妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、果物の“アセロラ”は妊婦さんでも食べられるのでしょうか?妊娠中に必要な栄養素と共に解説いたします。それでは、
- アセロラは妊娠中に食べても大丈夫?
- アセロラが含む主な栄養素
- 妊娠中でも安全おいしいレシピ
- 市販ジュースには注意して!
これらのテーマについて紹介いたします。
スポンサードリンク
目次
|
|
アセロラってどんな食べ物?
学名 | Malpighia glabra |
分類 | キントラノオ科マルピギーア属 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
別名 | ウエストインディアンチェリー、バルバドスチェリー |
おいしい時期 | 5月〜10月 |
アセロラは、日本では”アセロラドリンク”の登場で有名になりました。ビタミンCが豊富な果物で、さわやかな甘酸っぱさを楽しめます。果実は生で食べることができますが、皮が薄く2〜3日しか持たないので熟したらすぐに食べる必要があります。
スポンサードリンク
アセロラは妊娠中にオススメ食材!
生のアセロラは、妊娠中にオススメの食材です!その理由には、アセロラに豊富に含まれる“ビタミンC”と“葉酸”があります。
ビタミンCは鉄の吸収をサポート
ビタミンCは美肌効果など美容に効果的な栄養素のイメージがありますが、 妊娠中に必要な鉄分の吸収をサポートし、体の免疫力を高める効果 があります。
妊娠中は妊娠前と比べて免疫力が下がり、食中毒や感染症にかかりやすくなるので、免疫力を上げることはとても良いことなのです◎
妊娠中のビタミンC摂取目安量は、1日110mg!
厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンC摂取量は1日100mgです。それが妊娠中となると1日110mg、授乳中になると1日145mgが必要な目安量と言われています。
ビタミンCは妊娠中だけに限らず、産後の体にとっても大切な栄養素となっています。
葉酸は非妊娠時の2倍以上必要
アセロラに含まれる葉酸は、ビタミンB群に分類される栄養素の一つで妊娠前から摂取したい栄養素とも言われています。 妊娠初期の活発な細胞分裂のサポートをしたり、DNAの合成など胎児の発育に大きく関係する ためです。
非妊娠時の2倍以上の葉酸が必要となるため、サプリでの補給もすすめられています。
スポンサードリンク
アセロラに多く含まれる主な5つの栄養素
アセロラは甘酸っぱく、ビタミンCやクエン酸などの栄養素が含まれています。特にビタミンCはレモンの17倍もの量が含まれ、健康効果・美容効果が期待できます。また、βカロテン・ポリフェノール・カリウムといった栄養も豊富に含まれています。
- ビタミンC:ビタミンCは、抗酸化効果が高く活性酸素を除去し、過酸化脂質の生成を押さえや動脈硬化含む血管疾患、免疫力を上げるため風邪の予防効果があります。コラーゲンの生成やメラニン生成を抑えるため美肌効果が高いのも大きな特徴です。また、脳を落ち着かせる働きの脳内物質の生成や、ホルモン合成にも関わっています。
- クエン酸:クエン酸は人間のエネルギー代謝でクエン酸が作られる過程があります。そのため、エネルギーを作り出す材料になり、疲労解消効果があります。血流を改善させ、冷え性の解消効果や体の不調の原因になる体のHpを戻す働きも持っている栄養素です。
- 葉酸:葉酸は、細胞分裂の核酸合成に不可欠であり、胎児の発育や妊婦において重要なビタミンです。胎児の場合は、脊椎の正常な分化を促進し先天性の奇形リスクを減らします。赤血球の分化に特に関わっており、貧血予防に効果があります。アミノ酸代謝にも関わるビタミンです。
- β-カロテン:β-カロテンは、人間の体内でビタミンAに変化し、細菌やウイルスの侵入を防ぐために必要な粘膜を丈夫にする作用があります。肌のシミの原因になる色素発生を抑制する抗酸化作用も持っています。緑黄色野菜では黄色の色素に多く含まれているビタミンです。
- カリウム:カリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分の排出に関わるミネラルで、細胞の中に主に存在しています。ナトリウムとセットで、体内の水分量を調整し、体内にある過剰な水分の排出を促進させます。むくみや冷え性と言った不調の改善効果があります。
妊娠中でも安全おいしいアセロラのおススメレシピ
妊娠中でも安全でおいしいアセロラレシピをご紹介!ツワリ中はさっぱりしたものが食べたくなりますが、アセロラには酸味があり、ドリンクへのアレンジができるのでオススメです。生のアセロラが手に入ったら作りたい、オススメレシピをご紹介いたします。
フレッシュジュース
アセロラはドリンクがきっかけで知った方も多いのではないでしょうか?市販のアセロラドリンクには糖分が追加されていることがありますが、自宅で作る場合は100%アセロラジュースに仕上げることができます◎
アセロラソーダ
アセロラをシロップにして、できたエキスとソーダを割れば、さっぱり爽やかしゅわしゅわソーダの完成です。
アセロラソース
アセロラと砂糖を一緒に煮込めば、パンやヨーグルトにつけると美味しいアセロラソースに!長期保存できるので作り置きしておくことができます◎
スポンサードリンク
市販のアセロラジュースには注意!
ビタミンCを始めとする栄養素が豊富に含まれているアセロラですが、日本で手軽にアセロラを摂ることができるものといえば“アセロラジュース”ですね。
アセロラジュースには甘みと酸味があり、爽やかな味わいが特徴ですが、加工食品なので飲みすぎには注意しましょう。アセロラジュースの注意ポイントは2つあります。
糖分に注意
アセロラジュースは生のアセロラとは違い、加工されているので糖分が含まれています。アセロラジュースの原材料名欄を見てみると、アセロラの次に「果糖ブドウ糖液糖」や「オリゴ糖」と記載されています。
日本で販売されているアセロラジュースのほとんどは、アセロラ100%ではなく糖分がたくさん追加されたものです。更に、ジュースを甘くするために「甘味料」が使われているものも多いです。
糖分の摂りすぎは妊娠糖尿病を引き起こす危険性も!
香料に注意
アセロラジュースには「香料」も含まれています。より美味しいジュースにするために、アセロラの爽やかな香りを後付けしているのです。ジュースやお菓子類に使われる香料は体に害のある成分であることも多い食品添加物です。
原材料名を見てみると香料とだけ記載されており、どんな成分で作られたものなのかはわかりません。添加物はすぐに体に影響が出るものではありませんが、 体内に蓄積されていくので、安全な無添加ではない ことを覚えておきましょう。
スポンサードリンク
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
スポンサードリンク
妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
スポンサードリンク
まとめ
この記事をまとめると
- アセロラは妊娠中にオススメの果物!
- アセロラに含まれるビタミンC:妊娠中に必要な鉄分の吸収をサポートする
- アセロラに含まれる葉酸:胎児の形成に必須の栄養素!
- 市販のアセロラジュースには糖分・添加物が多く含まれているので飲みすぎ注意!
生アセロラが手に入る機会は少ないですが、ビタミンCが豊富に含まれているので妊娠中も安心して食べたい果物です。爽やかな味でさっぱりしているので、ツワリ中の食事にもオススメですよ。
スポンサードリンク