柔らかくほろほろと口の中でとろける身と香ばしいたれが合わさった鰻は、日本人だけでなく海外でも人気が高いメニューです。
しかし、この鰻を食べることで発症するアレルギーがあることをご存知でしょうか。
- 鰻でアレルギーになってしまう原因は?
- 鰻アレルギーへの対処法を解説
- 鰻を食べる際に注意したいこと
- 鰻の適切な調理方法
今回は、こちらについて詳しく解説します。
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目次
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鰻でアレルギーになる原因
鰻を食べることで発症するアレルギーは、魚介類を原因とする食物アレルギーであり、遅延型アレルギーに分類されます。
遅延型アレルギー
遅延型アレルギーは発症までの時間が不規則な食物アレルギーであり、対象となる食品を接種したのち数時間から数日後の間に症状が出ることが多くなります。そのため、複数の食事をまたいで発症する場合もあり、原因となるアレルゲン物質の特定が困難になるという特徴があります。
抗原「パルプアルブミン」が原因
鰻だけでなく魚介類全般には、「パルプアルブミン」と呼ばれる物質が含まれています。この物質は、既に魚介アレルギーの原因物質として特定されており、含有量は魚ごとに大きく異なります。
パルプアルブミンの含有量一覧は以下の通りです。
パルプアルブミンの含有量が多い | キンメダイ、カマス、メバル、イサキなどの小型魚 |
パルプアルブミンの含有量が少ない | ホッケ、サケ、カツオ、マグロなどの大型魚 |
パルプアルブミンは、熱に強い特徴を持っているため、鰻を蒲焼などに加工しても除去されることがないため注意が必要です。
鰻でアレルギーになった場合の症状
蕁麻疹
食物アレルギーの症状の中でも代表的なものが蕁麻疹です。赤い発疹が手足を中心に広がっていきますが、発疹自体は数十分から数時間以内に消えてしまうのが特徴です。
子どもが発症したときなどは、特に見逃さないように注意しましょう。
下痢・腹痛
下痢や腹痛など消化器系に症状が出やすいのも食物アレルギーの特徴です。
嘔吐・吐き気
嘔吐や吐き気などを始め、息苦しさやゼーゼーとした喘息に似た症状など、呼吸器系に症状が発生するのも食物アレルギーの特徴です。
発熱
特定の食物を食べた後に、38℃前後の発熱が突如起きた場合も、食物アレルギーの発生が疑わしくなります。
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鰻アレルギーへの対処法
アレルギー検査をする
自身や子どもが鰻アレルギーを持っているかどうか気になる場合は、病院でアレルギーパッチテストを受けることが可能です。お金は掛かるものの、特定の食物アレルギーに対して安心感を持つことができるのは大きなメリットです。
魚介系はなるべく避ける
鰻アレルギーの原因物質である「パルプアルブミン」は、魚介類全般に含まれている物質です。そのため、鰻アレルギーを避けるためには鰻に限らず魚介系食材を避ける必要があることに注意しましょう。
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鰻を食べる際の注意点
食物アレルギー発症の他にも鰻を食べる際には、いくつかの注意点があります。
食べ過ぎは人体に毒
鰻に含まれる栄養素の一つにビタミンAがあります。ビタミンAは、適度に摂取することで皮膚や粘膜、眼の健康を維持する効果が期待できます。
しかし、ビタミンAの過剰摂取は肝機能障害などの副作用をもたらすリスクがあるため注意が必要です。
妊婦は食べない方が良い
妊娠初期段階の妊婦さんがビタミンAを過剰摂取すると、お腹の赤ちゃんに器官形成異常が起こる可能性があります。鰻を始めとした食品に含まれるビタミンAの目安は以下の通りです。
妊娠中の1日当たりのビタミンA摂取限度量=2700㎍
食品名 | ビタミンA含有量(100gあたり) |
鰻1/2尾 | 1,500μg |
あんこうの肝 | 8,300μg |
焼き鳥1本(30g換算) | 4,200μg |
スモークレバー | 17,000μg |
どうしても妊娠中に鰻が食べたくなってしまったときは、上記の許容限度量を超えない量の鰻を食べるようにしましょう。
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鰻の正しい調理方法
鰻と言えば、捌くためには専門的な技術が必要なイメージが強いですよね。実は手順を守れば家庭でも比較的簡単に鰻を捌くことが出来ますよ。
鰻の捌き方
- 事前に鰻を冷凍庫で30分以上保存して仮死状態にしておく
- キッチンペーパーで鰻表面の滑りを取る
- 普通の魚と同じように背開きをして小骨を取る
- まな板に鰻の皮目が上に来るように置いて、熱湯を掛けたらすぐに氷水で冷やす
- 鰻表面に温度差で固まった白い滑りが出てくるので包丁などでこそげ落す
鰻の蒲焼きの調理方法
捌いた鰻を美味しく調理するには自家製のタレがおすすめです。
タレの作り方
- 砂糖大さじ1、醤油大さじ3、みりん大さじ2、酒大さじ1をとろみが付くまで煮詰めておく
蒲焼きの作り方
- 七輪などで鰻の皮目が下になるように置き、焼き色が付いたら裏返す
- 両面を焼き終えた鰻をタレに漬け込めば完成
- 更にもう一度七輪で焼くことで、より香ばしい仕上がりになりますが、焦げには十分注意しましょう
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まとめ
この記事をまとめると
- 鰻には「パルプアルブミン」と呼ばれる物質が含まれており、これが食物アレルギー発生の原因となっている
- 鰻アレルギーを未然に防ぐためには、病院でのアレルギーパッチテスト実施やパルプアルブミンを含む魚介類全般の摂取への注意が大切
- 鰻に含まれるビタミンAは妊娠中に過剰摂取するとお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、食べ過ぎには十分注意が必要
- 専門的な技術が必要なイメージのある鰻だが、ポイントを抑えれば家庭でも比較的簡単に捌くことができる
いかがだったでしょうか。
夏バテ防止で食べることの多い鰻には、食物アレルギーや食べ過ぎによるリスクも存在します。鰻を堪能する前に、この記事を読んでしっかりと鰻に対する知識を深めていきましょうね。
この記事がみなさんの参考になれば幸いです。
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