ビーフシチューの肉を柔らかくする方法|パサパサになる原因は?

トロトロの牛肉とコクのあるソースがおいしいビーフシチュー。日本ではニンジンやじゃがいも、玉ねぎなど野菜もたくさん入れて具沢山なスープにするのが一般出来ですが、本来は柔らかく煮込んだ肉を食べるメインディッシュなのだそうです。でも、柔らかくしたくて煮込んでいるつもりが固くなったり、パサパサになったりしたことはありませんか?口の中で崩れるくらい柔らかくするためには煮込み方にコツがあります。そこで、今回は

  • ビーフシチューには何の肉を使う?
  • ビーフシチューの肉がパサパサになる原因
  • ビーフシチューの肉を柔らかくする方法
  • 圧力鍋がないときの煮込み時間はどれくらい?
についてご紹介いたします。

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ビーフシチューには何の肉を使う?

牛肉は部位によって肉質が違います。そのため使用する部位によって出来上がったときの食感や味わいが変わってくるので、好みに合う部位を使うようにしましょう。

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もも肉

もも肉は後ろ足の付け根から膝までの部分の肉です。脂肪が少ない赤み肉で、煮込むとホロホロっと崩れるような柔らかさになります。

すね肉

すね肉はひざ下の部分の肉です。運動量が多いので脂肪が少なく、すじが多いのが特徴です。すじはゼラチン質のコラーゲンを多く含むので煮込むと濃厚な旨味が出て、トロトロに柔らかくなります。

バラ肉

バラ肉は胸から腹部の肉です。脂肪が多く、肉と脂肪が層のように重なっています。煮込むと脂肪が溶けてトロトロに柔らかくなります。

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肩ロース

肩ロースは頭に近い背中部分の肉です。お尻に近い背中の肉はリブロースと言います。バラ肉よりは脂肪が少ないですが、もも肉よりは多いので、脂が多すぎるのは苦手だけど、塊の肉も苦手という人におすすめです。

タン

タンは舌の部分の肉です。『タン元』と呼ばれる舌の根元の部分ほど柔らかく、『タン先』と呼ばれる舌先に行くほど固くなります。独特な食感で脂肪が多いので旨味が濃く、煮込むほど柔らかくなっていきます。

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ビーフシチューのお肉がパサパサになる原因

お店で食べるようなビーフシチューを目指して作ってみたのに、肉が柔らかくならなかったり、パサパサした食感になったりしてしまうことがあります。このようになってしまうのは調理方法に問題があった可能性が高いです。

煮込みすぎ

肉は長時間煮込むほど柔らかくなります。これは肉に含まれるコラーゲンがゼラチン化するからです。コラーゲンは繊維状のタンパク質で骨、軟骨、腱、皮に多く含まれ、細胞間の接着剤のような役割をしています。

肉は加熱すると一旦固くなりますが、これは肉のタンパク質の性質による物です

  • 45〜65度でタンパク質が凝固し、肉が収縮する
  • 約65度でコラーゲンが収縮し、固くなる
  • 75〜85度でコラーゲンがゼラチン化し柔らかくなる
肉のタンパク質は熱で変性するので、まず固くなり、その後長時間煮込むことで柔らかくなります。ビーフシチューの肉が固かった場合は、煮込み時間が足りなかったというのが1番の原因として考えられますが、初めに高い温度で焼いてしまうと、タンパク質がギュッと収縮してしまい固くなってしまいます。

またもも肉など脂肪分の少ない赤み肉は、コラーゲンが少ないのでどんなに煮込んでもトロトロの柔らかさにはならず、逆にパサつきが気になってしまうことがあります。

質の低い肉を使っている

『ビーフシチューの肉が硬くなってしまうのは質の低い肉を使ったから?』と思う人もいるかもしれませんが、一概にそういうわけでもありません。日本人は牛肉の肉質が『硬い=品質が低い』と思いがちです。確かに牛肉のランク付けではきれいにサシが入って、締まりの良い肉ほど高く評価されます。

しかし、どのような牛肉でもじっくりと煮込めば部位による柔らかさの違いはあっても柔らかくなります。焼肉やすき焼き、しゃぶしゃぶなら肉自体の柔らかさが大切なので品質が良いほどおいしいと感じられるでしょう。でもビーフシチューなどの煮込み料理は、時間をかけて煮込むので安い肉でもおいしく調理できます。

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ビーフシチューのお肉を柔らかくする方法

柔らかい肉のビーフシチューを作るために大切なのはじっくりと長時間煮込むことです。強火で一気に火を通してしまうと肉のタンパク質が収縮して固くなってしまいます。弱火で2〜3時間コトコト煮込むのがポイントです。でも『家庭料理でそこまで時間をかけられない』と思うかもしれませんね。短時間でビーフシチューの肉を柔らかくするコツをご紹介します。

圧力鍋で調理する

圧をかけると通常は100度で沸騰する水の沸点が高くなります。そのため、普通の鍋で煮込むよりも早く柔らかくすることができます。通常なら2時間は必要なビーフシチューの煮込み時間が15分程度で良くなります。また火を消してもしばらくの間、高温で維持されるのでガス代の節約になります。

赤ワインで煮る

肉料理の煮込みにはよく赤ワインが使われます。これはソースのコクを出すだけでなく、柔らかくする効果もあります。赤ワインで煮込むことで肉のpH値が酸性に傾き、保水性が上がることで柔らかくなるそうです。

炭酸水で煮る

炭酸水は水に二酸化炭素を注入したものです。肉を炭酸水で煮込むことでpH値を酸性に傾けます。コーラなど他の炭酸飲料でも同じ効果が得られます。

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圧力鍋がない時の煮込み時間はどれくらい?

ビーフシチューは煮込み時間が重要です。圧力鍋があると便利ですが、普通の鍋で作る場合には最低でも2時間は煮込まないと、とろけるような柔らかな肉になりません。

時短で調理する方法は?

肉が硬くなるのは、筋や繊維が多いことが原因のひとつです。調理する前に物理的に筋や繊維を壊すと短時間で柔らかくすることができます。肉の筋や繊維を壊すためには次のような方法があります。

  • 肉たたきを使う
  • 炭酸水に漬け込む
  • ヨーグルトに漬け込む

まとめ

『ビーフシチューの肉を柔らかくする方法』についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

この記事をまとめると

  • 牛肉はじっくり煮込むと柔らかくなる
  • 肉の部位によって食感が変わる(脂肪が多いとトロトロ、赤みはホロホロ)
  • 圧力鍋があると便利
  • 肉の筋や繊維を壊して調理すると時短になる

ビーフシチューは時間がかかる料理というイメージがありますが、調理前の一手間で時短できることがわかりました。肉の性質や部位による違いを知っていれば、自宅でもお店の味に近いビーフシチューができそうです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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