お魚は、たんぱく質や脳の発育に良いとされるDHA・EPAが多く含まれているので、健康のために積極的に食べている方も多いかと思います。しかし、お魚で注意しておきたいのは水銀です。
なんとなく聞いたことはあっても、どのくらい食べてはいけないのか考えたことはありますか。また、マグロは水銀が多いと聞くけど、キハダマグロも同じでしょうか。
そこで今回は、
- キハダマグロの水銀量は?
- 水銀量の少ないお魚
- 魚の水銀ランキング
- 水銀の胎児への影響
- 水銀を加熱すると?
について、ご説明いたします。
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目次
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キハダマグロの水銀の含有量は?
一般的なマグロと違い、薄ピンクであっさりとた味が特徴のキハダマグロ。キハダマグロといえば、マグロの中でも最も捕獲されているお魚です。ツナ缶の材料としても良く利用されています。
「マグロは水銀が多く含まれている」と耳にしますが、キハダマグロはどうなのでしょうか。まずは、キハダマグロの水銀量を確認いたします。
キハダマグロは水銀の含有量が低い
マグロは水銀量が多いとされているので、キハダマグロの水銀も気になるところです。しかし、キハダマグロは意外にも水銀量は多くありません。
特に水銀量が多いとされる魚の平均総水銀量を比べてみると、
キダイ | マカジキ | ミナミマグロ | キハダマグロ |
0.329μg/g | 0.460μg/g | 0.498μg/g | 0.179μg/g |
キハダマグロは、水銀量が少ないことがわかります。実際に、厚生労働省のHPにもこのように記載されています。
水銀の含有量が低い魚介類は?
他にも、水銀含有量が低いお魚があります。表にまとめてみました。
シラウオ | 0.006 |
サワラ | 0.013 |
クジメ | 0.02 |
ハギ | 0.022 |
ニジマス(サケ) | 0.02 |
サッパ | 0.03 |
シシャモ | 0.022 |
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魚の水銀ランキング
反対に、注意が必要なお魚があります。特に胎児への影響が懸念される妊婦さん用に、厚生労働省が発表している摂取頻度の目安を見て確認しておきましょう。(1回を約80gとしての目安)
週に2回まで食べてもい魚介類
キダイ・マカジキ・ユメカサゴ・ミナミマグロ(1週間あたり160g程度)
週に1回まで食べてもいい魚介類
キンメダイ・メカジキ・クロマグロ・メバチマグロ・エッチュウバイガイ(1週間あたり80g程度)
2週間に1回まで食べてもいい魚介類
コビレゴンドウ(クジラ)(1週間あたり40g程度)
2か月に1回まで食べてもいい魚介類
バンドウイルカ(1週間あたり10g程度)
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水銀の胎児への影響は?
水銀の摂取基準が定められたのは、2003年。意外にも知らない人も多いのが現実です。では、水銀を含むお魚を食べた場合、胎児にはどのような影響があるのでしょうか。水銀の問題点と、具体的な影響についてまとめました。
メチル水銀に注意
水銀には、金属水銀・無機質水銀化合物・有機質水銀化合物と3種類あります。この中で、有機質水銀化合物がメチル水銀と呼ばれる毒性の強い水銀です。これは海中の水銀を微生物が食べ、メチル化し、その後の食物連鎖でさらにメチル水銀は増えていくので、大きな魚ほど含有量が高くなります。
水俣病という代表的な公害病を発生させたメチル水銀は、誰もが注意するべきですが、平均的な摂取であれば汗や尿で排毒されます。しかし、胎児はお腹の中で排毒ができないため、妊婦の方は注意をしなければなりません。
中枢神経系の発達に影響
メチル水銀の過剰摂取で起きる影響の中に、ハンター・ラッセル症候群という中枢神経症状があります。これは、水俣病で典型的にみられる症状で、感覚や運動失調、聴力や視野などの障害が代表的です。
また、胎児の脳がちょうど発達している時期が、メチル水銀の感受性が高くなることがわかっています。
水銀は加熱するとどうなる?
生のお魚ではなく、加熱すればメチル水銀の摂取は防げられるのでしょうか。答えは、ノーです。メチル水銀は、そのタンパク質にしっかり結合していて調理中の加熱などではなくなることはありません。また、調理中の油や煮汁などに溶け出すということもありません。
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まとめ
今回の内容をまとめると…
この記事をまとめると
- キハダマグロの水銀含有量は少ない
- キダイ、マカジキ、ミナミマグロなども水銀含有量が少ない
- イルカやクジラなど大きな魚ほど水銀含有量が多い
- メチル水銀は水俣病を引き起こした原因
- 胎児は排毒ができないためそのまま蓄積される
- 胎児の脳がはったるしている時期は要注意
- 過剰摂取は中枢神経に影響がある
- 加熱しても、なくなることはない
お魚は、水銀の他にもマイクロプラスチックを餌と一緒に食べている現状があります。海が綺麗にならないと、安心安全な栄養を摂ることができないということも考えていかなければなりません。
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