箸墓古墳は、全国第11位という大きさを誇る古墳であり、さらに、日本全国で最古ともいわれる前方後円墳です。
さらに、この古墳で注目すべきは、ここに眠る被葬者は誰なのかということです。
一説によると、ここは邪馬台国の女王・卑弥呼の墓ともいわれています。
謎に包まれた箸墓古墳を一緒にみていきましょう。
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目次
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箸墓古墳とは
箸墓古墳は、箸墓山古墳とも呼ばれ、奈良県桜井市箸中にある前方後円墳です。
墳丘長は278mで、奈良県では3番目に大きく、全国でも第11位という大きさを誇る古墳です。
オオヤマト古墳集団のひとつで、纒向遺跡のなかに存在する纒向古墳群の盟主的古墳で、築造されたのは3世紀後半とされ、日本でも最古級の前方後円墳です。
前方部4段、後円部5段の築成で、墳丘には川原石を使った葺石が存在していて、かつては外堤、墳丘と外堤を結ぶ渡り堤などがあったことが確認されています。
周濠は国の史跡に指定されていて、一部は「箸中大池」としてため池百選の1つに選ばれています。
実際の被葬者についてははっきりとしない部分がありますが、箸墓古墳は宮内庁によって、「大市墓(おおいちのはか)」として第7代孝霊天皇の皇女・倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の陵墓として治定されています。
現在は、宮内庁によって管理されているため、古墳内には自由に立ち入ることができなくなっています。
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被葬者の百襲姫命ってどんな人?
百襲姫命は、巫女のような不思議な力をもっていた女性で、大物主神と結婚したという神婚譚のような言い伝えがあり、箸墓古墳も昼は人間が夜は神様が造ったという伝説があります。
夫である大物主神は夜しか百襲姫命のもとを訪れなかったため、百襲姫命が朝までいてほしいと願ったところ、それを聞き入れて朝まで泊まりました。
しかし、大物主神は蛇の姿をしていたため、百襲姫命が騒いだところ、愛想を尽かして帰ってしまします。
後悔した百襲姫命は、ハシで自分の陰部を突いて自害してしまったという驚きの言い伝えがあり、これが箸墓古墳の名前の由来にもなっているということです。
箸墓古墳の被葬者は誰?
引用:norenjapan.jp
ですが、実は箸墓古墳の被葬者は百襲姫命ではなく別の人物であるという説があります。
では、その人物とはだれなのでしょう。
なんと、それは誰もが知っている日本史の有名人、邪馬台国の女王・卑弥呼だというのです。
周濠から発見された土器が作られた年代から、箸墓古墳の築造された時期が卑弥呼の没年(248年頃)と近いことから、この古墳に埋葬されているのが、卑弥呼またはその後継者である台与(いよ)ではないかという説があります。
ただ、土器についていた炭化物を使った年代測定では、古墳の築造年はそれより50年~100年ほど古いと推定されていることや、古墳の規模や様式が『魏志倭人伝』に記されたものと違っていることなどから、これに否定的な見方もあります。
果たして、箸墓古墳に眠るのはいったいだれなのでしょうか。
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箸墓古墳の基本情報
読み | はしはかこふん |
所在地 | 奈良 |
住所 | 奈良県桜井市大字箸中 |
地域 | 関西 |
形状 | 前方後円墳 |
大きさ | 278m |
被葬者 | 倭迹迹日百襲姫命 |
時代 | 3世紀後半 |
作られた時期 | 古墳時代前期 |
古墳群内 | 纒向古墳群 |
出土品
箸墓古墳では、墳丘上で、葺石、山型特殊器台、特殊壺、最古の埴輪である都月型円筒埴などが見つかっており、かつてはこれが墳丘上に並べられていたとみられます。
墳丘の近くでは玄武岩でできた板石が見つかっていて、竪穴式石室が作られていた可能性があります。
『魏志倭人伝』の記述には、卑弥呼の墓には石棺はあるが、石室のような埋葬施設はないとされていて、箸墓古墳を卑弥呼の墓だとすると、ここに矛盾点が生じます。
箸墓古墳の展示館へ行こう
引用:www.kashihara-kanko.or.jp
概要
奈良県立橿原考古学研究所は、奈良県橿原市畝傍町にある県立の埋蔵文化財調査研究機関で、公的な埋蔵文化財研究施設としては日本で最も古い歴史をもっています。
付属博物館には、奈良県内の古墳や遺跡から発掘された様々な出土品が展示されていて、ヤマト王権の中心として日本史のなかで重要な位置を占めてきた奈良県の歴史について深く知ることができます。
見どころ
橿原考古学研究所付属博物館には、奈良県内の他の古墳や遺跡から発見された様々な文化財が展示されています。
旧石器時代から室町時代に至るまで、食器や装飾品、狩猟用具といった発掘品や当時の建物の復元模型など内容の濃いものになっています。
常設展「大和の考古学」のほか、春と秋に2回特別展があり、夏には発掘調査の速報展「大和を掘る」も開催されています。
住所 | 奈良県橿原市畝傍町50-2 |
お問い合わせ | 0744-24-1185 |
開館時間 | 午前9:00~17:00 |
休館日 | 月曜日 年末年始(12月28日~1月4日) |
観覧料 | 大人400円 学生(大・高校生)300円 小人(中・小学生)200円 映像ライブラリー、情報コーナー、休憩室などは無料で利用できます。 |
アクセス | 近鉄「橿原神宮前駅」下車 徒歩約15分 |
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箸墓古墳周辺のおすすめスポット
見どころ1 談山神社
引用:http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/
談山神社(たんざんじんじゃ)は、桜井市多武峰(とうのみね)にある神社で、ここには藤原鎌足が祀られています。
今は神社になっていますが、神仏分離以前はなんとお寺だったそうで、多武峯妙楽寺(とうのみねみょうらくじ)といいました。
藤原鎌足というと、中臣鎌足の名前で、中大兄皇子とともに蘇我入鹿を暗殺し、大化の改新を起こした歴史上の有名人です。
ちなみに、鎌足は臨終に際して藤原姓を賜ったため、生前に藤原鎌足であったことはないようです。
談山神社のあるこの多武峰は、鎌足が中大兄皇子と大化の改新の相談をした場所であることから、談山と呼ばれるようになったということです。
談山神社には、国宝の「粟原寺三重塔伏鉢(おおばらでらさんじゅうのとうふくばち)」のほか、たくさんの重要文化財があります。
桜と紅葉の名所としても知られ、春と秋には鎌足と中大兄皇子の出会いの故事にちなんだ「けまり祭」が開催されます。
住所 | 奈良県桜井市多武峰319 |
お問い合わせ | 0744-49-0001 |
拝観時間 | 8:30~16:30 |
拝観料 | 大人600円 小学生300円 |
アクセス | JR「桜井駅」から奈良交通バス「談山神社」下車 徒歩約5分 |
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見どころ2 長谷寺
引用:www.hasedera.or.jp
西国三十三か所の第8番札所にもなっている長谷寺は、初瀬山の中腹に建つお寺で、奈良時代に建立されたものといわれています。
初瀬山は花の名所として知られる場所で、長谷寺も昔から「花の御寺」と呼ばれてきました。4~5月にかけて、150種類7000株以上の牡丹の花が満開に咲き誇り、他にも桜やあじさい、紅葉、寒牡丹など四季折々の花が訪れる人を楽しませてくれます。
住所 | 奈良県桜井市初瀬731-1 |
お問い合わせ | 0744-47-7001 |
入山料金 |
大人500円 中・高校生500円 小学生250円 |
入山時間 | 8:30〜17:00(4月〜9月) 9:00〜17:00(10月〜11月、3月) 9:00〜16:30(12月〜2月) |
アクセス | 近鉄大阪線長谷寺駅下車 徒歩約15分 |
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箸墓古墳へのアクセス
車
西名阪道「天理IC」から約20分
電車
JR桜井線「巻向駅」から徒歩約10分
バス
奈良交通バス「箸中」から徒歩約7分
箸墓古墳周辺のランチおすすめ3選
えすぽわーる
巻向駅の近くにある喫茶店。
この店でオススメなのがモーニングセット。
500円以内でアメリカンサンドやホットドック、トーストなど10種類のメニューに飲み物やサラダがついたボリュームたっぷりなモーニングセットがいただけます。
住所 | 奈良県桜井市巻野内526-1 |
お問い合わせ | 0744-45-5750 |
営業時間 | 6:30~20:00 |
定休日 | 不定休 |
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千寿亭
箸墓古墳近くのそうめん料理のお店。
桜井市を中心とした三輪地方は、三輪そうめんで有名で、この地域がそうめん発祥の地ともいわれています。
桜井市にきたら、ぜひとも本場の三輪そうめんを食べてみてください。
住所 | 奈良県桜井市芝293 |
お問い合わせ | 0744-45-0626 |
営業時間 | 11:00~17:00(L.O.16:00) |
定休日 | 金曜日 |
大和まほろば
箸墓古墳の近くにあるうどんと蕎麦のお店。
ランチメニューは、うどんとかやくご飯のセット(700円)、鶏なんばそばとかやくご飯のセット(930円)などが種類が豊富でボリュームもたっぷりです。
住所 | 奈良県天理市渋谷町399-1 |
お問い合わせ | 0743-67-1362 |
営業時間 | 平日11:00~15:00 土日祝11:00~20:00 |
定休日 | 水・第3木曜日 |
まとめ
箸墓古墳は、日本最古の前方後円墳で、全国でも11位の大きさというたくさんの魅力にあふれた古墳です。
さらに、被葬者は百襲姫命なのか、それとも邪馬台国の女王・卑弥呼なのか、たくさんの謎があり、それもまた古墳のミステリアスな魅力になっています。
奈良を訪れた際にはぜひ、箸墓古墳に足を運んで、ここに眠る被葬者に想いを馳せてみるのはいかがですか。
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