「雁金(かりがね)」という鳥をご存知ですか?別名「ガン」とも言い、首が長いのが特徴的です。しかし雁金を使用した「雁金紋」は、その大半が首を描いていないのです。
紋だけ見ると雁金がモチーフになっていることは分かりづらいのですが、バリエーションが豊富にあり、織田信長に気に入られていた柴田勝家も使用していた紋なのです。
今回は、「雁金紋」の意味や由来・種類を解説する他、信長の四天王の一人でもある柴田勝家の歴史についてもご紹介したいと思います。
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雁金紋とはどんな家紋?由来・意味を解説!
読み方 | かりがねもん |
家紋の分類 | 動物紋 |
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雁金は雁(ガン)とも言い、「良い報せを運ぶ鳥」や「先祖との文を運ぶ鳥」として、縁起の良い鳥として中国で伝えられてきました。その由来は雁金の独特な鳴き声にあります。
また、雁金には群れをなして飛ぶ習性があることから、雁金紋には「絆」の意味も込められています。
平安時代には文様として使われるようになり、当時の絵巻物にも雁金文様が残されています。
家紋としては江戸時代頃からよく用いられるようになりました。特に武士に好まれ、家紋のほか武具に用いられたと言われています。
実際の雁金は首が細長いことが特徴ですが、紋のモチーフとなっている雁金には首が無いものが多く、ほとんどが頭と胴で描かれています。
雁金は中国の故事にも登場しています。漢の武帝の時代に蘇武という武将が16年間捕虜となって胡地に捕らえられていましたが、雁金に結んだ手紙が功を奏して中国に帰ることができたという話です。
この話からも、雁金は「幸運を運ぶ鳥」とされていたことがわかります。雁金紋は信州に多く見られ、信濃の真田氏や長島藩の増山氏、柴田氏などに使用されていました。
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雁金紋の種類いろいろまとめて解説
丸に雁金 | 丸に二つ雁金 |
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増山雁金 |
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頭合わせ三つ結び雁金 |
三つ斜め雁金 |
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雁金紋にも様々な種類がありますが、中でも特徴的なものをいくつかご紹介したいと思います。
まずはオーソドックスな「丸」の中にモチーフを入れたものです。家紋では輪の中にモチーフを入れたものが多数存在しており、雁金紋でも「丸に雁金」「丸に二つ雁金」「増山雁金」など輪を使用したデザインがあります。
「増山雁金」に関しては、現在の三重県である長島藩の増山氏が使用したことから付けられた名の紋です。斜めに描かれ、目がギョロリと大きなことが特徴的ですね。
珍しいデザインには、菱に肘をついてこちらを見ているような「菱に覗き雁金」や、口ばしを2羽で共有した「向かい嘴合い雁金」があります。
向かい嘴合い雁金は、丸など他の紋と組み合わせることなく、雁金同士がくっつくことで四角形のようにバランス良く構成されています。
また、3羽用いたものには「頭合わせ三つ結び雁金」「三つ斜め雁金」「三羽飛び雁金」などがあります。ここで着目したいのが、「三羽飛び雁金」のみ首が長く描かれていることです。
雁金紋の多くは、雁金の細長い首の特徴を活かすことなく描かれているものが多いのですが、この紋に関しては実際の雁金同様首を長く描いています。
他にも首を描いた雁金紋はいくつか存在するのですが、基本的には首が描かれていないものが多いので珍しい紋となっています。
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柴田勝家の家紋「二つ雁金紋」とは?
柴田勝家の2つの家紋の由来に迫まる!25歳の年の差婚を実現させた魅力とは<二つ雁金紋>
織田四天王の一人でもある柴田勝家は、信長から厚い信頼を受けていました。家紋には「二つ雁金」を用いていたのですが、口を開けている雁金と閉じている雁金で構成されています。
通常の二つ雁金はどちらも閉じているものでしたが、柴田勝家の紋はこのように阿吽で描かれているという特徴がありました。
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まとめ
雁金という鳥をモチーフにした「雁金紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
目が大きくユニークに描かれる雁金紋は、特に武士に好まれていた紋であることがわかりました。その代表者として柴田勝家を別途記事で詳しくご紹介していますので、是非そちらもチェックしてみてくださいね。
また、鳥をモチーフにした家紋は他にも多数ありますので、鳥がお好きな方は注目です。特徴を活かして描いたりそうでなかったり、それぞれの紋に味がありますので、細かなデザインに着目してみると更に面白いですよ。
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