筆者は北海道出身北海道在住なのですが、ハヤトウリはあまり出回らず、なじみがない野菜です。今回はそんなハヤトウリについてお勉強も兼ねて調べていきたいと思います。
- ハヤトウリとは
- ハヤトウリは生食できる?
- ハヤトウリの美味しい食べ方・保存方法
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目次
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ハヤトウリとは
ハヤトウリとはどんな野菜なのでしょうか。
ハヤトウリとは?
ハヤトウリ(隼人瓜)は熱帯アメリカ原産のウリ科スミレ目ハヤトウリ属のつる性の植物で淡緑と白色の品種があります。ウリ科ですが表面はぼこぼこしていて、果実を食用とし、実を多数付けます。中央にアボカドのような大型の種子を1個有しています。
ハヤトウリは様々な呼び名があり日本では、「センナリウリ(千成瓜)」、「チャヨテ」、「チョチョ」、高知県では「チャーテ」と呼ばれています。海外ではアメリカは「チャヨテ」、フランスでは「クリストフィーネ」、台湾では「佛手瓜」などと呼ばれており世界的にポピュラーな野菜として定着しています。
ハヤトウリはもともとメキシコ南部から南米北部にかけての熱帯アメリカが原産とされ、18世紀から19世紀にかけて世界各地に広がりました。日本では1917年(大正6年)に鹿児島に渡って来たため、「隼人の瓜」ということで、ハヤトウリ(隼人瓜)という名前になりました。
主な生産地・旬の時期
日本での主な産地は鹿児島県や高知県、宮崎県など暖かい地域が多く、収穫期は晩夏から11月頃位までです。
カロリー・栄養素
ハヤトウリ 100g に含まれる主な栄養素は以下の通りです。
- エネルギー:20kcal
- 水分:94g
- タンパク質:0.6g
- 脂質:0.1g
- 食物繊維総量:1.2g
- 炭水化物:4.9g
- ナトリウム:Tr
- カリウム:170 mg
- カルシウム:12 mg
- マグネシウム:10 mg
- リン:21 mg
- 鉄:0.3 mg
- 亜鉛:0.1 mg
- 銅:0.03 mg
- マンガン:0.15 mg
- ビタミンB1:0.02mg
- ビタミンB2:0.03mg
- ビタミンB6:0.04mg
- 葉酸:44μg
- ビタミンC:11mg
- 食塩相当量:0g
引用:八訂日本食品標準成分表
ハヤトウリには取り立ててたくさん含まれている栄養素はありませんが、少しずつビタミン類やミネラルを含んでいます。ハヤトウリ100gに対し水分94gなのでとても水分含有量が多く、カロリーも少ないので沢山食べてもローカロリーでお腹が満たされます。
ハヤトウリの種類
ハヤトウリには上記でも述べた通り、白色種と緑色種がありますが、含まれている栄養素を見てみるとわずかに緑色種にはカロテンが含まれているくらいで、それ以外はほとんど変わりがないようです。
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ハヤトウリは生食できる?
ハヤトウリは生で食べるものなのでしょうか?
味の特徴
ハヤトウリはウリ科の野菜ですので、キュウリ・スイカ・カボチャ・ズッキーニなどと同じ科の野菜になります。ウリ科の野菜にはアクが出るものがあり、生で食べると少し苦く感じるのはアクのせいです。塩でもむなどすればなくなります。
また加熱調理したものはクセがほとんどなく、ハヤトウリ自体の味は無味に近いので料理自体の味と食感だけとなります。ウリ科の野菜ですので、細切りにすればシャキシャキとした食感になり、厚みを持たせればコリコリした食感が味わえます。
生でも食べられる?
ハヤトウリには味がほとんどないため、基本的には味付けをして食べることが多いと思いますが、生食でも火を通しても食べられます。生食で食べるならサラダなどが一般的です。
火を通さない且つ味付けして食べる生食ならハヤトウリは漬物が有名ですし、何より美味しいです!
食中毒のリスク
生産流通しているウリ科の野菜の危険性はかなり低いですが、ウリ科の野菜により、嘔吐や下痢などの中毒症状を起こす危険性は無きにしも非ずです。
食中毒の原因物質はステロイドの一種である「ククルビタシン」という苦味成分がウリ科の植物には含まれており、この「ククルビタシン」によって中毒症状が引き起こされ、これまでもウリ科の植物を食べたことによる食中毒の事例は案外多いのです。
食べ過ぎはNG!
上記でも述べた通り「ククルビタシン」を含むウリ科であるハヤトウリも例外ではなく、アク抜きをせず生食で大量に食べることはあまりおすすめできません。
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ハヤトウリの美味しい食べ方・保存方法
では、どのような工夫をすると安全に食べられるのでしょうか?
ハヤトウリの選び方
①表皮の色が綺麗で傷や変色がないものを選びます。シミやシワがあるものは鮮度が落ちていると考えられますので選ぶのはやめましょう。
②手に持った時に実が詰まった感じで、触った時に硬く、ずっしりと重みを感じるものを選びます。ぶよっと表面に弾力を感じるようなものや、中身が軽いものは中で傷んでいたり乾燥している場合があります。
③ハヤトウリは白色種と緑色種のものがありますが、緑色のものはやや青臭みがあり、白色種にはそれがあまりなく食べやすいので、両方売られている場合は白いほうを選ぶとクセなく食べられます。
触ると手荒れする?
ハヤトウリを調理していると「手のひらの皮膚が引きつる・つっぱる感じがする」「手のひらにペタペタとまとわりつく様なものが触れた」「洗ってもぬるぬるする」「ハヤトウリの液に触れたところが赤く痛痒くなってしまい、手の皮が剝けてしまった」など様々な症状の話を耳にします。
これらはハヤトウリのアクにプロテアーゼ分解活性酵素が含まれているためです。人間の皮膚はタンパク質でできており、プロテアーゼ分解酵素を含むハヤテウリのアクが手の皮膚を溶かしてしまうため手荒れの原因になってしまうわけです。
下処理・アク抜きの方法
①手が荒れるのを防ぐためゴム手袋等で手を保護してから茎が付いていた側を1~2センチほどを切ります。
②切った断面同士をくるくると回すようにこすり合わせると、徐々に白い泡みたいなものが出てきます。それがアクです!泡が出てこなくなるまで くるくるします。
③出たアクを水で洗い流して、ハヤトウリの皮をピーラーで剥き、水洗いします。
④縦に、十文字に切って中のタネも包丁で取り除き水洗いして下処理、アク抜きは完了です。あとは料理にあわせて下ゆでや 湯通しなど調理して下さい。
おすすめの食べ方
おすすめの食べ方は煮物や漬物です。ハヤテウリは煮物にすると苦みも抜け、食感はとろとろになりとても食べやすくなります。浅漬けや味噌漬けなどの漬物はハヤトウリの定番の食べ方です。是非お試し下さい。
保存方法・保存期間
ハヤトウリの最適な保存温度は10~15度前後です。暑いところで栽培される野菜ですので保存温度が低すぎると、低温障害を起こすので味が落ちます。
また貯蔵性が非常に高く、収穫後新聞紙などに包み、常温暗所で保存しますと翌春まで保存することが出来るので長期に渡って食べることが出来ます。逆に冷蔵庫や冷凍庫で冷凍保存すると長持ちしません。
・常温:収穫後新聞紙に包み、常温暗所保存で年明けから翌春位まで
・冷蔵:2~3週間
・冷凍:1カ月
・乾燥状態:冷蔵で2週間、冷凍で1か月
まとめ
この記事をまとめると
- ハヤトウリ(隼人瓜)は熱帯アメリカ原産のウリ科スミレ目ハヤトウリ属のつる性の植物で淡緑と白色の品種があります
- 日本での主な産地は鹿児島県や高知県、宮崎県など暖かい地域が多く、収穫期は晩夏から11月頃位までです
- ハヤトウリには取り立ててたくさん含まれている栄養素はありませんが、少しずつビタミン類やミネラルを含んでいます
- ウリ科の野菜にはアクが出るものがあり、生で食べると少し苦く感じるのはアクのせいですが塩でもむなどすればなくなります
- 食中毒の原因物質はステロイドの一種である「ククルビタシン」という苦味成分がウリ科の植物には含まれており、このククルビタシンによって中毒症状が引き起こされます
- ハヤトウリにはククルビタシンが含まれているため、アク抜きをせず生食で大量に食べることはあまりおすすめできません
- ハヤトウリの調理の際、手が荒れる原因はハヤトウリのアクにプロテアーゼ分解活性酵素が含まれているためです
- ハヤトウリのおすすめの食べ方は煮物や漬物です
- ハヤトウリの最適な保存温度は10~15度前後なので、保存温度が低すぎると低温障害を起こします
- 常温暗所で保存しますと翌春まで保存することが出来るのですが、逆に冷蔵庫や冷凍庫で冷凍保存すると長持ちしません
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