透き通ったルビーのような見た目と他には無いプチプチ感、お寿司の折詰に入っていたりすると、ついつい最後まで残しておく、いくら。あ、ちなみに筆者は好きなものは最後派です。…聞いてないですね、失礼しました。いくらのお話です。そういえば、お寿司のいくらって生に見えるけれど、どうなのでしょうか。スーパーで売られているものも、刺身よりは長持ちするような印象ですが…。そこで今回は、
- 生のいくらは食べられる?
- いくらを安全に食べるには
- 挑戦!いくらの下処理
- 食べ過ぎると健康に悪い?
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目次
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生のいくらは食べられる?
私たちが普段口にしているいくらってどんなものなのでしょうか。生でも食べられるのか、詳しくみていきましょう。
お湯でよく洗わないと危険!
結論から言うと、生のいくらにはアニサキスという寄生虫がついている可能性がありますので、70℃以上のお湯でよく洗ってから食べることをおすすめします。
そのまま食べられたら楽なのですが、残念…。とはいえ、お湯で洗うことで安全に、薄い膜や親鮭の血管なども除くことができ、さらにほぐしやすくなるので、しっかり洗ってから食べるようにしましょう。
生のいくらは味がしない!?
ネットを見ると、スーパーで買った生のいくらを食べても味がしなかった、という声がたまに聞かれます。それもそのはず、私たちが普段食べているいくらは、基本的に下処理をした後、調味液に漬け込んで味付けされたもの。生のいくらを洗っただけで食べても、魚卵の風味がするだけで、あまりおいしくいただくことができません。
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いくらを安全に食べるには
そのまま食べると寄生虫がついている可能性もある生のいくら、どうすれば安全に食べることができるのでしょうか。
下処理は丁寧に!
生のいくらを安全に食べるために、最も大切なのが丁寧な下処理です。先ほどもご紹介しましたが、いくらに付着する可能性があるのは「アニサキス」という寄生虫。親である鮭に寄生することで、ご存知の方も多いかもしれませんね。
寄生されると激しい腹痛を起こすアニサキスですが、-20℃以下で24時間以上の冷凍や中心温度60℃以上1分の加熱処理で死滅します。
アニサキスの死滅条件
- 冷凍の場合・・・・-20℃以下で24時間以上
- 加熱する場合・・・中心温度60℃に達してから1分以上
家庭用の冷凍庫で-20℃に達するには時間と温度設定が大切です。まずはおうちの冷凍庫が-20℃以下の設定であること、凍るまでの時間を加味して、少なくとも48時間以上は冷凍しておきましょう。
ここで注意したいのが、味付け前の生のいくらを冷凍すると、解凍したときに潰れてしまう場合があること。それにせっかく買ってきた生のいくら、丸2日も冷凍してしまうなんて、もったいないですよね。また、家庭用の冷凍庫ですから、しっかりと死滅条件に達してくれるかもわかりません。
おすすめなのは70℃以上のお湯で何度か洗うこと。40℃くらいのお湯で洗うことを勧めているレシピもありますが、アニサキスの危険性を少しでも減らすという観点からいけば、もうちょっと高めの温度で洗った方が安心です。
妊娠中はなるべく避けて
お湯で洗うとはいえ、生ものであるいくらは妊娠中には避けたい食材のひとつ。生で食べる魚介類には、アニサキスだけでなく、塩分耐性のある腸炎ビブリオなどの食中毒菌が付着している場合があります。妊娠中は免疫力も落ちていますし、母体を通して胎児に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。赤ちゃんのためにも、妊娠中の生食はできるだけやめておきましょう。
リステリア菌は、感染すると発熱、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす食中毒菌です。健康な人であればそれほど重症化することはありません。ですが抵抗力の落ちている方が感染し、もし重症化すると、最悪死に至るケースもあります。
妊娠中はこのリステリア菌に感染するリスクが約20倍も高くなります。また、母体を通して胎児がリステリア菌に感染し、深刻な影響を与えることもあるので注意が必要です。
生のいくらには、このリステリア菌が付着している可能性があります。下処理がしっかりとされたものでも、なるべくなら避けた方がいいでしょう。
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挑戦!いくらの下処理
それではここから、実際の下処理の手順をご紹介します。
まずは筋子からいくらへ
筋子といくらの違いは、大まかに言うとひとかたまりの状態か、一粒一粒バラバラになっている状態か。お店で売られているときには、筋子の状態が多い生のいくら、まずはバラバラにほぐしていきましょう。
- 大きめのボウルに70℃のお湯と塩を入れ、海水程度のしょっぱさにする。
(*お湯1リットルに対して塩が大さじ2程度。厳密でなくても良いですが、皮が硬くなってしまうので、塩は必ず入れてください。) - 筋子をボウルに入れ、菜箸でぐるぐる大きくかき混ぜる。
(*このとき、いくらが白っぽくなりますが、後で戻るので安心してください!) - かき混ぜていると、覆っている薄い膜がはがれてくるので、箸で取り除く。
- 3に少し水を入れて、手を入れられるくらいの温度に調整し、手で残りの薄皮や汚れを掃除する。
- 4をざるにあけ、再度ボウルに70℃のお湯と塩を入れ、菜箸でくるくるかき混ぜる。
- 3~5をキレイになるまで繰り返す。
- キレイになったらざるにあげて水気をしっかり切っておく。
この方法であれば、下処理とアニサキス対策が同時にできるので便利です。お湯の温度が高いので、火傷にはくれぐれもご注意くださいね。
いくらの味付けをしよう
自分で作るいくらは味付けも自由にできるのがメリット!市販のいくらはちょっと塩辛くて苦手、なんて方は薄味にもできちゃいます。ここでは定番の醤油味をご紹介します。
- 醤油:みりん:酒=1:1:1の割合で混ぜたものを鍋に入れ、火にかけてアルコールを飛ばす。
- 水気を切ったいくらに、冷ました1を加えて味をなじませる。大体いくらの1~2割程度を目安に。
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食べ過ぎると健康に悪い?
自分で作ったらお手頃価格でたっぷりできるのがうれしい、いくら漬け。熱々のごはんにたっぷり乗っけて、なんて考えただけで幸せですよね。ただ、そうなってくると気になるのが食べ過ぎちゃう危険性。次はいくらの食べ過ぎによる健康への影響についてみていきましょう。
塩分の摂り過ぎになってしまう
塩分の摂り過ぎが高血圧の原因になることはご存知の通り。高血圧は血管や心臓に負担をかけるだけでなく、心疾患や脳卒中などの重大な病気を引き起こすことも。また、そこまでの重篤な症状とならなくても、摂り過ぎた塩分のせいで翌日体がむくんでしまう、なんてことも気になりますよね。
特に市販のいくらは、日持ちや安全性のために塩分濃度が高くなっていることも多いので、注意しましょう。
コレステロールの摂りすぎにも注意!
いくらに含まれるコレステロールは100gあたり480mg、同じ重さの卵で370mgですので、かなり高いと言わざるを得ません。
コレステロール値が高くなると、動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞の原因になるので注意が必要です。ですがコレステロールは同時に、肌や髪をキレイに保ってくれたり、ホルモンの材料にもなってくれる、体に必要不可欠な成分。
毎日いくらを山盛りに食べる、既に高コレステロールを指摘されている、などといったことが無ければ、たまにいくら丼を食べるくらいで神経質になる必要はないでしょう。
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まとめ
いかがでしたか?
この記事をまとめると
- 生のいくらにはアニサキスの危険性が!お湯でしっかり洗って安全な状態で調理しよう
- 妊娠中はアニサキスだけでなく、リステリア菌などの食中毒菌に注意!できるだけ生のいくらを食べることは避けて
- しっかり洗うこと以外は意外と簡単!自家製いくらの醤油漬けに挑戦してみよう
- 塩分やコレステロールの過剰摂取には注意!たまの贅沢ごはんとして楽しもう!
つやつやのいくらを、お財布を気にせずに山盛りにして食べられるのは自家製ならではの贅沢ですよね!ごはんに、パスタに、あ!意外かもしれませんが、納豆にあわせてもおいしいんですよ!卵には無い濃厚さで、お酒のアテにもぴったりです。皆様も新しい、いくらの楽しみ方、探してみませんか?
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