生のホッキ貝の食中毒の危険性は?寄生虫・貝毒はある?対処法・安全な食べ方

歯ごたえが美味しい「ホッキ貝」は、生で食べることもありますが寄生虫などによる食中毒の危険性はないのでしょうか?ホッキ貝の寄生虫事情や食中毒事情についてまとめてみました。今回は、

  • ホッキ貝は生でも食べられる?内臓は?
  • ホッキ貝の食中毒の危険性
  • 食中毒への対処法は?
  • 安全な食べ方&レシピ

これらのテーマについて紹介いたします。

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ホッキ貝ってどんな貝?

英名 Hen clam
別名・和名 ウバガイ
エネルギー(100gあたり) 73kcal
糖質量(100gあたり) 3.8g

ホッキ貝は、バカガイ科ウバガイ属の二枚貝です。漢字では「北寄貝」と書き、「姥貝(ウバガイ)」という別名も持っています。「姥貝」という名前は、この貝が30年以上も生きることが由来となっています。

日本では北海道や青森県などの北エリアで収穫され、冬から春にかけた時期が一番の旬の時期となっています。

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生でも食べられるの?

ホッキ貝はお寿司のネタやお刺身としても食べられているように、「生のままでも食べることができます」!赤貝やトリガイなどに比べて歯ごたえがあり、噛めば噛むほど味が出てくるののが特徴です。

内臓は食べられるの?

ホッキ貝には黒い内臓がありますが、「内臓を食べることはできません」!内臓を取り除いた部位は全て食べることができますが、ホッキ貝の内臓は「ウロ」とも呼ばれ、開いた時に見える黒い部分です。

内臓を食べない理由としては、 美味しくなく、砂が入っていることが多いから です。生で食べる場合も加熱する場合も、内臓は下処理で取り除く必要があります。

生ホッキ貝に食中毒の危険性はある?

ホッキ貝は生で食べられることが多い貝ですが、食中毒の危険性はないのでしょうか?魚介類にはアニサキスなどの寄生虫の危険性や、貝毒と呼ばれる貝類特有の食中毒の危険性があります。ホッキ貝における食中毒について、それぞれの危険性を確認していきましょう。

寄生虫の危険性

ホッキ貝に高確率で寄生している寄生虫は「ヒモビル」というもので、細長い3〜4cmの幼虫のような形をしています。加熱すれば食べることができますが、大きいので下処理の段階で気づくことが多いでしょう。

また、寄生虫の中でも有名な「アニサキス」もホッキ貝でよく見られます。アニサキスは長さ1〜2mmほどの糸状でかなり小さいため、気づかずに食べてしまうこともあります。

アニサキスも 加熱によって死滅する他、冷凍することで死滅する ので、一度冷凍されたホッキ貝のお刺身であれば危険性はありません。家庭で生のホッキ貝を捌いてお刺身として食べるのは、なかなか難易度が高いかもしれません。

貝毒の危険性

ホッキ貝などの二枚貝が食べる可能性のある有害なプランクトンは毒性を持った植物プランクトンで、「貝毒プランクトン」と言われています。しかし、 この貝毒プランクトンは常に発生しているわけではなく、海中の環境などによって発生する ものです。

貝毒は常に発生しているものではないのでごく稀なものですが、「貝毒は熱処理すれば大丈夫なのでしょうか」?

注意

貝毒は加熱してもなくなることはない!

残念なことに、貝毒の毒性は熱に強く、茹でる・焼く・煮るなどあらゆる加熱調理をしてもなくなるものではないのです。

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ホッキ貝の寄生虫・貝毒による食中毒症状

寄生虫のヒモビルは、実は食べても人体に全く影響のないものです。万が一食べてしまっても食中毒になることはありません。しかし、アニサキスは胃や腸を刺激して、激痛を引き起こします。腹痛・嘔吐などの食中毒症状が出るので危険な寄生虫です。

注意
  • アニサキスは体内で4〜5日生き続けるので、病院で摘出してもらう必要がある
  • 激痛に耐えれば、病院へ行かなくても4〜5日後に症状は消える

また、日本国内で発生しやすい貝毒は「下痢性貝毒」と「麻痺性貝毒」の2種類で、それぞれ原因となるプランクトンに違いがあります。

日本の貝毒プランクトン
  • 下痢性貝毒→ディノフィシス属 [毒成分:オカダ酸/ディノフィシストキシン]
  • 麻痺性貝毒→アレキサンドリウム属 [毒成分:ゴニオトキシン/サキシトキシン]

難しい名前ですが、これらのプランクトンによって貝毒は起こります。麻痺性貝毒にはフグの毒に匹敵するほど強いものもあり、神経筋肉系を刺激して強い麻痺症状を発症します。また、下痢性貝毒は消化器系への刺激が強く下痢などの症状を発症します。

生ホッキ貝の食中毒への対処法

ホッキ貝の寄生虫は、ヒモビルに関しては食べても体への影響はありませんが、アニサキスは激痛と腹痛などの症状を起こすので避けたいものです。高確率で寄生していると言われているので、家庭で生ホッキ貝を調理する際は対処法が必要になります。

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加熱処理

アニサキスを加熱死滅させる際は、 60度以上で1分間以上 加熱することで、完全に危険性をなくすことができます。

冷凍処理

アニサキスを冷凍死滅させる際は、 マイナス20度で24時間以上 冷凍することで完全に危険性をなくすことができます。

ホッキ貝の安全な食べ方・レシピ

ホッキ貝は生が美味しい貝類ですが、もちろん加熱しても美味しい料理にアレンジすることができます。食中毒のリスク回避をするためにも、家庭で調理する際は加熱調理を楽しみましょう。ホッキ貝の安全な食べ方をご紹介します。

酒蒸し

引用:cookpad 

酒蒸しはアサリやはまぐりなど貝類料理として人気ですが、ホッキ貝でも美味しく作ることができます。しっかりとした歯ごたえで噛めば噛むほど味が滲み出る、お酒のお供にもぴったりな一品です。

バター焼き

引用:満点★青空レストラン

バター焼きは香ばしさが食欲をそそる一品です。グリルやフライパンでも作ることができます。軽く醤油をたらせば、バター醤油味で白いごはんもどんどん進みます。

炊き込みご飯

引用:cookpad

刻んでご飯と一緒に炊いた「ホッキ貝の炊き込みご飯」は、ホッキ貝の旨味がお米に染み込んで美味しく食べることができます。ごぼうのささがきも入れるとアクセントになりますよ。

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まとめ

「ホッキ貝の食中毒や寄生虫の危険性」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

この記事をまとめると

  • ホッキ貝にはヒモビルやアニサキスが高確率で寄生している
  • ヒモビルは食べても無害だが、アニサキスはお腹の激痛や下痢を引き起こす
  • 貝毒という貝類特有の食中毒も稀に発生することがある

生のホッキ貝には寄生虫による食中毒のリスクがあるので、お刺身として食べるのであればしっかり処理されたお店で食べるのが安全かと思います。家庭で調理する際は、加熱料理を楽しんでみてくださいね。

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