杏仁豆腐に使われる「杏仁」と、ナッツの「アーモンド」は同じ?と言われることがあります。全くの別物に思える2つの食品ですが、同じと言われる理由は何なのでしょうか?そこで今回は、
- 杏仁とアーモンドの違いは?
- 杏仁に毒性はない?
- 栄養成分と効果は?
これらのテーマについて紹介いたします。
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杏仁とアーモンドはなぜ同じと言われる?
“杏仁とアーモンドは同じ?”と言われることがありますが、これは杏仁がとれる「杏」という植物とアーモンドが同じバラ科サクラ属に分類されることが理由の一つです。
杏とアーモンドは植物として似ているため、杏の代わりにアーモンドが使われることがあります。種の香りや実はよく似ているものの、実際は全くの別物になります。
アーモンドはよく知られているナッツですが、「杏仁」と呼ばれるものはどのようなものなのでしょうか?
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杏仁とは?
杏仁とは、あんずの種の中にある白い皮に包まれた部分(実)のことを指します。杏仁豆腐は、この部分を粉末状にしたものに砂糖などを加えて固めた食品のことで、元々は種から取れるものを原料としているのです。
本来、杏仁豆腐はあんずの種を原料とするものですが、代わりにアーモンドを粉末状にしたものを用いることもあるため、「杏仁とアーモンドは同じ」と言われるようになったようです。
杏仁は食品としてだけでなく、どちら咳止めの薬にも用いられていました。杏仁を利用した漢方には、麻杏甘石湯・麻黄湯・大青竜湯・桂枝加厚朴杏仁湯といったものがあります。
毒性は?
杏仁には『アミグダリン』という成分が含まれており、体内で青酸に変化します。通常量であれば体に悪い影響はないものの、過剰摂取すると頭痛・めまい・悪心などの副作用が起こることもあるので注意が必要です。
とはいっても杏仁そのものを食べる機会は少なく、杏仁豆腐に加工されたものであれば多少食べ過ぎてもこのような症状が起こる危険性はないので安心しましょう。
効果・効能
杏仁の効能には、便秘解消などの整腸効果や美肌効果、疲労回復効果、貧血予防、風邪予防効果などがあります。あんずそのものにはクエン酸やβカロテン・食物繊維も含まれているため、がん予防となったり、代謝を高める効果も期待することができます。
- 便秘解消
- 疲労回復
- 美肌効果
- 風邪予防
アーモンドってどんな食べ物?
アーモンドの原産は西アジア〜中央アジアの地域で、紀元前4,000年には既に食べられていました。主に遊牧民が属していたとされ、貴重な栄養源となっていたようです。
日本には、南蛮船でポルトガル人が江戸時代に持ち運んだことが始まりです。原産地はアジアですが、現在では世界の7割をアメリカが占めています。
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栄養成分
アーモンドには、強い抗酸化作用を持つビタミンEが豊富に含まれています。食物繊維も豊富なので、便秘解消や肥満予防にも効果的です。また、脂質も含まれていますが、コレステロール値を下げるオレイン酸やリノール酸がメインとなっています。
- ビタミンE:ビタミンEは、強い抗酸化作用、加えてコレステロールの酸化を防ぎ血流を良くする働きを持っています。また、毛細血管の収縮を抑制することで、細くなった血管が広がることで血流の悪化による体の不調改善効果もあるビタミンです。
- オレイン酸:オレイン酸は、生活習慣予防の効果が高く、血管内の環境改善効果が高い脂肪酸です。悪玉コレステロールの量を減らし、出来た過酸化脂質の量を減らすことで、血管壁へのプラーク生成を抑制します。結果として、動脈硬化や心疾患の予防に役立つ栄養素です。
- リノール酸:リノール酸は、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがあり、高脂血症を防ぐことで動脈硬化の改善をする働きを持っています。また、リノール酸の代謝によって、リノレン酸の材料になります。血液をサラサラにし、細胞膜の材料にもなる栄養素です。
- 食物繊維:食物繊維は、植物の細胞壁を構成する、人間の消化酵素では消化できない成分とされています。食物繊維は、植物しか作り出すことしか出来ず、水に溶けるか溶けないかで種類が分かれます。人間の腸内環境を整える免疫力改善等の働きがあります。
妊娠中(妊婦)にもおすすめ
アーモンドは、妊娠中でも飲めるオススメのナッツです。その理由には、アーモンドに含まれる“ビタミンE”、“食物繊維”、“葉酸”があります。
各栄養成分の妊婦さんへの効果については、下記記事で詳しく紹介しています。あわせてチェックしてみましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
まとめ
この記事をまとめると
- 杏仁とアーモンドは全くの別物!杏仁とはあんずの種の中にある白い部分
- 同じ?と言われるようになったのは、杏仁豆腐の原料をアーモンド粉で代用することがあるため
- 杏仁は漢方にも用いられているもので、咳止め効果などがある
杏仁とアーモンドは別物ですが、同じと言われる理由は植物が同じ分類であること、そして杏仁豆腐の原料にアーモンドが代用されることがあるからのようです。
どちらも体に良い成分が含まれており、アーモンドはおやつにも向いているので、是非普段の食事に取り入れてみてください。
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