大きな豆と食べ応えのある食感が病みつきになるインゲン豆は、老若男女問わず人気の食材です。煮物にしたり炒めものにして食べたり、さまざまな食べ方のできるインゲン豆ですが、調理方法に注意しないと食中毒になってしまうことをご存知でしょうか?
赤飯やぜんざいなど、さまざまな料理に使えるインゲン豆を、安全に調理する方法が気になりますよね。今回は、
- インゲン豆を食べる際に注意すべき調理方法
- インゲン豆が原因の食中毒の症状
- インゲン豆が腐った状態
- インゲンを食べて食中毒にならないための予防法
上記の内容について紹介いたします。
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目次
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インゲン豆によって引き起こされる食中毒
インゲン豆を食べる際に、生に近い状態で5粒ほど食べると、高い確率で吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの食中毒の症状を引き起こすとされています。
インゲン豆の一種であるスナップエンドウは4月〜5月ごろに旬を迎え、サヤインゲンは6月〜9月が食べ頃の季節です。旬を迎えたインゲン豆は、水分を多く含んでいるため、みずみずしくしっかりとした歯応えで多くの人気を集めています。
しかし、完熟したインゲン豆や乾燥豆を食べる際に加熱処理をおこなわずにそのまま食べると、消化不良を起こすとされてきました。これは、インゲン豆に含まれる「レクチン」という糖結合性タンパク質が原因です。
このレクチンを摂取してしまうと、1時間〜3時間以内に吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を発症したという報告が確認されています。その後は、重篤化することもなく、発症から数時間後に症状が回復しているケースがほとんどだそうです。
また、年齢や性別、健康状態に関係なく、レクチンを摂取した多くの人が等しく中毒症状を引き起こしています。
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インゲン豆に含まれるレクチン
インゲン豆には、フィトヘマグルチニンと呼ばれるレクチンの一種が含まれています。糖結合性タンパク質であるレクチンは、インゲン豆が完熟されるにつれて含有量が増加するのが特徴的です。
インゲン豆や黒インゲン、白インゲンなどの特定の豆植物がレクチンを含んでおり、赤血球や白血球を凝集させる働きが報告されています。
レクチンを含むインゲン豆は、生の状態に近いほど食中毒を引き起こしやすい特性があり、軽く煮詰めたり水に浸して柔らかくしたりする程度では効果がありません。
インゲン豆の腐った状態と注意すべき食中毒
インゲン豆が腐ると、白いワタのようなカビが生えたり、変色してふやけたりした状態になります。そのほか、カピカピに乾燥して食べられない状態や、表面のハリが欠如してインゲン同士で糸を引くような状態になってしまいます。
本来、新鮮なインゲン豆は、全体的に明るい緑をしており、表面がやや硬く、ハリのある状態が特徴的です。インゲンが腐らないようにする方法としては、以下を参考にしてください。
- 暖かな場所で1週間以上保存しない
- 水気のある状態での包装しない
- 長期間にわたり冷蔵庫内で保存しない
インゲン豆は、ほかの豆類と比較して乾燥に弱い種類のが特徴です。特にインゲン豆科に分類されるサヤインゲンは、乾燥に弱いため袋に入れて保存してあげるように注意しましょう。
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インゲン豆による食中毒を予防する方法
インゲン豆による食中毒は、多くの場合「加熱処理不足」という原因が確認されています。前述したとおり、インゲン豆科に分類されるインゲン豆、赤インゲン豆、白インゲン豆を食べる際は、レクチンに注意しなければいけません。
FDA(米国食品医薬品局)の報告では、「80℃ほどの熱でしか加熱処理しなかった場合、毒素が生豆に比べて5倍上昇した」という報告も上がっています。
100℃の沸騰した熱湯で、インゲン豆が十分に柔らかくなるまで加熱処理されると、レクチンは活性力を失うため、しっかりと煮詰めましょう。加熱処理や生食のままでは、嘔吐、下痢、吐き気、腹痛などの食中毒を引き起こしてしまいます。
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インゲン豆の栄養素
インゲン豆からは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB郡、カロテン、カリウム、食物繊維などの豊富な栄養素を摂取できます。
インゲン豆は、赤飯や饅頭のあんこ、ぜんざい、水羊羹など、古くから日本人に親しみのある食材として楽しまれてきました。ほかにも、煮込み料理やサラダ料理として世界中の人々に食べられています。
品種によっては4月〜9月まで、幅広い期間にわたって収穫できる野菜であり、「加熱処理」を意識することで安心して食べられる食材です。
インゲン豆による食中毒の報告としては、「水に親して柔らかくしただけ」、「フライパンなどによる簡単な加熱処理で軽く炒めただけ」などのケースが確認されています。
インゲン豆が柔らかくなるまで、高温でしっかりと煮込むことで安全に食べられるため、調理する際はぜひ加熱処理を意識してください。
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まとめ
インゲン豆を食べる際は、加熱処理をしっかりとおこない、レクチンの一種である「フェトヘマグルチニン」という毒素成分を減少させてから食べましょう。
この記事をまとめると
- インゲン豆は、加熱処理不足や生食だとレクチンという毒素で食中毒になる
- 食中毒になると、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が発生する
- インゲン豆は、変色したりふやけたり糸を引くと、腐ったサイン
- インゲン豆を食べる際は、熱湯でしっかりと加熱処理をおこなう必要がある
加熱処理をしっかりとおこなうことで、食物繊維やカロテン、ビタミンCなどの豊富な栄養素を安心した状態で摂取できます。100℃未満での加熱処理不足に注意しながら、美味しく安全にインゲン豆を楽しみましょう。
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