【皇室の家紋】天皇が使った3つの家紋(裏紋)と宮家の家紋まとめ

「家紋」はかつての日本の文化のイメージがあるかと思いますが、皇室では現在でも家紋が用いられています。

家紋は家の印象を決める顔のようなものですが、現代の皇室には1人1つ「お印」という紋章を持っています。家紋とはどのような違いがあるのでしょうか?

今回は、皇室が使用した3つも家紋と宮家の家紋に・お印ついて詳しくご紹介したいと思います。

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皇室とは?

皇室とは、近代以降では天皇および内廷皇族や内廷外皇族など一族の総称を指します。

狭義には天皇と内廷皇族のみを、広義には天皇とその近親である皇族を指しましたが、皇室の範囲は時期によって異なってました。

天皇家が使った3つの家紋

天皇家は3つの家紋を使用していました。「日月紋」「菊紋」「桐紋」がそれぞれどのような紋であったのか見てみましょう。

日月紋

1つめは「日月(じつげつ)紋」です。「日」は天照大神、「月」は月読尊を表現しているとも言われています。

日月紋は現在でも使用されているもので、古くから即位の大典などで使用されていました。この日月紋の後に、次に紹介する菊紋がより天皇の紋として印象深いものになります。

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菊紋(十六葉菊)

菊花紋章

2つめは「菊紋」です。皇室を表す代表的な家紋でもありますが、日月紋よりも後に登場したのが菊紋です。

菊紋の起源は、鎌倉時代初期に後鳥羽上皇が好んで使用していたことです。菊は延命長寿の効果があるとして、薬に用いられていたこともありました。

後鳥羽上皇は衣服や調度品などに文様として菊を刻み、自作の刀に菊の銘を付けて武士たちに贈ったこともわかっています。

上記の「十六葉菊」が皇室の紋として認知されるようになったのは1869年です。太政官布告によって明治時代に天皇の紋章として定められ、その他の者の使用が禁じられました。

桐紋

家紋

3つめは「桐紋」です。桐紋の歴史は古く、天皇が身につけるようになったのは平安時代の初期と言われています。

嵯峨天皇の時代で、儀式に用いる衣服に桐の文様を入れたことが始まりです。

天皇家の紋であった桐紋は、権力者にも下賜されていました。有名な人物では豊臣秀吉や足利将軍がその例で、賜った桐紋を一族や家臣にも与えたことで桐紋が広まっていきました。

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親王などの皇族には「十四葉一重裏菊」が使われた

先ほどご紹介した「十六葉菊」は皇室の紋章ですが、その中でも親王の後続には「十四葉一重裏菊」が使用されていました。

親王とは、嫡出の皇子や最高位の皇族男子に与えられる称号です。従来の「十六葉菊」の使用は1869年の太政官布告を持って使用制限がかかり、「十四葉一重裏菊」が紋章となったのです。

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宮家の家紋

では、宮家の家紋にはどのようなものがあるのか見てみましょう。かつてから現在までの長い間使用されている家紋もあります。

現在存続しているの4つの宮家の家紋

三笠宮家

秋篠宮家

常陸宮家

高円宮家

どれも円形で華やかさ、そして繊細さも兼ね備えるデザインとなっています。中心には天皇家のシンボル的な紋章でもある菊の花が描かれ、その周りに細かく絵が施されていますね。

直近で廃絶した宮家

また、直近で廃絶した宮家にはこのようなものがあります。秩父宮家・伏見宮家、どちらも菊が使用されていました。

秩父宮家 伏見宮家

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皇室には個人が用いる「お印」が存在する

皇室には、個人それぞれが用いる「お印」というものが存在します。身の周りの品などに用いる紋章で、個人を表すシンボルのようなものです。

植物を用いている方が多い中、上皇は漢字を使用しています。それぞれのお印を見てみましょう。

上皇「榮」 上皇后美智子「白樺」 今上天皇「梓」
皇后雅子「ハマナス」 皇嗣秋篠宮「栂」

皇嗣妃紀子(檜扇菖蒲)

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天皇に苗字が無い理由って何?

現代では必ず「苗字」を持っているのが当たり前ですが、天皇には苗字がありません

雅子様は元々皇室の方ではありませんので苗字を持っていたわけですが、ご結婚されて皇室に入ってからは苗字を持っていないのです。

その理由として「唯一無二の存在である」ことが関係しています。天皇は古くから代々受け継がれてきたので、区別する必要がないからという考え方です。

また、「苗字を授ける側である」ことも関係していると言われています。私たちによって苗字はごく普通のものですが、天皇によって授けられているという考え方もあるのです。

かつては天皇から苗字を授かることがあったそうなので、その考えが現在まで続いてきたのです。

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まとめ

天皇が使用している3つの家紋と宮家についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

3つの紋は鎌倉時代頃にまで遡り、それぞれにストーリーがありました。

近代の生活は昔に比べ、天皇について詳しく知る機会はあまりありませんが、これをきっかけにお印や紋などについて興味を持っていただけたら幸いです。

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