きのこには様々な品種がありますが、「ハタケシメジ」というキノコがあります。これに類似した「クサウラベニタケ」というキノコが厄介で、毒を持ち食中毒を起こす危険性があります。見分けるのが難しいとされる2つのキノコには、どのような特徴があるのでしょうか?今回は、
- ハタケシメジってどんなきのこ?栄養や効能は?
- ハタケシメジに類似した毒キノコとは?食べるとどうなる?
- きのこに毒がある理由
- クサウラベニタケとハタケシメジの見分け方
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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ハタケシメジってどんなきのこ?
はたけしめじは、シメジ科シメジ属に分類される食用きのこです。「味しめじ」や「香りまつたけ」と呼ばれることもあります。
畑や庭などの土地に生えやすいことから、「はたけしめじ」という名前が付けられました。歯切れがよく低カロリーで、味も良いので汁物・鍋物・炒め物などあらゆる料理に活用することができます。
栄養
はたけしめじには、便秘解消や整腸効果のある食物繊維が豊富に含まれています。その中にβグルカンという成分があり、病気に対する免疫力アップ効果によって がん予防に効果的 とされています。
- β-グルカン(水溶性&不溶性):β-グルカンは、きのこ類に含まれている多糖類の一種で構造にグルコースを持っています。最近の研究で、人間が持っている免疫の機能を活性化させ風邪予防や体内でがん細胞駆除に関わる免疫系の働きを良くする栄養素です。コレステロールの上昇も抑えるとされています。
- 食物繊維:食物繊維は、植物の細胞壁を構成する、人間の消化酵素では消化できない成分とされています。食物繊維は、植物しか作り出すことしか出来ず、水に溶けるか溶けないかで種類が分かれます。人間の腸内環境を整える免疫力改善等の働きがあります。
- カリウム:カリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分の排出に関わるミネラルで、細胞の中に主に存在しています。ナトリウムとセットで、体内の水分量を調整し、体内にある過剰な水分の排出を促進させます。むくみや冷え性と言った不調の改善効果があります。
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効能
はたけしめじに含まれる食物繊維は、便秘解消だけではなくがん予防にも効果があります。
- 便秘解消・予防
- がん予防
- 風邪予防
- 免疫力アップ
ハタケシメジに類似した毒キノコには何がある?
引用:中央博デジタルミュージアム
はたけしめじに類似したキノコに「クサウラベニタケ」というものがあります。見分けるのが難しく、2つのキノコはよく似ていると言われるのですが、このキノコには毒があるので絶対に食べてはいけないのです!
クサウラベニタケ
クサウラベニタケはイッポンシメジ科のきのこで、夏から秋に姿を現します。カサの直径は3〜8cmほどで、大きくなるとカサが開いてくるのが特徴です。
クサウラベニタケには毒があり、キノコの中でも最も食中毒を起こした件数が多いものとして、注意するよう呼びかけられています。
類似したキノコには、ハタケシメジの他にもウラベニホテイシメジ・ホンシメジなどがあり、間違えて食べてしまうケースが多いキノコです。
クサウラベニタケを食べるとどうなる?
クサウラベニタケが持つ毒が体内に入ると、消化器系の中毒を引き起こします。胃腸を刺激し、症状としては腹痛・吐き気・嘔吐・下痢などがあります。
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キノコに毒がある理由
きのこには、一般的によく食べられている椎茸やしめじ・えのきなど毒性がないものもありますが、「キノコ=毒がある」というイメージは強いですよね。そもそも、どうしてキノコには毒があるものが多いのでしょうか?
防衛のため
自然界の植物は、動物など他の生き物に食べられてしまわないように「防衛する力」があります。キノコが毒を持っているのは、食べられないよう自分を守るためと言われているのです。
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きのこの毒の場合は「ゆっくり効き目が表れる」というのが特徴的です。ですので食べてもすぐに毒と判断することができず、たくさん食べてしまうので症状が重くなる傾向にあります。
一般的には胃腸系に影響を及ぼす毒が「食後約1時間」、命に関わる毒でも体が反応するまでには「約6時間」もの時間を要するといわれています。このようにきのこの毒は効果が出るまで非常に時間がかかるため、捕食者は毒キノコを少し食べたぐらいで回避することができません。
ハタケシメジの見分け方
ハタケシメジは美味しく食べられるキノコですが、間違って類似キノコ「クサウラベニタケ」を食べてしまったら食中毒になってしまいます。キノコを採取する際の見分け方について確認しましょう。
- ハタケシメジの軸はカサの色と同じことが多い
→個体によっては白いものもある!! - クサウラベニタケの軸は白色で光沢がある
ハタケシメジとクサウラベニタケは非常にそっくりなので、見分けることがかなり難しいキノコです。軸の色の違いもありますが、ハタケシメジは個体によって軸がクサウラベニタケのように白いものもあるので、一概に「軸で見分けられる」とは言えないのです。
過去には、物産展でハタケシメジと間違えてクサウラベニタケを販売してしまったケースもあるので、見分けが難しく、危険性の高いキノコとなっています。
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まとめ
「ハタケシメジと類似したクサウラベニタケ」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事をまとめると
- 両者ともそっくりで見分けるのは非常に困難
- クサウラベニタケの毒は、消化器系に作用して腹痛・下痢・嘔吐を引き起こす
ハタケシメジには毒性がなく美味しく食べられるキノコですが、類似したクサウラベニタケには毒性があるので注意が必要です。キノコの中で最も食中毒の件数が多いので、自分で採りに行く方は気をつけてください…!
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