「甘エビ」は、その名前の通り濃厚な甘さが口いっぱいに広がる事が特徴のエビのことです。その甘くて濃厚な味わいから、「他のエビよりも甘エビの方が好き!」という方もいらっしゃいますよね。今回は、
- 甘エビで食中毒が起きる原因は?
- 腸炎ビブリオによる症状は?
- 腸炎ビブリオによる食中毒を防ぐには
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目次
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甘エビで食中毒が起きる原因は?
甘エビというとどんな食べ方を想像しますか?おそらく多くの方が、「お刺身」や「お寿司」といった食べ方を想像するのではないでしょうか?このような新鮮な食べ方が、甘エビ本来の濃厚な甘さを存分に味わえますよね。甘エビを買って、「エビフライや炒め物に使おう」という方はおそらく少ないのではないのでしょうか。甘エビをお寿司屋や飲食店で食べる時には、当たり前のように生で食すことがほとんどですが、実は甘エビは洗った後にお客さんに提供されていることをご存知でしたか?なぜ提供する前に甘エビを洗う必要のかというと、甘エビには多くの雑菌や汚れが付着していることも多く、食中毒の危険性もあるからです。特に市場等で雑な入れ物に入っている場合は、雑菌を繁殖しやすい環境になってしまっているため、それな食中毒を引き起こす原因にもなります。もちろん全ての市場がそのような環境になっているというわけではありませんが、自宅等で甘エビを生で食べる際も、念のために洗って食べる事が食中毒の予防に繋がります。
腸炎ビブリオ菌
腸炎ビブリオという名前の細菌は海水に近い3%食塩水の環境で増殖がもっとも盛んになります。そしてこの最近は夏に増加するため、ほとんどの感染は夏に起こると言われています。海水に含まれていることから、生や未調理の海産物(特にカキやカニ・エビ)を食べることによって感染します。潜伏期間は8時間から24時間と言われており、人から人に移ることはありません。皮膚の傷から感染が起こることはあります。
塩分で発育
腸内ビブリオは、海水に棲息しており、3〜5%の塩分を好みます。そして海水温が20℃を超えると活発に活動して増殖し、魚介類に付着します。このような性質のため、沿岸などの海水温度が高いところで獲れた魚介類には、腸炎ビブリオが多く付着している可能性が高いです。腸内ビブリオは、他の細菌に比べて増殖のスピードが極めて速く、なんと、約10分で2倍に増えます。そのため発育に最適な環境においては魚介類から器具、器具から食品へと、どんどん増殖して広がっていってしまうのです。そのため漁獲後の流通過程や調理中の不適切な取扱いが食中毒につながります。まな板や調理器具を介した二次汚染による食中毒にも注意しましょう。また、腸内ビブリオは、水道水などの真水の中や4℃以下の環境では増殖できないという特徴や、熱にには弱いという特徴も持っていますので、その性質をうまく利用して食中毒の防止に努めましょう。腸内ビブリオによる食中毒の発生時期は、5~6月から次第に増え、7月から9月の夏場にピークを迎えます。しかし近年では、東南アジアなどからの輸入魚介類も多くあるため、冬だからといって油断は禁物です。
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腸炎ビブリオの症状はどんなもの?
それでは一体、腸炎ビブリオはどんな症状を引き起こしてしまうのでしょうか?以下に記載させていただきます。
主な症状
腸炎ビブリオによる食中毒は、潜伏期間が短ければ2〜3時間の場合もあり、激しい腹痛や水様性の下痢などの症状を引き起こします。その他にも、発熱や吐き気・おう吐などの症状が表れることもあります。腹痛や下痢などの主な症状は1日程度で回復しますが、高齢者や基礎疾患のある方は敗血症による低血圧や心電図異常など、重篤化してしまう場合もあり、最悪の場合は死に至る可能性もあります。
潜伏期間
潜伏時間は8時間から24時間(短い場合で2〜3時間)と言われています。
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食中毒への対処法は?
腸炎ビブリオという細菌は自然界に生息しているので、魚介類に付着してしまうことを防ぐのは難しいですが、先ほども申し上げた通り、腸内ビブリオの特徴をうまく利用すれば食中毒を防ぐことができます。以下にその方法を詳しくご紹介させていただきます。
食品や手をよく洗う
腸内ビブリオは水道水などの真水にの中では増殖できないため、甘エビを調理する前に流水で良く洗って菌を洗い流しましょう。また、甘エビ調理の際に使用した調理器具類も良く洗浄・消毒して二次汚染を防ぎましょう。甘エビを調理したままのまな板で、他の食材を切るということは絶対にしてはいけません。
冷凍で保存
4℃以下の環境では増殖できないという特徴もありますので、すぐに食べない場合は買ってすぐに冷凍しましょう。
加熱する
熱に弱いという特徴もありますので、しっかりと加熱調理してしまうというのも腸内ビブリオによる食中毒を防ぐ一つの方法になります。
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まとめ
この記事をまとめると
- 甘エビには、腸炎ビブリオという細菌が付着している可能性があるため食中毒を引き起こす可能性がある。
- 腸炎ビブリオによる食中毒は、潜伏期間が短ければ2〜3時間の場合もあり、激しい腹痛や水様性の下痢などの症状を引き起こす。その他にも、発熱や吐き気・おう吐などの症状が表れることもある。
- 腸炎ビブリオによる食中毒を防ぐためには、甘エビを調理前によく洗う・甘エビを調理する際に使用した器具をよく洗浄・消毒する・すぐに食べない甘エビは買ってすぐに冷凍する・加熱調理すると良い。