の2倍のタンパク質が含まれています!タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。

たんぱく質の摂取目安量
  • 妊娠前の成人女性…50g/1日
  • 妊娠初期…50g/1日
  • 妊娠中期…60g/1日
  • 妊娠後期…75g/1日

妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。

ビタミンB群の各効果とは?

ビタミンB群の中でも、ハトムギに含まれるB1・B2には、妊婦さんにとってこのような効果があります。

ビタミンB群の働き
  • ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
  • ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進

どちらもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。

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ハトムギで流産・早産になる?

“ハトムギを食べたり、ハトムギ茶を飲むと流産や早産の原因となる”と言われることがあるようですが、これに科学的根拠はありません。

ハトムギには子宮収縮作用があるとも言われますが、これはハトムギに発生したカビ毒が原因で起きたことだと言われています。ハトムギ自体にそのような作用はなく、問題なく食べることができます。

このことはラットでの実験でも証明されており、 『ハトムギ=流産や早産の原因となるというのは根拠のない話』 なので安心しましょう。

ハトムギに多く含まれる主な5つの栄養素

ハトムギに含まれるタンパク質は、お米や小麦の2倍ほどです。これに加えてカリウム・ビタミンB群・ナイアシンなどのミネラルが豊富な上、お米の8倍もの食物繊維を含んでいます。

これらの栄養素によって、健康や美容にとても効果的な食材です。普段のお米に混ぜるだけでも違うので、ぜひ取り入れてみましょう。

  • 不溶性食物繊維不溶性食物繊維は、食物繊維の中でも水に溶けることが出来ないため腸内まで届きます。腸まで消化されないため、便として排出されるのが不要姓食物繊維です。腸管を適度に刺激をするため、蠕動運動が活発化し食べ物の吸収や消化を助ける働きがあります。善玉菌の栄養にもなるため腸内環境もよくなることが知られています。
  • 水溶性食物繊維:水溶性食物繊維は、食物繊維の中で水に溶けやすい分類のもので、主な働きは腸内細菌の餌となり、善玉菌を増やすと同時に酪酸や酢酸と言ったエネルギーの材料になります。腸内環境を整える効果が高く、便秘や下痢と言った不調を改善していきます。免疫力や肌も綺麗にする栄養素です。
  • ナイアシン:ナイアシンは、糖代謝、脂質代謝の補酵素としての働きで、エネルギー生成のサポートします。ナイアシン一つで複数の代謝工程をサポートするのが大きな特徴です。他にも肝臓におけるアルコール代謝の二日酔いの原因になるアセトアルデヒドの分解を助けます。
  • カリウム:カリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分の排出に関わるミネラルで、細胞の中に主に存在しています。ナトリウムとセットで、体内の水分量を調整し、体内にある過剰な水分の排出を促進させます。むくみや冷え性と言った不調の改善効果があります。
  • たんぱく質:たんぱく質は20種類のアミノ酸が複数個結合することで作られています。結合するアミノ酸が種類や配列によって様々な臓器や組織の材料になります。特に筋肉の材料として使用されるため、多くの摂取が望ましいです。食品では魚や肉、大豆に多く含まれており、様々な種類を多く摂ることが大切です。

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妊娠中でも安全おいしいハトムギのおススメレシピ

妊娠中にハトムギを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのハトムギレシピをご紹介!栄養たっぷりなので是非お試しください♩

シリアルに混ぜて

最近はオートミールなどの麦類が健康に良いと話題になっていますが、シリアルの中に炒ったハトムギを混ぜて食べる方法もあります。そのままだと淡白な味で食感もネチネチしているので、はちみつやフルーツなどの甘いものと合わせることで食べやすくなります◎

ヨーグルトにのせて

ハトムギはヨーグルトにのせても美味しく食べることができます。ビタミン豊富なたっぷりフルーツと、乳酸菌を含ヨーグルトで腸内環境も整います◎便秘解消メニューでもありオススメですよ。

妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • ハトムギは妊娠中にもオススメの食材!
  • ハトムギに含まれる食物繊維:妊娠中に起こりやすい便秘解消効果あり!
  • ハトムギに含まれるタンパク質:エネルギー源となり妊娠中にはより一層必要!
  • ハトムギに含まれるビタミンB群:代謝をサポート!

ハトムギには、妊娠中にも必要な食物繊維が豊富に含まれています。便秘解消や、食べづわりなどによる体重増加防止にも効果的なので、是非食事に取り入れてみてくださいね。

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