アニサキスはアレルギー食材?加熱で予防・対策できる?出汁でも死亡する?

アニサキスは食中毒を引き起こす海の寄生虫ですが、”アレルギー”になることがあります。寄生虫でアレルギー?と思うかもしれませんが、命に関わる症状も起こり得る危険なアレルギー食材なのです。今回は、

  • アニサキスはアレルギー食材?
  • アニサキスアレルギーで死亡する?
  • アレルギーが予防・対策できる?
  • 血液検査で調べられるの?

これらのテーマについて紹介いたします。

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アニサキスはアレルギー食材なの?

アニサキスは海に住む一部の魚に寄生して生き続ける寄生虫の一つで、生きたまま食べると食中毒症状を発症します。アニサキス症状には、腹痛・下痢・発熱・吐き気などがありますが、食中毒とは別に“アニサキスアレルギー”というアレルギーが起こる可能性があります。

『寄生虫=食中毒』のイメージが強いですが、アニサキスに関してはアレルギー食材でもあるのです。アニサキスアレルギーの特徴や、食中毒とアレルギーの違い・症状には何があるのでしょうか?

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アニサキスアレルギーの特徴

アニサキスアレルギーの特徴としては、食中毒と異なるポイントが2つあります。

アレルギーの特徴
  • アニサキスの死骸でも反応する
  • 呼吸困難・蕁麻疹を伴う

通常のアニサキス食中毒は、生きたアニサキスを食べてしまった場合にのみ体が反応します。そのため、魚を加熱処理したり冷凍処理したりすることでアニサキスは死滅し、死んだアニサキスに関しては食べても無害で食中毒症状が出ることはありません。

しかし、 アニサキスアレルギーの場合はアニサキスの死骸によってもアレルギー症状が出てしまいます 

アニサキスアレルギーの症状

アニサキスアレルギーの症状には、蕁麻疹や呼吸困難があります。食中毒でも蕁麻疹が出ることはありますが、腹痛や下痢など消化器系に影響が出るのが一般的です。

アレルギーの場合は蕁麻疹がメイン症状で、酷い場合に呼吸困難を発症します。アレルギーによる呼吸困難は非常に危険で、気管が腫れ上がることにより充分に呼吸することができない症状です。

アニサキスアレルギーで死亡する?

食品アレルギーは怖いもので、時には死亡するケースもあります。アニサキスによるアレルギーに関しても、命に関わることがあるので侮れません。

死亡する危険性があるのは“アナフィラキシーショック”が起こる場合で、アレルギー反応の回数を重ねるごとに症状は重くなっていくと言われています。人によっては心臓の周りにある冠動脈が狭まり、 30〜40分で心停止になる可能性もある そうなのです。

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アニサキスアレルギーは予防・対策できる?

アニサキスによるアレルギーは他のアレルギー食材と同じで、命に関わる危険性があります。自分がアレルギーだと気づかずに食べてしまうのは恐怖ですよね。アニサキスアレルギーの対処法は、なにかあるのでしょうか?

加熱しても発症する

アニサキスアレルギーで厄介な点は、“加熱してもアレルギー症状を発症する”ということです。通常の”アニサキス食中毒”であれば、加熱か冷凍することでアニサキスは死滅し、死んだアニサキスは食べても害がないものとなります。

しかし、アニサキスアレルギーに関しては死骸に対しても体がアレルギー反応を起こします。よって、 焼き魚や天ぷら・魚の練り物を食べることでアレルギー症状を引き起こす可能性が充分にある のです。

出汁でも発症する

アニサキスそのものを食べなくても、アニサキスのエキスが出た出汁を飲むことによってアレルギー症状を起こす可能性もあります。アニサキスの分泌液にまで反応することがあるため、アニサキスを含む可能性のある魚類を食べられないことにもなり得ます。

アニサキスアレルギーの血液検査

アニサキスアレルギーは、血液検査で抗アニサキスIgE抗体が高値であること、摂取した魚介類に対するアレルギーがないことを確認し、臨床症状がアニサキスアレルギーで矛盾ない場合に診断されます。

通常のアレルギー検査とは少々異なりますが、病院でチェックしてもらえるので気になる方は是非調べてみてください。

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アニサキスアレルギーの確率は?

アニサキスの症状が出る確率は、あるレポートによると 『1,000万円の宝くじが当たる確率と同じくらい』 と言われています!

その理由というのは、アニサキスによる食中毒の年間発生件数全国民が1週間に1度お刺身を食べると仮定して計算した数値です。診療報酬明細書から計算した年間のアニサキス発生件数は、約7,000件にも及ぶと言われています。

アニサキスが出る確率

「全国民(1億2,500万人)」が「毎週1度生魚を食べて(年間約50回)」年間7,000件発症した場合、1/90万の確率でアニサキスによる食中毒を発症していることとなる

1/90万の確率というのは、ズバリ宝くじで1,000万円を当てるのと同じくらいの確率だそうなのです。それくらい低い確率のアニサキス食中毒ですが、アレルギーの場合はもう少し確率が低くなります。

アニサキスに反応しているのか、食べた魚自体に反応しているのかがわかりにくいので、速やかに病院で診てもらうようにしましょう。

まとめ

この記事をまとめると

  • アニサキスアレルギーは、アニサキスの死骸にも反応する!
  • 魚を加熱・冷凍しても発症するのでアニサキスを含む魚全般に危険性がある
  • アレルギー症状の多くは、蕁麻疹・呼吸困難→死亡する可能性もあるので非常に危険

アニサキスといえば食中毒ですが、実はアレルギー食材でもある寄生虫です。加熱や冷凍によって死滅しても、そのカケラや分泌液によってアレルギー症状を起こす場合もあるのでかなりの厄介者です。加熱した魚を食べて症状が出た場合は、アニサキスアレルギーの可能性も疑ってみましょう。

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