妊娠中(妊婦)でもカマスは食べられる魚?水銀は危険?栄養・効果は?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“カマス”は妊婦さんでも食べられる魚です。しかし、水銀には注意する必要があります。カマスが持つ妊婦さんにとって効果的な栄養素には、何があるのでしょうか?今回は、

  • カマスは妊娠中でも食べられる!
  • カマスが含む主な栄養素
  • 水銀は危険?
  • 妊娠中でも安全おいしいレシピ

これらのテーマについて紹介いたします。

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カマスってどんな魚?

英名 Barracuda
別名・和名 魳、梭子魚(サシギョ)
エネルギー(100gあたり) 148kcal
糖質量(100gあたり) 0.1g

カマスは、カマス科カマス属の魚の総称です。その中にいくつか種類があるのですが、市場によく出回っているのは「アカカマス」「ヤマトカマス」という品種です。

尖った口が特徴的で、口の中には鋭い歯があり非常に凶暴と言われています。日本では西日本各地をメインに収穫されていて、旬の時期は秋から冬にかけた寒い時期です。

どんな味?まずい?美味しい?

カマスは淡泊な白身のお魚で、クセがなくとても美味しいとされています。身は水分を多く含んでいるため非常に柔らかいのも特徴的です。カマスは干物にすると程よく水分が抜けて、旨味が濃くなるのでとても人気のある食べ方です。

匂いは臭い?

カマスの身は脂が乗ってジューシーでとても美味しいのですが、皮の部分がかなり「魚臭い」のです。この魚臭さ(生臭い、磯臭い)が苦手な人が多いようです。しかも水揚げされて時間が経つにつれてどんどん魚臭さは増してくるらしく・・・。なんとなく高級魚と言われる所以がわかったような気がしますね。

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カマスは妊娠中でも食べられる!

カマスは、妊娠中でも食べられる魚です。良質なタンパク質を持ち、ビタミンDビタミンB1やB2が多く含まれています。これらの栄養素は、妊娠中にどんな効果をもたらすのでしょうか?

妊娠中期以降はタンパク質量を増やして

タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。

たんぱく質の摂取目安量
  • 妊娠前の成人女性…50g/1日
  • 妊娠初期…50g/1日
  • 妊娠中期…60g/1日
  • 妊娠後期…75g/1日

妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。

骨を丈夫にするビタミンD

カマスに含まれるビタミンDには、カルシウムが吸収されるのをサポートし骨を丈夫にする働きがあります。ビタミンDは不足しがちなもので、太陽の光に当たり紫外線を受けることでも生成される栄養素です。

ビタミンDが不足すると「ビタミンD欠乏症」となり、カルシウムが吸収されにくくなったり、骨粗しょう症や骨軟化の原因となります。また、赤ちゃんの足が曲がってしまう「くる病」という病気になるリスクも上がります。

ビタミンDは妊娠中はもちろんのこと、授乳中にも必要不可欠な栄養素です。妊娠期・授乳期共に1日あたり8.5㎍のビタミンDが必要で、きのこにも多く含まれています。

ビタミンB群の各効果とは?

ビタミンB群の中でも、カマスに含まれるB1・B2には妊婦さんにとってこのような効果があります。

ビタミンB群の働き
  • ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
  • ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進

どちらもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。

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カマスに多く含まれる主な4つの栄養素

カマスは低脂質で高タンパクの魚なので、ヘルシーに食べることができます。また、ビタミンB1やB2・ビタミンDなどのビタミン類を含んでいるのも特徴です。

  • たんぱく質:たんぱく質は20種類のアミノ酸が複数個結合することで作られています。結合するアミノ酸が種類や配列によって様々な臓器や組織の材料になります。特に筋肉の材料として使用されるため、多くの摂取が望ましいです。食品では魚や肉、大豆に多く含まれており、様々な種類を多く摂ることが大切です。
  • ビタミンB1:ビタミンB1は、人間の代謝に関わるビタミンで、炭水化物を糖に分解し、エネルギーを作り出す経路の最初を担います。食べた糖質全般を燃焼させる工程に関わるため、不足すると疲れやすくなります。また脳の神経伝達物質にも関わり、集中力を増やすや手足の痺れにくくすると言った働きがあります。
  • ビタミンB2:ビタミンB2は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝で、酵素に近い補酵素としての働きます。ビタミンB2は単独では酵素としての働きは持たないものの、体内で特定の分子がつくことで代謝の働きを担います。三大エネルギーの分解の他、体内の活性酸素の除去作用も持っています。
  • ビタミンD:ビタミンDは、カルシウムの働きをサポートし主に骨形成を助けます。加えて、筋肉や神経伝達において不可欠なカルシウム濃度の調整も担っています。細菌の研究では、ウイルスや細菌に対する免疫効果の向上する。抗うつ作用も注目されています。

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カマスの水銀量は危険?

魚な種類によって水銀が含まれているものがあります。カマスもその仲一つで、水銀が含まれているので食べ過ぎは禁物です。

水銀は、自然界の食物連鎖により魚の体内に溜まっています。妊娠中に水銀を摂取した場合、胎盤を通じて胎児に届きやすく、摂り過ぎると『中枢神経障害』を起こします。中枢神経障害の主な影響には、感覚障害・運動失調・視野狭窄・聴力障害などがあります。

妊娠中、絶対に水銀を含む魚を食べてはいけないわけではありません。食べ過ぎなければ大きな影響が出ることはないので、摂取量に注意しましょう。

アニサキスの危険性は?

カマスは他の魚介類に比べてアニサキスの報告は少ないです。そもそも近年までは「塩焼き」としてしか食べることができなかった魚なので、アニサキスの報告の多い「刺身」で食べられることが少なかったためだと考えられます。

妊娠中でも安全おいしいカマスのおススメレシピ

妊娠中にカマスを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?なかなか調理する機会の少ない魚ではありますが、妊婦さんでも安心して食べられるオススメのレシピをご紹介します。

焼きカマス

シンプルな焼き魚にするのも良いですが、その際は大根おろしやレモンを添えるとさっぱりといただくことができますよ。ふっくらしっとり仕上がります◎ 妊娠中は免疫が低下し食中毒にかかりやすくなるので、中までしっかり加熱しましょう。

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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • カマスは妊娠中でも食べられる魚!食べ過ぎには注意!
  • カマスに含まれるタンパク質:妊娠中にはより多く必要なエネルギー源!
  • カマスに含まれるビタミンB類:糖質やタンパク質の代謝に関わる!
  • カマスに含まれるビタミンD:カルシウムの吸収を助ける!

カマスはタンパク質量が多く、エネルギー源としてオススメの魚です。なかなか食べる機会の少ない魚ではありますが、妊娠中でも食べられるので安心してくださいね。

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