発芽玄米に毒が?食べる危険?アブシジン酸やフィチン酸の危険性や安全性について

皆さんは玄米をよく食べますか?玄米は白米に比べてたくさんの栄養素を含んでおり特にミネラルや食物繊維が非常に豊富といわれています。玄米の中でも発芽玄米という玄米から少し発芽させたものが最近より健康効果が高いと注目を集めています。そんな玄米ですが毒があるといった情報もいくつか見られました。私たちが普段から食べている食事に毒があるなんてちょっと怖いですよね。

今回の記事では玄米には本当に毒があるのかについて紹介していきたいと思います。

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発芽玄米って?

発芽玄米とは

発芽玄米とは玄米を水にさらしてわずかに芽が出た状態の米のことを言います。玄米を種として玄米に含まれる栄養素を利用するために様々な酵素を準備している栄養価の高い段階のお米です。

酵素の働きによって胚乳に含まれるデンプンがブドウ糖へ、タンパク質はアミノ酸分解されていくので通常の玄米に比べて甘みや旨味が強まっている状態です。また発芽するためにお米自体を柔らかくしてくれる作用があり、発芽玄米を炊いた場合非常にやわらかくもちもちとした食感がおいしいごはんが炊き上がります。

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発芽玄米に含まれる栄養素

GABAが豊富!

発芽玄米は発芽が始まってすぐに、成長を止めたものなので玄米に含まれる豊富なビタミンやミネラル類なども含まれています。さらに特筆すべき点はGABAという成分が豊富に含まれていることです。

GABAとはγアミノ酢酸の略語です。私たちの体内に普段から存在しているアミノ酸の一つで、特に脳や脊髄で精神を安定させてくれる効果があります。GABAはもともと体内で十分な量が作られているのですが、疲労や強いストレスにさらされると、それを緩和するために大量に消耗してしまうため、不足傾向に陥ります。

GABAが不足すると興奮性の神経伝達物質が過剰に分泌されることになり、リラックスできなくなって緊張状態が続いてしまうので、食事からGABAを取るのは非常に重要なことなのです。 

食物繊維も豊富!

発芽玄米のぬか層という場所は、白米に比べて約5倍の食物繊維が含まれていると言われています。玄米食にすることで食物繊維をたっぷり摂ることができるのでお通じの改善が期待できます。便秘は肌荒れやストレスの原因になってしまうので、玄米を食べて毎日しっかりお通じがくるようになればいいですね!

食物繊維はお腹に良いんじゃないの?
食物繊維には大きく分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。水溶性食物繊維は糖やコレステロールの吸収を抑える効果や、便を柔らかくする効果が知られていますが、水溶性食物繊維をとりすぎてしまうと、腸にある水分を集めすぎてしまい便を柔らかくし過ぎて下痢の原因になってしまうことがあるのです。

 

一方で不溶性食物繊維には、便のかさを増し、腸を刺激することで排便を促進する効果があります。しかし、もともと便秘状態で腸の動きが低下している人が不溶性食物繊維をとりすぎてしまうと、大きくかさが増した便をうまく排出できず、便秘がひどくなってしまうことがあります。

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発芽玄米って毒があるの?

どんなもの?

では今回の本題に入りますが、発芽玄米を含む玄米には毒の理由とされる二つの物質があります。それが「アブシジン酸」と「フィチン酸」です。

アブシジン酸って何?

アブシジン酸とは生物の成長や生理活性を調節する「ホルモン」の一種です。植物ならほとんどすべてに含まれていますし、菌類や海藻類、動物細胞にもあります。

このアブシジン酸は、植物が乾燥や低温などのストレスにさらされると増えます。ストレスだけではなく、花を咲かせるために成長を促したいときにたくさん合成されたり、果実を熟成させたいときにたくさん合成されます。

フィチン酸とは?

植物の三大栄養素のひとつである「リン」を蓄える役割を持つ物質で、とくに植物の種に多く存在します。フィチン酸は金属と結合しやすい性質を持っているので、種の中でカルシウムや鉄などの元素とくっついて存在しています。

玄米が毒といわれる説①「アブシジン酸が人の細胞を傷つける」

アブシジン酸には「ミトコンドリアを傷つける」という説があります。ミトコンドリアというのは、私たちの体を作る細胞のなかにある物質で、独自のDNAを持ちます。有害物質からエネルギーを取り出す働きをしてくれます。ミトコンドリアは私たちが動くためのエネルギーを作り出す役割があるので、ミトコンドリアを傷つけられたら大変なことになってしまいます。

このアブシジン酸がミトコンドリアを傷つける説は、実は10年も前に否定されています。2010年に米国環境保護庁が、植物調整剤(植物の成長を調節する作用のある農薬)として、アブシジン酸を使用しても「幼児や子供を含めた消費者に危害が生じる可能性はほとんどない」といった発表をしています。

そもそもアブシジン酸は私たちが普段から食べている野菜のほとんどすべてに含まれているので、数十年摂取してきて今のところ何も大きな問題がないと考えると、アブシジン酸が人に被害を及ぼす可能性はかなり低いと思いますよね。

玄米が毒といわれる説②「フィチン酸でミネラルが不足してしまう」

フィチン酸はそもそも金属と結合しやすい物質なので、フィチン酸を摂取してしまうと体の中にあるミネラル類が体内に吸収されずにフィチン酸に結合してしまいそのまま体の外へ排出されてしまうといった懸念点があるようです。

玄米に含まれるフィチン酸は人の体内のミネラルと強く結合した「フィチン酸塩」の状態になると考えられています。フィチン酸塩は人の消化器官では消化できない成分なので、玄米に含まれるミネラルはほとんど体に吸収されないと言われているのです。

ただフィチン酸を摂取すると体の中からミネラルが奪われることでミネラル不足になるというのは少し考えづらく、なぜならフィチン酸塩の状態だと他の食品由来のミネラルを奪うことはできないからです。

普段の食事で動物性の食品や野菜などからミネラルを十分に摂取できている場合は、玄米によるミネラル不足の心配はほとんどないと言われています。

結果:毒は気にしなくて全くよい!

 以上の説明を踏まえても、玄米を食べ続けることで私たちの体に害を与える危険性があるかという質問関しては「まったく心配しなくても良い」と言えるでしょう。

食品には様々なポジティブな情報とネガティブな情報があります。確かに情報収集は大事なのですが、その情報が本当に正しいのかについてしっかり確かめる必要がありそうですね。ひとつの情報に踊らされずに、色々な情報を仕入れると言ったことが重要になってきます。

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まとめ

この記事をまとめると

  • 発芽玄米には GABA や食物繊維が豊富に含まれている!
  • 玄米に毒があるという情報もあるが、研究によって安全性が確かめられているので安心して玄米を食べても良い!
  • 食品についての情報は良い情報も悪い情報もたくさんあるので、しっかり見極めていこう!

今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。

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