瓶子紋(へいし)の意味・由来を解説!器物紋の一種の家紋

みなさんは「瓶子(へいし)」というものをご存知ですか?漢字からもわかる通り「瓶(びん)」を表すもので、かつてのお酒を入れるための器として使用されていました。

家紋にはお酒関連の紋が少ないのですが、この瓶子を使った「瓶子紋」は様々な種類があり、また色々な家で家紋に用いられていました。

今回は、「瓶子紋」の由来・意味・種類についてご紹介いたします。

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瓶子紋の意味・由来とは?

読み方 へいしもん
家紋の分類 器物紋
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瓶子とは、酒を入れるための細長い器のことを指します。御神酒を入れて神に備えたことから、「神具の一種」とも言われています。

そのため、瓶子紋は主に神社関係の家に用いられていました。

使用者には、藤原氏南家為憲流の宇佐美氏や、藤原利仁流の都筑氏、橘氏流の紅林氏や小野氏、平氏支流の大岩氏などがあります。

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瓶子紋の種類いろいろまとめて解説

瓶子紋はそのものを描いた紋ですが、個数やテイストが異なるものが多数存在します。1つの瓶子で描いたもの複数の瓶子で描いたものの2タイプに分けてご紹介いたします。

「1つの瓶子」を描いた瓶子紋

瓶子

陰瓶子

丸に瓶子

変わり包み瓶子

石持ち地抜き瓶子

房付き瓶子

変わり瓶子

上包み瓶子

まずは「瓶子を1つだけ」描いた瓶子紋です。どれも上部が膨らみ、下部は細くなっていくデザインです。

「輪紋」である丸で囲んだものや、石持ちに入れたものがありますが、基本的には瓶子単体で描かれました。

それぞれに特徴があり、お洒落な巾着のようなデザインでもありますね。

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「複数の瓶子」を描いた瓶子紋

並び瓶子

丸に神社瓶子

五つ瓶子

三つ割り瓶子

丸に並び瓶子

三つ瓶子

丸に三つ盛り瓶子

五つ瓶子

次に、「複数の瓶子」を描いた瓶子紋です。2つや3つをモチーフとしたものが多く、並べて描かれたり円形で描かれたりしました。

この中に「輪紋」で囲まれたものが3つありますが、「丸に三つ盛り瓶子」は輪のラインが他の2つよりも太く描かれていますね。

輪紋にもラインが細いものや太いものがあり、細いものは「糸輪」や「毛輪」、太いものは「厚輪」と呼ばれていました。

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まとめ

神具の一つとも言われていた瓶子を描いた「瓶子紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

お酒の器が神具と呼ばれるのはなんだか意外なものですよね。それゆえ神社関係者の家紋に用いられた家紋で、バリエーションは様々なものが存在しました。

家紋には植物や動物など多彩な種類がありますが、お酒にまつわる家紋は数が少ないので、貴重な紋かもしれません。

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