和食を作る際に必ず必要と言っても過言ではない「だし」ですが、だしを取るための食材を用意して茹でて、中から食材を取り出して・・・などだしを取るというのは非常に手間がかかりますよね。そんな悩みを一気に解決してくれる「だしパック」は主婦の心強い味方です。
そんなだしパックですが、あるニュースで「ヒスタミン中毒を引き起こす可能性がある」と報道されました。あまりだしパックを使ってヒスタミン中毒を起こしたということは聞かないのですが、実際にヒスタミン中毒を引き起こす可能性はあるのでしょうか。
今回の記事ではだしパックがヒスタミン中毒をおこす可能性はあるのか、様々な検証結果について解説していきたいと思います。
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目次
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だしパックによるヒスタミン中毒事件
東京の墨田区内の保育園で、給食のきつねうどんを原因とする食中毒が発生したというニュースがありました。こちらのニュースではだしパックの煮過ぎが原因という内容で報道されていたのですが、その点でかなり波紋が広がったのです。
そもそもだしパックを煮過ぎると悪いという情報は今まで全くというほどなかったので、それに対して様々な反応があったのです。
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どれくらいの量だとヒスタミン中毒になるの?
だしパックを使うことにより発生したヒスタミンの量は、大体5mg/100g程度と研究の結果で分かりました。ヒスタミン中毒になる量のヒスタミンの量といわれるのは100mg/100g以上といわれており、 だしパックを使うことによって生じるヒスタミンの量よりも大幅に多いのです。
ですのでだしパックを長時間煮込むことによって生じるヒスタミンの量は、ヒスタミン中毒を起こさせる量には全く到達していなかったということでした。
そもそもヒスタミン中毒とは?
ヒスタミン中毒とは、魚やその他の加工品に含まれる実際にを原因とするアレルギーのような症状が出る食中毒を言います。
ヒスタミン食中毒の症状は、食べた直後から1時間以内に顔面や口の周り、耳たぶなどが紅潮し、頭痛や蕁麻疹、発熱などが生じます。ヒスタミン食中毒では重症になるケースはほとんどありません。ただし発症した場合は速やかに医療機関に相談する必要があります。
どんな食品がヒスタミン食中毒の原因になるの?
ヒスタミン食中毒の原因となる主な食品は、ヒスチジンというアミノ酸を多く含む赤身の魚です。赤身の魚と言うとマグロやブリ、サンマ、サバ、イワシなどですね。
ヒスチジンは細菌の酵素の働きでヒスタミンになるため、ヒスチジンを多く含む食品を常温で放置するなどの不適切な管理を行うとヒスタミンの量が増えてしまいます。さかなや加工品の他にもワインやチーズなどの発酵食品に含まれることも多いです。
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だしパックはヒスタミン食中毒の原因にはならないと考えて良い!
様々な研究結果を調べてみましたが、だしパックには赤身の魚をだしに使っていることも多いのですが、だしパックを長時間煮込むことによってヒスタミンの量が増えるといったケースは「ものすごく稀」だということがわかりました。
ですのでだしパックを煮込みすぎることによって悪影響が生じるという考えは特に注意しなくてもよいということです。もしだしパックから出るヒスタミンが強いのであれば、出汁を薄めて食べるようにすればよりリスクが低くなるでしょう。
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ヒスタミン食中毒の予防法は?
だしパックではヒスタミン食中毒を起こす可能性は限りなく低いということが分かっていただけたと思います。ではだしパック以外の、ヒスタミン食中毒を起こしやすい食品を食べる時の予防法について解説します。
ヒスタミン食中毒の予防法
- ①ヒスタミン食中毒を引き起こしやすい赤身の魚を購入した際は、ヒスタミン産生菌の増殖を抑えるために常温で放置せずに速やかに冷蔵庫で保管するようにしましょう。釣ってきた魚の場合は速やかにクーラーボックスに入れるなどして、できるだけヒスタミン産生菌を増やさないような工夫をするようにすればOKです。
- ②ヒスタミン産生菌は魚のエラや消化管に多く存在するので、できるだけ早く魚のエラや内臓を除去するようにしましょう。
- ③鮮度が低下した、もしくは鮮度が良くなさそうな魚の場合は、食べないようにしましょう。ヒスタミンは加熱しても分解されることはありませんので、ヒスタミン産生菌が増えていそうな魚は避けるしか予防方法はありません。
- ④ヒスタミンの量が多い魚の場合、口の中に入れた時に唇や舌先にピリピリとした刺激を感じることがあります。この場合も食べずに処分するようにしましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?だしパックは煮込みすぎても全く問題ないことがわかりましたね。ただしヒスタミン食中毒は、意外と身近な食品で生じる可能性があります。ですが工夫次第では防ぐことができますので、今回の記事を参考に調理を行うようにしてください。
この記事をまとめると
- だしパックを煮込み過ぎることによってヒスタミン食中毒が生じることはかなり稀
- ヒスタミン食中毒を起こしやすいのは赤身の魚
- 鮮度が落ちた魚はヒスタミンの量が多くなりがち
- 保存方法や工夫でヒスタミンの量をできる限り抑えることは可能!
今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。
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