イワナの卵は寄生虫が危険?食中毒症状・対処法|食べ方は?

渓流魚の味覚であるイワナは、塩焼きで食べるのが1番です。そんなイワナのふっくらとした身を食べたいけど、生臭さや寄生虫、食中毒の症状が気になって困っていませんか?しっかりと下処理をおこない、美味しいイワナを食すためにも、今回は

  • イワナの美味しい時期
  • イワナを食べるときに注意すべき寄生虫
  • 食中毒によって発症する症状イワナの美味しい食べ方

上記の内容について紹介いたします。

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イワナの生態と寄生虫の対処法を意識した食べ方

イワナを食べる際の注意点を抑えるためには、まずはイワナがどのようなエサを食べているのかということなどについて把握しましょう。

イワナとは

イワナは、漢字で表記すると「岩魚」と書きます。

一般的なイワナは河川残留型の淡水魚とされており、その一生を生まれ育った渓流エリアで過ごすことが大半です。しかし、なかにはイワナ亜種に区分けされるような「海まで旅して遡上する」タイプもいます。

体の模様も特徴的で、一般的な種類は脇腹部分が明るい灰色に変色しており、白い斑点が全体に広がっている外観です。

冷水を好むため、避暑地渓流の上流部や源流エリアに生息しており、極めて臆病な性格をしているため、岩影などに隠れる特性があります。主食のエサはコオロギやミミズ、川虫などです。

イワナの食べ方と寄生虫の対処法

イワナは、内臓などを取り除く下処理を済ませてから、塩焼きや味噌焼き、天ぷら、から揚げなどの調理方法で味わうのがおすすめです。

なお、渓流で釣ったイワナをはじめとした渓流魚の場合、水質管理がおこなわれていないため、刺身などの生食は避けるようにしましょう。養殖されたイワナでも、100%安全だとは言い切ることができません。寄生虫や川魚などの生態に精通していても、肉眼で確認できないような寄生虫を一緒に食べてしまう危険性があるのです。

専門家のような知識があれば、イワナの卵などの生食も楽しめますが、基本的にはしっかりと火を通してから食べるようにしてください。

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イワナの卵に棲みつく寄生虫や食中毒の症状

イワナは、前述のように川虫や地上に生息するさまざまな種類の虫を捕食しています。場合によっては、小さなトカゲやヘビを食べたという報告もされているくらい、多様な種類の生き物を体内に取り入れているということです。

以下では、イワナの体内に棲みついている具体的な寄生虫について解説します。

肝吸虫(かんきゅうちゅう)

肝吸虫は、イワナ以外の多くの淡水魚の体内から発見される寄生虫です。寄生経路としては、「虫→渓流魚→雑食・肉食哺乳類」の順番で宿主を変えていく特性があります。

人に寄生すると肝臓内部に棲みつき、発熱のほかに、肝臓が異常に肥大化する肝腫大(かんしゅだい)という食中毒のような症状を発症します。

サルミンコーラ

サルミンコーラは、イワナやヤマメニジマスなどの、渓流魚を宿主とする寄生虫です。

主にイワナの口腔内に寄生している姿などが発見されているほか、エラ蓋内部に付着してるという報告も出ています。人が食べても大きな影響はないとされているため、食中毒などのような症状も心配ないといえるでしょう。

しかし大きな症状は出ないものの、やはり生食で食べないように注意してください。

横川吸虫(よこがわきゅうちゅう)

横川吸虫は、アユやイワナなどにメタセルカリアと呼ばれる被嚢幼虫(ひのうようちゅう)の姿で寄生します。

主に小腸に寄生する虫であり、横川吸虫に寄生されると、腹痛や下痢、慢性腸炎などのお腹周りを中心とした食中毒のような症状が起きる可能性が高いです。

卵に寄生している虫

イワナやアユなどの渓流魚に寄生する虫は、主に肝臓や腸、口腔内などの部位に集中するため、卵には棲みつかないとされています。しかし、場合によっては、下処理の際に消化器官などの内臓部分から、卵に付着してしまうことも考えられるでしょう。

万が一イワナの卵を食べる場合は、卵を覆っている膜や血液などの汚れをきれいに落とす下処理をおこなってから食べるようにしてください。

また、どんなに丁寧に下処理しても、100%寄生虫を避けることはできません。やはり、安全に美味しく食べたい場合は、加熱処理してから食べることをおすすめします。

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イワナを食べるのにおすすめの時期は?

イワナをもっとも美味しく食べられる時期は、3月〜10月の脂が乗り切った時期です。秋口の10月ごろになるとイワナは産卵期を迎えるため、自身の体よりも卵に栄養素が届くように体質を変化させます。

そのため、イワナ本来の淡白でふっくらした味わいを楽しみたい場合は、春から夏にかけて取れたイワナがおすすめです。なお、渓流釣りが解禁されるのは、3月上旬〜9月末日であり、禁漁期間とされているのが10月上旬〜2月下旬の間となっています。

イワナの味

イワナは白身魚であり、下処理をしっかりとおこなって調理することで、臭みを気にすることなく美味しく味わうことができます。また、ニジマスやヤマメなどのほかの川魚よりも身がふっくらしていたり、焼いても身と皮の香ばしい香りが楽しめたりする、美味しい魚です。

釣りたてのイワナは新鮮そのものなので、ぜひクセのない淡白で上品な味わいを楽しんでください。

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まとめ

イワナをはじめとした渓流魚からは、肝臓や胃腸などの消化器官で寄生虫が発見されることがあります。イワナの卵には寄生虫はいないとされていますが、100%ではありません。安全な寄生虫対策としては、加熱処理を意識してください。

この記事をまとめると

  • イワナの体内には複数種類の寄生虫が存在し、害を与える虫や無害の虫がいる
  • 水質管理がおこなわれていない自然のイワナは、生食で食べない方がいい
  • 安全にイワナを食べたい場合は、加熱処理してから食べる
  • 生食で食べる際は、下処理を十分におこなったうえで、自己責任で食べる

塩焼きなどで食べる分には、淡白でクセがないため上品な味わいを楽しむことができます。イワナの卵などを味わう生食は、一般的にはあまりおすすめはできません。

どうしても、釣りたての新鮮な卵を食べたい場合は、十分に下処理をおこなったうえで、自己責任で食べるようにしましょう。

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