お刺身や握りずしで食べる機会の多いつぶ貝、コリコリとした食感がクセになる食材ですよね。このつぶ貝ですが、食べ方を間違えると食中毒を発症する恐れのある食材でもあることをご存じですか?
- つぶ貝ってどんな食べ物なの?
- つぶ貝を食べ過ぎるとどうなるの?
- つぶ貝による食中毒って?
今回はこちらについて解説していきます。
スポンサードリンク
目次
|
|
つぶ貝ってどんな食べ物?
つぶ貝とは「巻貝」の中でも食用にされる貝類の総称です。もともと「つぶ」という言葉は「壺」を由来としており、その意味は「丸く膨らんだもの」とされています。つぶ貝が盛んな北海道では特に古くから親しまれています。
スポンサードリンク
つぶ貝でアレルギーに!
つぶ貝に代表される甲殻類を食べることで「甲殻類アレルギー」を発症することがあります。
スポンサードリンク
アレルギー症状
甲殻類アレルギーの主な症状は、蕁麻疹や呼吸困難の他に喉のかゆみなどが代表的です。
そのため、つぶ貝を食べる際には自分自身がどのようなアレルギー症状を持っているを事前に確認することが大切です。
つぶ貝を食べ過ぎるとどうなる?
嘔吐
つぶ貝を中心とする貝類は、食べた際のコリコリとした食感が魅力の一つです。しかし、その分胃の中で消化されるまで時間が掛かるのが特徴でもあります。つぶ貝の食べ過ぎによって消化が追いつかず胃に過度な負担が掛かってしまうと、吐き気を催してしまうことがあります。
下痢
消化の悪いつぶ貝を食べ過ぎることで、「運動亢進性下痢」が起きることがあります。これはつぶ貝の食べ過ぎによって自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが過剰な速度となることによるもの。腸の動きが早くなることは、同時に便の通過スピードも上げてしまうため結果として下痢が起こることになります。
胃痛・腹痛
胃の消化スピードを超えてつぶ貝を食べてしまうと、胃の中に未消化のつぶ貝が多くなります。そうなると膨満感や胃もたれなどが起きやすくなり、胃痛や腹痛を引き起こすリスクも高まります。
つぶ貝の毒で失明するって本当?
結論から言うと、つぶ貝の毒によって失明することはありません。つぶ貝に含まれる神経毒による症状は一時的なものです。
木村拓哉さん主演の映画「武士の一分」において、毒見役の主人公がつぶ貝の毒によって失明するという演出があったことが、「つぶ貝の毒で失明する」という勘違いを生みました。
スポンサードリンク
つぶ貝による食中毒の種類
①ノロウイルス
ノロウィルスは主に2枚貝から発症することが多い食中毒です。貝類を食べることによるノロウィルス発症が多い原因は、人間の糞便に含まれたノロウィルスがトイレを通じて下水から海に流れ出すためです。貝類はプランクトンと共に海水の中のノロウィルスを体内に貯め込んでしまいしまうため、人間が貝類を食べることで貝類に蓄積されたノロウィルスが入り、食中毒を発症することが多くなります。
②テトラミン食中毒
つぶ貝を食べることで発症する有名な食中毒に「テトラミン」によるものがあります。こちらについては以下で詳しく解説します。
スポンサードリンク
つぶ貝のテトラミン食中毒とは?
食中毒症状
テトラミンによる食中毒の主な症状は、以下の通りです。
- モノが二重に見えるなどの視覚異常
- めまいや頭痛、船酔い感
症状が出るまでの時間
つぶ貝を食べてからテトラミン食中毒を発症するまでの時間はおおよそ30分程度と言われていますが、発症時間は長くはなく数時間で回復することが多いです。
原因は唾液腺のテトラミン
「テトラミン」とは、つぶ貝の頭部にある「唾液腺」に含まれる成分です。テトラミンは熱に強いという特徴を持っているため、つぶ貝を加熱しても死滅させることは出来ません。
対処法・解毒方法
テトラミン食中毒を防ぐ方法はズバリ、加熱前に唾液腺を取り除くことです。除去方法は以下を参考にしてください。
- 殻を取り外して中身を取り出し、内臓と身の部分に取り分ける。
- 貝蓋のある面を下にして置き、中心に切り目を入れる。
- 切り目から左右に開く。
- 指で押し出して、唾液腺を取り出す。
参考:札幌市HP「テトラミン(ツブ貝)による食中毒
唾液腺を取らないで食べたら危険?
唾液腺を取り除かずに食べることはテトラミンによる食中毒を引き起こすリスクが高いため危険です。今までにテトラミンによる死亡例はありませんが、ツブ貝を食べる際は必ず唾液腺を取り除くことを心掛けましょう。
スポンサードリンク
まとめ
この記事をまとめると
- つぶ貝は食用となる巻貝類の総称のことで、食べることで甲殻類アレルギーを発症する恐れがある
- つぶ貝の頭部にある「唾液腺」にはテトラミンと呼ばれる成分があり、摂取することで視覚異常や船酔い感を引き起こすリスクがある
- テトラミンは加熱により死滅させることが出来ないため、つぶ貝を食べるときは必ず唾液腺を取り除くことが大切である
いかがだったでしょうか。
食中毒対策として「よく火を通す」ことは基本の対策になります。しかし、食品に含まれる成分によってはテトラミンのように加熱が意味を持たない場合もあります。食中毒の可能性のある食材を食べる際は必ず含まれる成分と、その対処方法を確認することが大切です。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
スポンサードリンク