干し椎茸をそのまま食べるのは危険?食中毒や皮膚炎、腸閉塞の原因に?

出汁やスープを取るために使用されることの多い干し椎茸は、豊富な風味と豊かな香りで食卓を彩ってくれる食材の一つです。

この干し椎茸ですが、実は生のしいたけと違ってそのまま食べると体に悪影響を及ぼす可能性があることをご存じでしょうか?

  • 干し椎茸の特徴とは
  • 干し椎茸をそのまま食べると危険?
  • 正しい使い方を解説

今回は、こちらについて詳しく解説していきます。

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干し椎茸の特徴

まずは干し椎茸の特徴について解説していきましょう。

生しいたけとの違い

干し椎茸と生しいたけで最も異なるのは、やはり含まれる「うま味」です。食品には、3大うま味成分と呼ばれているものがあります。

うま味成分 含まれる食材
グルタミン酸 昆布
イノシン酸 鰹節
グアニル酸 椎茸

上記のように、それぞれの食材に含まれるうま味成分は異なります。ここでは椎茸に含まれるグアニル酸について解説します。

グアニル酸は、椎茸を始めとしたキノコ類に多く含まれるうま味成分として知られています。

椎茸は乾燥させることによって、内部の細胞が破壊されます。すると、酵素の働きによって破壊された細胞が分解されグアニル酸が増加します。

この働きは乾燥させることによってのみ発生するため、生の椎茸からは干し椎茸ほどのグアニル酸を摂取することは出来ません。

含まれるグアニル酸の量の違いこそが、干し椎茸と生椎茸の大きな違いと言えるでしょう。

うま味成分を合わせるとよりおいしくなる?

干し椎茸から摂取できるグアニル酸と昆布から摂取できるグルタミン酸は相性抜群。

一緒に組み合わせることで更にうま味を増すことが出来ます。日本料理などで複数の食材から出汁を取る理由は、このうま味の相乗効果を狙ったものなのです。

栄養価が豊富

干し椎茸には栄養も豊富に含まれています。その中で特に特徴的なものを紹介します。

ビタミンD

骨を丈夫にするカルシウムや、同じく骨や歯を作る働きを持つリン。この2つの栄養素の吸収を促す効果があるのがビタミンDです。

生のしいたけと比べるとなんと30倍以上の含有量があります。

カリウム

ミネラルの一種であるカリウムは、体内の過剰なナトリウムを排出する働きがあります。

塩分に代表されるナトリウムは過剰摂取することで高血圧を引き起こす原因となりますが、カリウムには上がりすぎた血圧を下げる働きもあるのです。

レンチオニン

キノコ特有の芳醇な香りはとても魅力的ですよね。椎茸独特の香りを形成している成分がレンチオニンと呼ばれるもの。

レンチオニンには、血液をサラサラにする効果や血栓症のリスクを軽減してくれるメリットがあります。このレンチオニンは、生の椎茸にはあまり含まれておらず干し椎茸を水で戻したり、加熱を行う時に発生する成分です。

注意点は、20分以上煮沸してしまうと、レンチオニンは失われてしまうこと。椎茸の香りを残したい場合は加熱時間を調整する必要があります。

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干し椎茸をそのまま食べるのは大丈夫?

安全とは言い切れない

生の椎茸と比較すると、豊富な栄養を持つ干し椎茸ですがそのまま食べることはお勧めしません。場合によっては、体に悪影響を及ぼす可能性があります。

しいたけ皮膚炎の原因に

干ししいたけをそのまま食べることは、しいたけ皮膚炎の原因になる可能性があります。

しいたけ皮膚炎とは、乾燥しいたけを代表とするしいたけ加工品を十分に加熱せずに摂取したあと、突然生じる強いかゆみを伴う発疹のことを指します。

かゆみが非常に強いため、ひっかいた跡が赤く線上になることが特徴です。

かゆみが発生する原因としては、椎茸に含まれる

  • レンチナン
  • チロシン
  • チロシナーゼ

などが原因物質である可能性が高いと言われていますが、特定には至っていないようです。

腸閉塞の原因に

腸の中では食べ物や消化液が絶えず動き続けますが、何らかの原因でこの動きが止まってしまう症状を腸閉塞と呼びます。

腸閉塞を予防するためには、出来る限り消化の良い食べ物を選ぶことが大切です。

食感が硬く繊維質が非常に多い干し椎茸をそのまま食べることは、腸閉塞を引き起こす原因となるため、避けましょう。

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干しシイタケの正しい使い方

水に戻す

干し椎茸はしっかりと戻すことが大切です。以下が、正しい干し椎茸の戻し方になります。

  1. ボウルに干し椎茸を入れて水を注ぎます
  2. 軽く指で汚れを擦り落とし水気を切る
  3. 再びボウルに水を入れて漬かる程度の水を加える
  4. ラップでボウルに蓋をする
  5. 4時間~6時間程度放置する
  6. 椎茸の身が膨らんだのを確認したら水気を絞る
ポイント
椎茸の戻し汁は出汁に使用することが出来るので捨てないようにしましょう。

きちんと加熱する

干し椎茸はしっかりと加熱することで、前述した椎茸皮膚炎発症のリスクを軽減することが出来ます。そのため、水に戻した後の干し椎茸はきちんと加熱調理することが大切です。

なお、食中毒の観点からは、干し椎茸の中心温度を75℃以上まで加熱することで安心して食べることが出来ますよ。

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まとめ

 

この記事をまとめると

  • 干し椎茸は生の椎茸と比較するとうま味成分であるグアニル酸が豊富に含まれている
  • 干し椎茸をそのまま食べることは、椎茸皮膚炎や腸閉塞の原因となるため避ける必要がある
  • 干し椎茸はしっかりと水で戻し、十分な加熱を行ってから食べることが大切

いかがだったでしょうか。

干し椎茸の持つ栄養素は体に良い影響を与えてくれるものばかりです。干し椎茸に関する正しい知識を身につけることで、安全に美味しく栄養を摂取することが出来ますよ。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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