お雑煮の起源や歴史を解説!お正月にお餅を食べる理由はなに?

みなさんはお正月におせち料理は食べますか?そんなおせち料理に欠かせないのが「お雑煮」ですよね。お雑煮文化は、沖縄県を除く46都道府県で食べる文化がありますよ。

日本人のお正月と言えばお雑煮を食べる、ということは日本人の国民的文化となっています。そんなお雑煮ですが、みなさんはお雑煮の由来をご存じでしょうか?

いつ頃から食べられているのか、使われているそれぞれの食材の意味など、分からないという方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、

  • お雑煮の起源は?
  • お雑煮の具材の意味は?
  • 地域によって違うお雑煮の具

これらについて紹介していこうと思います。召し上がる際に意識して食べれば、ありがたみを感じながら食べられますね。

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お雑煮の起源は?

幼い時から無意識にお正月はお雑煮を食べる、という慣例はありましたが、その意味などはなかなか教わりませんよね。

いつからお雑煮を食べているのか、なぜ食べるのかなど詳しく見ていきましょう。

起源

お正月にお雑煮を食べるという文化はとても古い歴史があり、始まりは平安時代だと言われていますが諸説は様々で、正確な由来については定かではないとのことでした。

一説によれば、お雑煮は元来武家社会に食べられた料理で、餅や野菜、乾燥した食品などを一緒に煮込んで戦の際に食べる野戦料理」であるという説があります。

この説によれば、お正月にお雑煮を食べるという習慣は古来より「歯固」の儀式と結びつき、それと関連して発生した文化ではないかと言われています。

なぜ正月に食べる?

お雑煮とは「色々な具材を混ぜて煮たもの」、という語源があるようです。この時に入れる具材は、1年の実りと幸せをもたらすと言われている年神様のお供え物となっていたものを使う慣習があったようです。

お盆の時期、野菜などをお供えすることは聞いたことがありましたが、神様にお供えをする歴史は古来からあったのですね。

お供えをした餅や農作物などを新年最初に汲んできた水(若水)と、新年最初に灯した火で煮込んで食べることからも、お雑煮がいかにハレの日の食べ物かがわかりますね。

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お雑煮の具材の意味は?

とても縁起の良いお雑煮ですが、使われるそれぞれの食材にも意味があります。

1つ1つにすべて由来があることからもとても重要な食べ物であったことがうかがえますね。詳しく見ていきましょう。

お餅

お雑煮の味付けや調味料は地域によって違いますが、必ず入っている具材として「お餅」があります。

当時のお餅の原料となる米は庶民にとってとても高級なものでした。ですので庶民のお雑煮には、餅の代わりに里芋が入っていることが多かったようです。

その後江戸時代に入ってからは、庶民の手にもお餅が広く手に入るようになり食べられるようになりました。日本の文化では何かとお供えをするというと、お団子やお餅などを備えることから特別で高級な食べ物であったことがうかがえますね。

青菜・鶏

武家の雑煮には、「餅菜」と呼ばれる小松菜のような青菜と一緒に餅を取り上げて食べる慣習があり、「名(菜)を持ち(餅)上げる」という武家社会ならではの文化があるという諸説もあったようです。

また、青菜と一緒に鶏肉をよく使うことも「名取り(菜鶏)」という言葉から来ています。敵の大将の首をとって名を上げる、という意味が込められているようです。

里芋

里芋は当時の庶民の間ではよく使われていた食材です。里芋の中でも特に「頭芋(かしらいも)」と呼ばれる芋をお雑煮には入れていたようです。

人の頭になって過ごせるように」との願いが込められていたようですよ。

蒲鉾

日本は古来より「初日の出」をとても大切にしている文化があります。富士山の御来光はその典型的な例でもありますよね。

お正月に紅白の色物が多いことも、この初日の出から来ているようで、紅白のかまぼこもこの事からおせち料理には欠かせない食材となっています。

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地域によって違うお雑煮の具

そんな由緒あるお雑煮ですが、日本全国を見てみるととても色々なお雑煮があります。地域によって魚介類が少なかったり、多くとれる野菜などの違いがあることから色々な種類のお雑煮が生まれたようですよ。

いくら

鮭が豊富に獲れる北海道や新潟県のお雑煮に登場するのがイクラです。鮭の卵であるイクラは、たくさん卵を産むことから「子孫繁栄」の意味が込められているようですよ。

色もお正月のおめでたい色である赤色であることから、お雑煮は欠かせない食材とされているそうです。

ブリ

ブリは成長と共に名前を変え、出世魚と呼ばれ縁起のいい魚としてとても有名なお魚です。縁起がいいことから、おめでたい席に振る舞われることが多いく、お正月に使われることも納得がいきますね。

骨からだしを取ってブリの旨みを余さず使い、お雑煮にするご家庭もあるそうです。魚介が多くとれる富山県や、九州の博多地区などの「ぶり雑煮」が有名です。

また内陸部でも長野県などで「塩ぶり雑煮」というお雑煮も有名です。長野県は山に囲まれていることから当時魚介類はとても高級なものでした。隣県の富山湾で獲れるブリを塩漬けされたものを、ハレの日に食べる文化があったようです。

金時人参

金時にんじんは、普通のにんじんに比べて長く・色が赤いことから縁起物として昔からおせち料理に登場します

金時人参を輪切りで使うことで、円満などの意味を持たせて使う文化がありますよ。

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くじら汁

北海道や東北地方では、当時クジラ肉が良くとれて保存もきくことから、「くじら汁」が良く食べられていました。お正月にはこのくじら汁にお餅を入れて食べるようですよ。

くじら肉には「正月から大きなものをいただいて縁起がよい」と言われたり、「ニシンを岸に集めるクジラを食べて豊漁を祈る」といった意味合いで食べられていたそうですよ。

まとめ

今回は「お雑煮の起源やそれぞれの具材が使われる意味について」紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

この記事をまとめると

  • お雑煮の起源は平安時代という説があるが様々な諸説があり定かではない
  • お雑煮は神様にお供えをした食材を煮込んで食べることから、古来よりお正月には欠かせないおめでたい食べ物である
  • お雑煮に使われる具材はそれぞれ意味があり、地域によって使われる食材は様々

昔から何気なくお正月はお雑煮、というように何気なく食べていましたが、意味を知っていると大事に食べることができますね。

何かと願掛けをするのは、今も昔も変わらぬ国民性なのですね。

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