玉露と抹茶と煎茶の違いは?育て方・味・カフェイン等を比較してみた!

今や世界的にも有名な抹茶(まっちゃ)。なんとなく「高級なお茶」というイメージを持ってはいるものの、実際に抹茶がどのように作られ、どのような特徴を持っているのかを知らない人も少なくないのではないかと思います。

今回は、玉露茶(ぎょくろちゃ)、煎茶(せんちゃ)との違いとあわせ、栽培方法やその特徴についてまとめてみたいと思います。

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玉露・抹茶と、煎茶は何が違う?

一番の違いは「育て方」

抹茶・玉露と煎茶の間には、収穫直前の育て方に大きな違いがあります。抹茶と玉露は、新芽が2~3枚ひらき始めた頃(茶摘みの2週間前頃)、お茶の樹に被覆(ひふく)をします。「よしず」や「わら」で覆いをして、茶の樹にあたる直射日光をさえぎるのです。そうやって日光があたらない状態で育てるのが、抹茶・玉露の大きな特徴です。

味の違い

一般的に、抹茶や玉露は煎茶よりも旨味・甘みが強く、彩りもあざやかで美しく、上品な香りを持つのが特徴だとされています。

確かに、高級な抹茶や玉露は、ひとくち含んだ瞬間に口いっぱいにお茶のいい香りと旨味、ほのかな苦みが広がり、お茶本来の良いところが濃縮されたような味わいを楽しむことが出来ます。

成分の違い

お茶の旨味・甘みの成分は、テアニンというアミノ酸(ポリフェノール)です。テアニンは、冬の間にお茶の樹の根の部分でつくられ、春先に新芽へと移動します。春先に収穫する一番茶がおいしいと言われるのは、こうして冬に蓄えられたテアニンが新芽に豊富に含まれているからなのでしょう。

しかし、このテアニンは日光を浴びると健康成分の茶カテキンへと変化してしまいます。つまり「旨味成分が減って、健康成分・苦み成分が増える」ということになります。

このように、新芽に日の光があたると旨味・甘み成分のテアニンが苦みの強い茶カテキンへと変化してしまうため、旨味を強く残したい抹茶や玉露茶は、収穫のおよそ2週間前に日の光をさえぎるようにして育てているのです。

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似ているけど違う?玉露と抹茶の違い

玉露収穫前の育て方によって、抹茶・玉露と煎茶の間に違いがあることはご紹介しました。では、玉露と抹茶の違いは何なのでしょうか。

加工方法に違いが

抹茶と玉露の違いは収穫後の加工方法にあります。

玉露の加工方法

玉露は、「高級煎茶」といわれるように煎茶の一種ですが、蒸したあと針のような形に揉み上げ乾燥させます。被覆をして育てた茶葉を収穫した後、蒸して揉みながら乾燥させていくわけですね。

抹茶の加工方法

茶葉の栽培段階までは玉露と同じ製法で作られています。抹茶は、若葉を丁寧に手摘みして蒸したあと、揉まずに乾燥させて、葉脈や茎を取り除きます。そして石臼で挽いて粉末状にしたものが抹茶です。

カフェイン量

100ml当たりのカフェイン量

抹茶 64mg/ 玉露 160mg/ 煎茶 20mg/ コーヒー 60mg
カフェインはお茶の苦みの主成分です。茎よりも新芽に多く含まれるため、新芽を多く使う玉露や抹茶に多く含まれます。お茶の濃厚なエキスを味わう玉露は最も多くなります

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美味しい淹れ方

種類別にお茶の淹れ方をご紹介します。

玉露

玉露の淹れ方1

  1. 湯さましにお湯を淹れて冷まします。
  2. 湯さましのお湯を茶碗に七分目(約20ml)ほど注ぎます。残ったお湯は捨てましょう。茶碗は玉露用の小さめのものを使用。茶の葉を急須に入れます。茶葉の量:6~8g程度(家庭にある小さじ約4杯分)
  3. 冷ました茶碗のお湯を急須に注ぎ、2分位お茶が出るのを待ちます。茶碗に注ぐ分量は均等に廻しつぎし、お茶は注ぎ切りましょう。二煎目は冷ましたお湯を入れてから30秒くらい待ちます。 お湯の温度は50度~60度が目安 

抹茶

だれでも今すぐおいしい抹茶が点てられる!自服の完全マニュアル | 和樂web 日本文化の入り口マガジン

  1. 茶碗にお湯を入れ「茶筅」をそのお湯に軽く通し、茶筅を清め、お湯を捨てます。
  2. 茶碗にお抹茶を茶杓で1すくいと半分程入れます。抹茶の目安:約1.5g、小さじ1
  3.  沸騰して一呼吸おいたお湯(約80度) を茶碗の5分の1(約60ml)注ぎ入れます。
  4. 最初は底の部分から「茶筅」を振り、その後、「N」の字を書くように前後に素早く動かし、15秒程泡立てます。
  5. 最後は表面の泡をならすように静かに茶筅を回し、そっと引き上げてください。細かい泡が立ったら、茶碗の中心に「の」の字を描き、ゆっくりと持ち上げてください。

煎茶

お茶の味が温度で変わる?50℃・70℃・90℃で違いを比較!おいしい淹れ方も紹介 | 和樂web 日本文化の入り口マガジン

  1. 沸騰したお湯を茶碗に八分目まで注いで冷まします。
  2. 適量の茶葉を急須に入れます。茶葉の目安:3人で6g(家庭にある大さじ2杯分)
  3. 湯冷ましした茶碗のお湯を急須に注ぎ60秒ほど、お茶が侵出するのを待ちます。 お湯の温度は70度~80度 が目安
  4. 少量ずつ茶碗に注ぎます。数人分注ぎ分ける時は少量ずつ注ぎ分け、味を均等にします。
  5. 最後の一滴までしっかり注ぎ切ります。急須にお湯が残っているとお茶の成分が浸出し、ニ、三煎目がおいしくなくなります。ニ、三煎目はお湯を入れてから30秒位待ちます。

お茶の旨味成分であるテアニンは低い温度で抽出されやすく苦み・渋みの主成分である茶カテキンは高い温度で抽出されやすい性質があるため、玉露らしい甘み・旨味を楽しむためにはお茶を淹れるお湯の温度を低めにすることが重要です。

まとめ

いかがでしたか?

この記事をまとめると

  • 玉露・抹茶と、煎茶では一番の違いは「育て方」
  • 玉露と抹茶の違いは、収穫後に揉むか揉まないか
  • 玉露を淹れる適温は50~60度、抹茶は約80度、煎茶は70度~80度

ほっと一息つくリラックスタイムや、家族や友人とのおしゃべりを楽しむ際に欠かせない「お茶」。玉露に多く含まれるテアニンは、ストレス軽減効果やリラックス効果があると言われます。時にはご自分へのご褒美としていかがでしょうか。

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