妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“牛乳”は妊婦さんが飲んでもいいのでしょうか?
妊娠中に牛乳を飲むと、胎児が牛乳アレルギーになったりアトピーになるという噂がありますが、影響は
あるのでしょうか?妊娠中に必要な栄養素と共に解説いたします。
- 牛乳が妊娠中にオススメな理由
- 牛乳が含む主な栄養素とは?
- 胎児がアトピーやアレルギーになる?
- 妊娠中でもおいしいアレンジレシピ
これらのテーマについて紹介いたします。
スポンサードリンク
目次
|
|
牛乳ってどんな飲み物?
エネルギー(100gあたり) | 67kcal |
糖質量(100gあたり) | 4.8g |
牛乳は言わずと知れた牛のお乳のことです。日本では、成分を調整していない生乳が「牛乳」と定義され、脂肪分を調整したものが低脂肪牛乳とされています。牛乳成分を増減したり乳糖を分解したものは加工乳、乳飲料は牛乳由来成分以外を加えた栄養添加やコーヒーミルクなどがあります。
牛乳のもとである生乳は牛乳工場へ運ばれ、微生物や抗生物質の有無などの厳しいチェック受けます。加熱殺菌と包装されて、やっと「牛乳」になれるのです。
スポンサードリンク
牛乳は妊娠中に飲んでも大丈夫?
牛乳は、妊娠中でも飲めるオススメの飲み物です!その理由には、牛乳に含まれる“カルシウム”、“タンパク質”、“ビタミンB群”があります。
妊娠中不足しがちなカルシウム
妊娠中は、カルシウムが不足しやすいと言われています。葉酸のようにサプリで補う必要はありませんが、カルシウムは骨や歯の材料となります。
乳製品や小魚・大豆などに含まれる栄養素で、牛乳にも豊富にカルシウムが含まれています◎コップ一杯の牛乳(200g)で成人が1日に必要なカルシウム量の3分の1をまかなうことができるんです!
ビタミンB群の各効果とは?
ビタミンB群の中でも、牛乳に含まれるB1・B2・B6には、妊婦さんにとってこのような効果があります。
- ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
- ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
- ビタミンB6…鉄分の合成を高めてつわりの吐き気を軽減
どれもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。
妊娠中期以降はタンパク質量を増やして
タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。
- 妊娠前の成人女性…50g/1日
- 妊娠初期…50g/1日
- 妊娠中期…60g/1日
- 妊娠後期…75g/1日
妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。
スポンサードリンク
妊娠中に牛乳を飲むとアレルギーやアトピーになる?
“妊娠中に牛乳を飲むと、赤ちゃんが乳製品アレルギーやアトピーになる”と言われることがありますが、これらに科学的根拠はありません。 牛乳は妊娠中でも安心して飲むことができます◎ お腹の赤ちゃんへの影響を考えて妊娠中に牛乳を飲むのを控える方もいるようですが、妊娠期に乳製品を控えてもアレルギーやアトピーの発症を防ぐことには繋がりません。牛乳には栄養素が豊富に含まれているので、積極的に食事に取り入れたい飲料です。
牛乳に多く含まれる主な5つの栄養素
牛乳は、カルシウム、たんぱく質、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、B2、B6など)が豊富に含まれています。栄養バランスに優れ、「準完全栄養食品」と呼ばれています。
- カルシウム:カルシウムは骨や歯の主成分のリン酸化カルシウムの材料でもあり、人間の体内の筋肉や臓器の収縮に関わるミネラルです。神経伝達の正常化にも大きな働きを持ち、体の酵素の働きをサポートします。血液凝固やホルモンの分泌等、多用な働きを持ちます。
- カゼイン:カゼインは、骨のカルシウムの吸収を助けるカゼインホスホペプチドの元になるたんぱく質です。カルシウム、鉄やナトリウムと結合し吸収を助けるだけではなく、体への吸収が遅いため高いアミノ酸濃度を維持ができるため、筋力トレーニングの後のプロテインの成分としても人気の高い栄養素です。
- たんぱく質:たんぱく質は20種類のアミノ酸が複数個結合することで作られています。結合するアミノ酸が種類や配列によって様々な臓器や組織の材料になります。特に筋肉の材料として使用されるため、多くの摂取が望ましいです。食品では魚や肉、大豆に多く含まれており、様々な種類を多く摂ることが大切です。
- ビタミンA:ビタミンAは、抗酸化作用、皮膚や肌の粘膜を作る、人間の視覚情報の伝達に関わるビタミンです。体内にある活性酸素を協力に除去し、肌の生成にも関わるため美肌作用、体内へのウイルスや細菌の侵入を防ぎます。加えて、視覚情報に関わる神経伝達に不可欠なロドプシンの生成の主成分にもなっています。
- トリプトファン:トリプトファンは、脳内物質メラトニン、セロトニンの材料です。メラトニンは人間の睡眠の質に関わる物質で、セロトニンは脳内を穏やかにする働きがあります。不足すると睡眠の質が低下やいつもイライラすると言った症状が現れます。摂取することで冷静で穏やかな思考を保ちます。
スポンサードリンク
妊娠中でも安全おいしい牛乳のおススメレシピ
牛乳はそのまま飲む以外に、どんなアレンジができるのでしょうか?タンパク質やカルシウムを摂るために牛乳を飲みたいけれど、味が苦手…!など、そのまま飲まずに牛乳を摂れるオススメアレンジをご紹介♩カルシウムが豊富で妊娠中の体に良いので、ぜひお試しください。
牛乳プリン
牛乳を使ったプリンは、優しい味の白色プリンに仕上がります。お子様のおやつとしても、大人の方のスイーツとしてもオススメです。
フレンチトースト
休日の朝ごはんはフレンチトーストを食べたくなりませんか?溶き卵と牛乳・砂糖を混ぜて作る液にパンを浸して焼くだけなので、案外簡単にできます◎牛乳を使ってしっとりとしたフレンチトーストに仕上げましょう。
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
スポンサードリンク
妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
スポンサードリンク
まとめ
この記事をまとめると
- 牛乳は妊娠中でも飲める!
- 牛乳に含まれるカルシウム:骨の形成をサポート!
- 牛乳に含まれるタンパク質:エネルギー作りには欠かせない栄養素!
- 妊娠中に牛乳を飲むことで赤ちゃんがアレルギーやアトピーになることはない!
牛乳にはタンパク質やカルシウムが豊富に含まれているので、栄養不足になりがちなつわり中にもオススメの飲み物です。飲むことで胎児がアレルギーを生じたり、アトピーになるということには繋がらないので、安心してください。
スポンサードリンク