高血圧症の治療薬として使われる「アムロジピン」。この薬の服用中は、グレープフルーツを食べてはいけないようです。今回は、その理由について探っていきます!
- アムロジピンはどんな薬?
- グレープフルーツとの相互作用 / 影響
- グレープフルーツとの飲み合わせが悪い薬
- グレープフルーツ以外の柑橘系は大丈夫?
グレープフルーツやその他の柑橘類と薬の相性について、見ていきましょう。
スポンサードリンク
目次
|
|
アムロジピンの効能・効果
アムロジピンは高血圧症、また狭心症の患者さんに処方されるお薬です。比較的緩やかに効き目のある薬とされます。
カルシウムの拮抗薬(きっこうやく:働きを阻害する薬のこと)で、細胞内へのカルシウムの流入を減少させることで病気への効能を発揮します。
スポンサードリンク
グレープフルーツとアムロジピン
アムロジピン服用中にグレープフルーツを食べると、どんなことが起こるのでしょうか?その相互作用や危険性について見ていきましょう。
相互作用
グレープフルーツにはフラノクマリン類という成分が含まれています。これがアムロジピンと相互作用する原因となり、体内の代謝酵素の働きを抑え、より血圧を下げようとする力を強めると言われています。
体への影響は?
相互作用が起こってしまった場合、より強い降圧作用が働き、めまい、立ちくらみなどの症状が起こります。この相互作用は、グレープフルーツを食べてから 何日か経った後でも起こる可能性があります 。
高血圧症など生活習慣病が原因で病院に行く予定ができたら、その日からグレープフルーツは取らないでおく方が良い◎
グレープフルーツジュースは更に注意!
果汁がたっぷりのグレープフルーツジュースにも、相互作用を起こす十分な量のフラノクマリン類が含まれています。そのため「グレープフルーツジュースの飲用は避けてください。」と薬剤師さんがいうこともしばしばだそう。
少量のフラノクマリン類でも相互作用が出る方もいるようですので、ジュースとなると危険性がより高まります。
副作用が出た時の対処法
アムロジピンの副作用として、めまいやふらつきなどの他、全身倦怠感や頭痛、ほてり、動機などがあります。このような症状が出た場合、安静にし速やかに病院で診察を受けましょう。また車の運転や高所での作業などは大変危険ですので直ちにやめましょう。
スポンサードリンク
グレープフルーツとの相互作用に注意したい薬
アムロジピン以外でも相互作用を起こしてしまうお薬があります。以下チェックしておきましょう。
コレステロールを下げるスタチン系薬
コレステロール値を下げる薬の中でもスタチン系のリポバスや、リピトールにグレープフルーツとの相互作用がある結果が出ています。相互作用があった場合、血中濃度が10倍以上になることも。
咳や初熱、貧血、頭痛、倦怠感、嘔吐・下痢など
降圧薬
降圧薬の1種であるカルシウム拮抗薬に相互作用が強く出るものがあります。アゼルニジピンやシルニジピン、ベニジピン塩酸塩など他にも数種類。副作用の症状例は、頭痛、めまい、動悸などが挙げられます。
免疫抑制剤
がん細胞などの増加を抑える働きのあるエベロリムス、臓器移植時やアトピー性皮膚炎の治療のため用いられることのあるシクロポリスンなどに相互作用が見られます。エベロリムスには発疹、食欲減退、高コレステロール症などの副作用、シクロポリスンには肝障害や風邪やインフルエンザなどの感染症の副作用があります。
スポンサードリンク
グレープフルーツ以外の柑橘類も注意が必要?
こういった相互作用の起こる原因は、グレープフルーツに多く含まれるフラノクマリン類という物質でしたね。グレープフルーツはブンタンとオレンジの交雑種となるため、 ベルガモットや文旦にもフラノクマリン類は含まれます 。他にスウィーティ、ビターオレンジ、八朔などが挙げられます。
フラノクマリン類の摂取量が少なくとも相互作用が起こることがありますので、十分に注意する必要があります。
また、 柑橘の中でもレモンやすだち、温州みかん、デコポンなどは、フラノクマリンを含んでいません 。
まとめ
「グレープフルーツと薬の相互作用と危険性」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事をまとめると
- 高血圧症や狭心症の薬「アムロジピン」は強い降圧作用が働き、めまい・動悸などの副作用が出る
- グレープフルーツ以外の柑橘類では、文旦・ベルガモットでも相互作用を起こす
グレープフルーツには薬の血中濃度を高めてしまう成分があることが分かりました。薬の服用中はグレープフルーツを含め柑橘類の摂取に十分気をつける必要がありますね。処方された薬のことについてしっかりと薬剤師さんの注意をよく聞いて正しく服用するようにしましょう。