20世紀梨と21世紀梨の違いは?見分け方やそれぞれの特徴を解説

秋に旬を迎える果物の代表格『梨』。梨には国産の品種や西洋の品種などたくさんの種類があります。国産品種にもさまざまな梨がありますが、もっともポピュラーな青梨といえば『20世紀梨』ではないでしょうか。20世紀梨に改良を加えた21世紀梨も登場しています。そこで、今回は

  • 20世紀梨とは
  • 21世紀梨とは
  • 20世紀梨と21世紀梨の違い
についてご紹介いたします。

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20世紀梨とは

みずみずしくシャリシャリとした食感で、甘みと酸味のバランスが絶妙な20世紀梨。たくさんある梨の品種の中でも人気の高いものですが、その誕生には奇跡のような偶然がありました。

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起源は?

20世紀梨は鳥取県の特産品ですが、その起源は千葉県です。

1888年(明治21年)に、13才の松戸覚之助(まつどかくのすけ)という少年が、千葉県松戸市にある親戚の家のゴミ捨て場に生えていた小さな梨の木を偶然発見し、自宅に持ち帰って育てたことが始まりと言われています。

10年目に結実した実は美しい淡緑色をしていました。当時の梨は赤茶色っぽいものだったで、それだけでも驚かれたそうですが、その実は甘い果汁があふれるほど多かったのです。見た目の美しさとおいしさから各地の品評会で優秀賞を収め、急速に広まりました。

当時は『新太白』と呼ばれていましたが、1898年(明治31年)に「次の世紀を代表する果実になって欲しい」という願いを込められて『20世紀梨』と命名されました。

現在20世紀梨は鳥取県の特産品

20世紀梨の発祥の地の千葉県は現在でも梨の産地です。令和2年度の調査によると千葉県は梨の作付け面積1,290ha、出荷量20,200kgで全国1位なのです。でも、20世紀梨は千葉県よりも鳥取県のイメージがありませんか?

実は、千葉県は梨の作付け面積も収穫量も1位なのですが、主力として生産されているのは『幸水』で20世紀梨はあまり生産されていないようです。

現在20世紀梨が主に生産されているのは発祥の地の千葉県でなく鳥取県です

鳥取県は梨の作付け面積599ha、出荷量1,020kgと梨の出荷量では全国6位なのです。しかし、20世紀梨の生産量が多く、20世紀梨は約43%が鳥取県産です。

参考:農林水産省令和3年産日本なし、ぶどうの結果樹面積、収穫量及び出荷量

参考:令和元年産特産果樹生産動態等調査

特徴

  • 色:黄緑色の皮に黄色い模様が散在して見えるものが糖度が高くおいしいと言われている。若いものが黄緑色で、熟すと黄色が濃くなる。シャキシャキとした食感を楽しみたいなら黄緑色のものを。甘いほうが良いなら黄色いものを選ぶと良い。
  • 味:果汁が多く、甘みと酸味がある
  • 食感:水分が多くシャキシャキとしている。
  • 旬の時期:8月下旬〜9月
  • 大きさ:約300g

どんな味?

20世紀梨は果汁が多く、甘みだけでなく酸味があります。穏やかな酸味なので、梨の甘さを引き立ててさわやかさが感じられます。

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21世紀梨とは

20世紀梨をさらに改良されて作られた21世紀梨という品種があります。起源・特徴・味についてまとめました。

起源は?

21世紀梨は『瑞秋』という品種の梨です。鳥取大学で20世紀梨の枝変わりである「おさ20世紀」の自殖実生から作られ、2000年に品種登録されています。

21世紀梨という名称は、鳥取県米子市のこばやし農園の登録商標で、こちらの農園で栽培されたものは『21世紀梨』として販売されます。

特徴

21世紀梨は、20世紀梨の特徴である果汁の多さとさわやかさを感じさせる酸味を引き継ぎながら、香りや甘み、果肉の柔らかさがアップしています。

  • 色:若いものが黄緑色で、熟すと黄色が濃くなる。
  • 味:果汁が多く、20世紀梨よりも酸味は控え目で甘みが強い。
  • 食感:果肉が柔らかい。
  • 旬の時期:8月下旬〜9月
  • 大きさ:350〜400g

どんな味?

21世紀梨は20世紀梨の果汁の多さとさわやかな酸味は引き継ぎながら、香りが良く甘みが増して、果肉が柔らかいです。

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20世紀梨と21世紀梨の違いは?

見分け方

20世紀梨も21世紀梨も青梨で、21世紀梨は20世紀梨を改良した品種なので見た目がよく似ています。ただ、21世紀梨という名称で販売しているのは商標登録をしているこばやし農園だけです。この農園は家族経営でJAなどのグループに参加していないようなので、21世紀梨は店頭で見かけることはほとんどないでしょう。

購入するならこばやし農園のホームページから注文するのが確実です。

人気が高いようですが、生産量が少ないため早めの予約がおすすめです。

値段

20世紀梨は、5kgで4,000〜6,000円程度、10kgで7,000〜10,000円程度が相場のようです。

21世紀梨には、ブロンズ・シルバー・ゴールド・ダイヤモンドなどグレードがあります。大きさや見た目のきれいさで価格が大きく変わり、ブロンズやシルバークラスなら化粧箱入り5kgで6,000程度。ゴールドは13,000円程度。最上級クラスのダイヤモンドは3kgで10万円を超えるものもありました。

瑞秋は5kgで10,000円前後です。

まとめ

『20世紀梨と21世紀梨の違いや特徴』をまとめましたがいかがでしたでしょうか?

この記事をまとめると

  • 20世紀梨は果汁が多く酸味と甘みがあり、シャキシャキした食感が特徴
  • 21世紀梨は20世紀梨の果汁の多さや酸味を引き継ぎながら、甘みと香りが増し柔らかい

梨が市場に出始めると、暑い夏がやっと終わりを迎えるんだなぁという気持ちになります。

20世紀梨は甘いだけでなく、酸味があるのでさわやかで食べやすいですが、ほかの梨に比べると香りが少ないかなと感じていた人も多いと思います。そのような人はぜひ21世紀梨を食べてみてくださいね。

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