おせちにレンコンはかかせない食材ですよね。レンコンは縁起がいい意味を持つからとされています。
レンコンの持つ穴には、一年を通して先が見通せるという意味や、穴が7つや8つあることで末広がりを示し幸せが続くという意味があるそうです。
そしてなんといってもれんこんは蓮の花の根茎です。極楽浄土をイメージや、蓮の花はたくさんの種ができることから子孫繁栄という意味もあるそうです。本当に縁起の良い食材なのですね。
今回は
- レンコンで食中毒になる?
- からし蓮根で食中毒事件も
- レンコンで食中毒にならない為の対処法
これらのテーマでご紹介いたします。
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目次
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レンコンで食中毒になる?
美味しいレンコンですが、食中毒にはなるのでしょうか?みていきましょう。
ボツリヌス食中毒
まずは、ボツリヌス菌とはどういうものでしょうか?ボツリヌス菌とは以下の通りです。
ボツリヌス菌- 真空パックなどの酸素のない状況で毒素を出す(空気があれば毒素は出ない)
- 土壌中や海底、湖底などに広く毒素を産生しない形で分布している
- 毒素自体は100℃で1~2分の加熱で失活する
- 毒性はとても強く、毒素は25gで人類を全滅させられる致死量に相当する
- 毒素はしわ取り(ボトックス)等に使われている
ボツリヌス食中毒とは
ボツリヌス食中毒とは、ボツリヌス菌からの毒素によって引き起こされる食中毒です。ボツリヌス毒素は神経麻痺を引き起こすので、ボツリヌス食中毒を発症すると脳神経を含めた麻痺症状が現れます。
呼吸を司る筋肉が影響を受けることもあり、呼吸障害から最悪、死に至るケースもあります。
食中毒になる原因は?
ボツリヌス菌は酸素が少ない環境中を好みます。
真空パック詰の食品や缶詰や発酵食品などにボツリヌス菌や芽胞が含まれていると、食材が増殖した菌により産生された毒素で汚染されて、それを摂取した場合に食中毒を起こすことになります。
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からし蓮根で食中毒事件も
からし蓮根とは、茹でた蓮根の穴にに辛子味噌を詰めて衣をつけて揚げた熊本県の郷土料理です。からし蓮根で過去に食中毒事件があったことをご存知でしょうか?
事件内容
辛子蓮根の食中毒事件は1984年6月に熊本県にある「三香株式会社」が製造していた真空パックのからし蓮根が原因で、からし蓮根のボツリヌス食中毒事件は起こりました。
真空パックのからし蓮根による被害は、九州地区をはじめ,京都,島根,岐阜,東京,愛知,千葉,広島,徳島,愛媛の各県で広範囲に36名の中毒者を出し、その内11名が死亡するという大事件に発展しました。
このボツリヌス食中毒事件では、ボツリヌス菌の毒素が検出される原因がいくつもあると指摘されていますが以下の3つが主な原因ではいかと言われています。
- 辛子蓮根に使用されている「からし粉」に、何らかの原因でボツリヌス菌が混入してしまったこと。
- ボツリヌス菌が混入した原料でからし蓮根が製造されて真空パックされた後、相当期間冷蔵保存されたことによりボツリヌス菌から毒素が産生されてしまったこと。
- 常温保存状態で流通していたこと
三香が製造した「からし蓮根」は、真空パックで売られていました。真空パックであれば長期間の保存が可能と考えてしまったことが、この真空が嫌気性菌であるポツリヌスにとって増殖しやすい環境をつくっていたのです。
ポツリヌス菌は、真空パックの中で増殖して毒素を生み出し、この毒素が口から入り、体内に吸収されて中毒を引き起こしたのです。
この悲劇は常温での保存が可能という真空パックの利点が落とし穴となったものでした。三香も真空パックを過信し、「からし蓮根」の賞味保証期間を25日としていたのです。
食中毒で亡くなった方も…
真空パックの辛子蓮根の食中毒事件では、36名の中毒者を出し、その内11名が死亡しました。ボツリヌスの毒素は、手足が自由に動かせなくなり、呼吸筋が麻痺し呼吸ができずに死に至ります。
毒素が神経毒であるため、患者は平熱で、意識も死の直前までしっかりしていることです。ボツリヌス食中毒は、食べてから半日から1日の潜伏期間をおいて発症し、まぶたが重くなりものが見えにくくなります。
ものがぼやけ二重に見えるなどの神経症状が初期症状で、その他、頭痛やめまいが出現します。次に唾液が出にくいなどの自律神経症状が出て、四肢の麻痺が出てきます。
最終的には呼吸筋麻痺で死亡するケースが多いが、最初の10日を乗り切れば助かるとされています。しかし今回のからし蓮根事件では、6カ月間呼吸困難が続いた患者がいました。
ボツリヌスの毒素は恐ろしいですね。
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レンコンで食中毒にならない為の対処法
十分に洗う
レンコンは調理するときは十分に洗いましょう。十分に洗ってもまだ黒っぽいなと思うかもしれませんが、皮を剥かずに食べても問題ないのです。
れんこんの穴が黒ずむ理由は、「褐変反応」でれんこんに含まれるタンニンが酸化する事で変色してるのです。リンゴを剥いたあと色が変化するのと同じイメージです。気になるのであればピーラーで剥くのもいいでしょう。
低温管理
レンコンは低温管理が大事です。濡らした新聞紙をレンコンに巻いて、その上にラップを巻き、冷蔵庫で保存しましょう。またはタッパーに真水を入れてその中にレンコンを入れて冷蔵庫で保存しましょう。
しかしアクが出るので毎日水を必ず取り換えてください。一節まるごとのレンコンの場合、だいたい1週間ぐらい保存可能です。
食べる前は十分に加熱をする
レンコンは生でも食べられます。過去のからしレンコンの食中毒事件の影響からか生で食べられないと思っている方もいるようですが、生でも食べられます。
もちろん加熱しても食べられます。
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まとめ
この記事をまとめると
- レンコンは傷みやすく、ボツリヌス菌という土壌など自然界に多く含まれている菌が原因の食中毒を引き起こす可能性がある
- からし蓮根で過去に食中毒事件もあり、11名亡くなった
- レンコンで食中毒にならない為には、十分に洗い、低温で管理し、早く消費する
レンコンは栄養もあってシャキシャキの食感も楽しいですよね。保存の仕方などを守り、安全にいただきましょう。
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