梅干し、干し芋など日本では昔から保存のために食品を干して加工することを長く行ってきました。その中でも誰もが一度は食べたことがあるのは「干し柿」ではないでしょうか。渋みの抜けた甘い干し柿はお茶請けにも最高です。
しかし、湿気が多い時期などはせっかく作った干し柿にカビが生えてしまうこともあります。今回は干し柿にカビが生えてしまった場合の対処方法や、カビを食べてしまった場合の注意点について解説します。
スポンサードリンク
目次
|
|
干し柿にカビが生えた時の対策
せっかく時間をかけて作った干し柿にカビが生えていたら、気分も落ち込みますよね。何とかしてカビを取り除いて食べることが出来ないかと誰もが考えると思います。しかし、カビの生えた部分だけを取り除いたのではどうしても心配な場合は、以下の方法を参考にしてください。
まずは、干し柿の表面に生えたカビの部分を少し多めにナイフなどを使用してそぎ落としましょう。
何故なら、 カビは目に見える部分だけでなく周囲にも根を張っている場合が多いからです。 食べる面積は少なくなってしまいますが、安心感が全く変わります。干し柿を子供やお年寄りに食べさせるのであれば、なおさら注意が必要です。これは、子供やお年寄りは普通の人と比べて免疫力が低く、少量のカビでも腹痛などを起こしてしまう可能性があるためです。
熱湯
カビを取り除いたら、干し柿を熱湯に入れて1分ほど煮沸消毒します。その後、水気を切り再度天日干しを行い再びカビが発生しなければ安心です。
焼酎
そぎ落とした干し柿の断面周辺を焼酎を垂らした布巾などでしっかりとこすり、カビを除去します。布巾などの代わりに「新品」の歯ブラシなどを代用することも出来ます。アルコールを使用して干し柿の表面を殺菌する場合は、 アルコール度数の高いお酒を選ぶようにしましょう。 少なくとも焼酎と同等以上の度数は欲しいところです。
なお、一般的なお酒のアルコール度数一覧は以下の通り
お酒の種類 | アルコール濃度 |
ビール | 4度から8度 |
日本酒 | 15度前後 |
焼酎 | 20度前後 |
ホワイトリカー | 30度前後 |
ウォッカ | 40度前後 |
ウイスキー | 60度前後 |
ホワイトリカーやウィスキー等のアルコールは?
焼酎の中でも特にアルコール度数の高い「ホワイトリカー」や「ウイスキー」があればより安心してカビを殺菌させることが出来ます。しかし、その分使用するお酒も高額なものになりがちなのでそこは注意が必要です。潔くカビの生えた干し柿を廃棄してしまった方がコスト的に安く済む場合も考えられます。
スポンサードリンク
干し柿のカビの見分け方
カビの色
干し柿に生えるカビは以下の3種類に分けることが出来ます
- 白カビ
- 青カビ
- 黒カビ
青カビと黒カビは見分け易い部類に入りますが、白カビについては「ある理由」から見分けることが困難になっています。ある理由とは、干し柿の糖分と判別が難しいことです。干し柿は乾燥させている過程で柿内部の糖分が白く結晶化して表面に浮き出てくることがあります。これを「 柿霜(しそう) 」と言います。柿霜が起きた干し柿は甘みも十分で美味しいものですが、一見すると白カビが生えたようにも見えるのです。
柿霜との見分け方
柿霜と白カビの見分け方は、白くなった部分をよく観察しましょう。フワフワと綿毛のようになっていれば白カビ、白く粉を吹いたような状態であれば柿霜です。
干し柿が黒い場合は?
干し柿を作る過程で柿全体が黒く変色してしまうことがあります。これは、柿に含まれる渋み成分寺宇「タンニン」が表面化したものでカビではありません。対処方法は、 柿を干す前にしっかりとも見込むことです。こうすることで柿の組織全体を破壊することが出来て黒くなることを防止できます。
スポンサードリンク
干し柿のカビを食べてしまったら…
食中毒の症状
万が一干し柿に生えたカビを食べてしまった場合どうすればよいでしょうか。実は相当量のカビを食べない限りは食中毒を起こすことはありません。日本の食品に生えるカビ毒には強力なものは少ないからです。しかし、子供やお年寄りなど免疫力の低下した人は健康な大人と比較しても体調を崩しやすくなりますので、以下の症状が出た場合は食中毒の発生を疑いましょう。
- 激しい嘔吐
- 激しい下痢
- 2,3日以上続く腹痛
- 発熱
対処法
食中毒が起きた場合、家庭で行える対策は多くありません。 速やかに医療機関を受診して医師の指示を仰いでください。また、食中毒の疑いがある場合は市販の下痢止めなどを服用することは避けましょう。これは、ウイルスを外に出そうとする体の働きを阻害してしまう恐れがあるためです。
スポンサードリンク
まとめ
この記事をまとめると
- 干し柿にカビが発生したらまずはカビの周囲を取り除く
- カビを取り除いた干し柿は熱湯消毒やアルコールによる拭き上げで対処が可能
- 干し柿の表面に発生する白い部分は「柿霜」と呼ばれる現象であることが多い
- 万が一カビを食べたことで食中毒が発生した場合は、速やかに医療機関を受診する
いかがだったでしょうか。
時間を掛けて作った干し柿は、出来れば捨てることなく食べたいですよね。しかし、それで食中毒を起こしてしまっては本末転倒。ほんの少しのもったいないで「安全・安心」が得られるということをしっかりと理解しておきましょう。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
スポンサードリンク