ぎんなんは妊娠中(妊婦)でも食べられる?食中毒の危険性・何個まで大丈夫?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ぎんなん”は妊婦さんでも食べられるのでしょうか?ぎんなんが持つ栄養素や、危険性の有無について着目しました。それでは、

  • ぎんなんは妊娠中でも食べられる?
  • ぎんなんの食べ過ぎで食中毒になる?
  • 1日何個までなら食べても大丈夫?

これらのテーマについて紹介いたします。

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ぎんなんってどんな食べ物?

学名 Ginkgo biloba
分類 イチョウ科イチョウ属
原産地 中国
おいしい時期 9月〜11月

ぎんなんは銀杏(いちょう)の木になる実の中にある殻に包まれた胚乳種の部分を食べる野菜です。「木の実」に分類されそうですが実は野菜の仲間なのです。銀杏にはオスとメスそれぞれの木がありますが、ぎんなんがなるのはメスの木限定です。

果肉はみなさんもご存知の通り臭すぎるので食べることはできません。生産地は、主に愛知県や大分県で収穫されたものが出回っています。

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ぎんなんに含まれる主な4つの栄養素

ぎんなんには、ビタミンCやビタミンE、カリウムが含まれています。また、薄皮にはポリフェノールが含まれています。この栄養素には強い抗酸化作用があり、体のサビつきを防止したり生活習慣病を予防する働きがあります。

  • ビタミンC:ビタミンCは、抗酸化効果が高く活性酸素を除去し、過酸化脂質の生成を押さえや動脈硬化含む血管疾患、免疫力を上げるため風邪の予防効果があります。コラーゲンの生成やメラニン生成を抑えるため美肌効果が高いのも大きな特徴です。また、脳を落ち着かせる働きの脳内物質の生成や、ホルモン合成にも関わっています。
  • ビタミンE:ビタミンEは、強い抗酸化作用、加えてコレステロールの酸化を防ぎ血流を良くする働きを持っています。また、毛細血管の収縮を抑制することで、細くなった血管が広がることで血流の悪化による体の不調改善効果もあるビタミンです。
  • カリウム:カリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分の排出に関わるミネラルで、細胞の中に主に存在しています。ナトリウムとセットで、体内の水分量を調整し、体内にある過剰な水分の排出を促進させます。むくみや冷え性と言った不調の改善効果があります。
  • ポリフェノール:ポリフェノールは、植物に含まれている成分で苦味や色素の成分で、5000種類ほど存在していると言われており、その種類ごとに特徴ある健康効果を持つ栄養素です。共通点はとても強い抗酸化作用を持ち、活性酸素の除去や体の酸化による老化に関わる病気の予防に役立つ栄養素です。

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ぎんなんは妊娠中でも食べられる?

ぎんなんにはビタミン類が多く含まれていますが、実は『妊娠中にはあまり食べない方が良い』とされています。その理由は、ぎんなんは食べ過ぎると“食中毒を起こすことがある”ためです。

ですが、 少量であれば妊娠中でも食べることができます◎  茶碗蒸しに入っている数粒くらいでは食中毒となることはないので安心しましょう。

ぎんなんの食べ過ぎは食中毒に注意

銀杏には「メトキシピリドキシン」という成分が含まれており、この成分を摂り過ぎることによって中毒症状を起こします。

メトキシピリドキシンとは?

ビタミンB6の働きを阻害し、中枢神経で悪さをして中毒症状を引き起こす原因となる

中毒成分の原因は長年不明とされており、特効薬もできないままの状態でした。ビタミンB6の分子構造に似ているために、本物のビタミンB6の働きを阻害してしまうようです。

食中毒症状は?

銀杏に含まれるメトキシピリドキシンを摂り過ぎると銀杏中毒になるわけですが、具体的にこのような症状を引き起こします。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 痙攣

ビタミンB6の働きが悪くなることで起こる症状の一つに下痢や嘔吐があります。ビタミンB6は神経の伝達にも関わる重要な栄養素なので、その働きが阻害されることでお腹にも影響を及ぼします。

そして、一番怖いのが痙攣です。下痢や嘔吐よりも頻度は稀ですが、人によっては痙攣を起こすまでに症状が悪化することがあるので食べ過ぎは禁物なのです!

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妊娠中に食中毒を起こす危険性

妊娠中に食中毒を起こし、下痢を繰り返しすと子宮収縮してしまう可能性があります。子宮収縮は赤ちゃんに酸素や栄養が届きにくくなったり、酷い場合は流産の原因となることもあります。妊娠中は免疫力が低下しているため、食中毒にはより一層注意が必要です。

1日の摂取目安量

妊娠中にぎんなんを食べる時は、1度に10粒以上食べないようにしましょう。

妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • 妊娠中ぎんなんは食べられるが、食べ過ぎには注意!
  • その理由は、食べ過ぎると食中毒になる可能性があるため
  • 食中毒により下痢を繰り返すと、子宮収縮を起こすことがある

ぎんなんは数粒であれば妊婦さんでも食べることができますが、食べ過ぎると食中毒を起こす危険性もあるので注意しましょう。

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