食品表示を見て「これはなんだろう?」と疑問に思った経験は誰にでもありますよね。健康に気を遣っている人でも、見ただけでは分からない表示は意外と多いはずです。
今回はその中から「たんぱく加水分解物」について、
- たんぱく加水分解物とは
- どんな食品に入ってる?
- 健康被害は?
コチラの内容に沿って紹介していきます。
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目次
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たんぱく加水分解物とは
食品表示の中に「たんぱく加水分解物」と書かれているのを見たことはありますか?食品に関するあまり馴染みのないものは、その安全性について心配になりますが、一体どういうものなのでしょうか。
どんな成分?
たんぱく加水分解物は様々な アミノ酸を主成分 としています。大豆やとうもろこし、小麦、肉などを原料とする食品の一種で、分類上は食品添加物とは異なります。
これら原料の植物性タンパク質や乳タンパク質を、酸や酸素で加水分解して作られたのが、たんぱく加水分解物です。
加水分解とは
加水分解とは、原料に含まれるたんぱく質を塩酸を用いてアミノ酸に分解する製法の一種です。様々な食品に加水分解物が使われる理由は、このアミノ酸が食品の旨味を作る重要な要素であるためです。
特に加工食品は製造や保存の段階でうまみや風味が逃げてしまうため、このたんぱく加水分解物を使用することで、素材の味や好まれるような味を補っています。
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どんな食品に入ってる?
食品表示をきちんと確認しなければ「たんぱく加水分解物という存在自体知らない」「あまり気にしたことがない」という人もいるかもしれません。でも実は様々な食品に使用されているのです。
入ってる食品
たんぱく加水分解物が入っているのは、主に加工食品が多いです。 加工食品とは、製造の段階でなんらかの加工を施したもので、ソーセージやお惣菜などもその1つです。また、醤油やマヨネーズ、ソース、ドレッシングなどの調味料にもよく使われています。加工食品にとっては非常に重要な成分であり、ほとんどの加工品に入っていると考えても良いでしょう。
加工食品の主な種類
- 水産練り製品
- 肉加工品
- 乳加工品
- 嗜好食品
- 調味料
- 菓子類
- 冷凍食品
- レトルト食品
- 缶詰食品
- インスタント食品
食品表示は?
たんぱく加水分解物と同じく、うま味を加える目的で使用されるグルタミン酸ナトリウムなどは、食品添加物に分類されており、厚生労働省によって厳密な表示の決まりがあります。
ですが、たんぱく加水分解物には実は食品表示に必ず表記しなければならないという義務はありません。その理由は、たんぱく加水分解物が食品添加物ではなく「食品」に分類されるためです。
そのため、食品表示にないからと言って、たんぱく加水分解物が入っていないことにはならないと覚えておきましょう。
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健康被害は?
既述のように、たんぱく加水分解物は現在あらゆる加工食品に用いられています。たんぱく加水分解物は私たちの体にとって害を及ぼす心配はないのでしょうか。最後にその危険性について解説していきます。
危険性
たんぱく加水分解物は塩酸を使っているため、危険性があるのでは心配されることがあります。基本的には問題がないため食品に使われていますが、必ず安全という訳ではないのです。
それは製造工程中に、原料の中に含まれるグリセリンと塩酸によって、「クロロプロパノール (3-MCPD)」という不純物が生成される可能性があるためです。
もしこのクロロプロパノール類を、毎日続けて過剰に摂取してしまえば、健康に悪影響を与える可能性があります。
発がん性
過剰摂取が危険なたんぱく加水分解物には、発がん性の心配も懸念されています。
たんぱく加水分解物は、動物性のたんぱく質や植物性のたんぱく質を原料にしています。他にも多糖類や核酸、脂肪などの他の成分も含まれており、肉や大豆など原料によってこの物質には違いが生まれます。
このとき、化学物質の中に発がん性を持つものが一緒に生成される可能性があるのです。
ですがこれに関しては研究が重ねられており、普通の摂取量であれば人間への発がん性は極めて低いと判断されています。
アレルギーの危険性
たんぱく加水分解物にはアレルギーの危険性もあります。微量とは言え、たんぱく加水分解物には様々な食品が原料として使用されています。
牛肉、豚肉、鶏肉、小麦、大豆などの食品アレルギーを持っている人は特に注意が必要です。 また、加水分解の過程で生まれた不純物により、人によってはアレルギーを引き起こしてしまう可能性もあると言われています。
まとめ
「たんぱく加水分解物の健康被害がやばい!?何の食品に入ってる?」について紹介してきましたが、いかがでしたか?
この記事をまとめると
- たんぱく加水分解物の主な成分はアミノ酸
- 加水分解とはたんぱく質をアミノ酸に分解する製法の一種
- たんぱく加水分解物はほとんどの加工品に入っている
- たんぱく加水分解物は食品表示の決まりがない
- たんぱく加水分解物の過剰摂取は危険
- たんぱく加水分解物は発がん性やアレルギーを引き起こす可能性がある
海外に比べて日本で販売されているものは、厚生労働省などが様々な決まり、基準を示しています。ですが、だからと言って全てのものが必ず安全と言い切ることはできません。
特にアレルギーを持つ人は必ず食品表記を確認するようにしてくださいね。
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