妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“トマト”は妊婦さんにもオススメの野菜です。しかし、『トマト缶は危険』と言われることもあります。
その理由や危険性について、着目しました。今回は、
- 妊娠中でもトマト缶は食べられる?
- トマト缶が危険と言われる理由
- トマトの栄養成分と妊婦への効果
- 妊婦さんでも安全なトマトソース
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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妊娠中のトマト缶は危険?食べられる?
トマト缶は妊娠中でも食べることはできますが、危険性もあると言われています。それは妊婦さんかどうかに限らずです。
トマト缶が危険と言われる原因は、「缶そのもの」と「トマト」それぞれにあります。
缶に含まれる成分BPAが溶け出す
「缶」が原因で危険と言われる理由ですが、トマトの缶には「BPA(ビスフェノールA)」という化学物質が含まれています。BPAがトマトの酸の影響を受けて溶け出し、トマトペーストに混ざることがあるのです。
BPAを過剰摂取すると、乳腺や前立腺・神経・行動・思春期早発に影響を及ぼすとされる
胎児への影響も考えられるため、妊娠中の方は食べない方が良いと言われることもあります。
トマトの原産国や添加物
「トマト」が原因で危険と言われる理由ですが、イタリア産と記載されているトマト缶であっても、実際のトマトの産地は中国産であることが多いのです。
中国で栽培・生産されたトマトを使ってイタリアで加工しているため、トマトの成長は中国となります。中国産の食材には農薬問題や添加物問題など色々なトラブルがあるため…決して安全とは言えないわけです。
イタリアでも水で薄めたり添加物を追加したりしている可能性がある
この事実を知ってしまうと、なかなか手を出しづらくなりますよね。対処法を後ほどご紹介しますので、読み進めてみてください。
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トマトの栄養成分と妊婦への効果
トマト缶には危険性もありますが、トマトそのものは、妊娠中にオススメの食材です!その理由には、トマトに含まれる豊富な“βカロテン”や、“ビタミンC“、“ビタミンE”があります。
ビタミンCは鉄の吸収をサポート
ビタミンCは美肌効果など美容に効果的な栄養素のイメージがありますが、 妊娠中に必要な鉄分の吸収をサポートし、体の免疫力を高める効果 があります。
妊娠中は妊娠前と比べて免疫力が下がり、食中毒や感染症にかかりやすくなるので、免疫力を上げることはとても良いことなのです◎
妊娠中のビタミンC摂取目安量は、1日110mg!
厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンC摂取量は1日100mgです。それが妊娠中となると1日110mg、授乳中になると1日145mgが必要な目安量と言われています。
ビタミンCは妊娠中だけに限らず、産後の体にとっても大切な栄養素となっています。
ビタミンA
トマトに含まれるβカロテンは、体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAには、 胎児の皮膚や粘膜の形成・臓器の形成に欠かせない栄養素 です。ここで重要なのが、ビタミンAには2つのタイプがあることです。
- 野菜や果物にβカロテンとして含まれ、体内でビタミンAに変化するもの
- 食べ物自体にビタミンAとして含まれているもの
→レバー/うなぎなどが多く含む
妊娠中の体に必要なのは、野菜や果物にβカロテンとして含まれる栄養素です。食べ物自体に含まれるビタミンAは、妊娠初期に摂りすぎると胎児に形態的な異常が見られることがあるので、過剰摂取は控えるよう言われています。特に妊娠3ヶ月までは注意が必要です。
しかし、βカロテンとして体に取り込まれた栄養素に関しては、体に必要な分だけビタミンAに変換され、余った分は体外に排出されるので過剰摂取とはならないのです◎
ビタミンEも妊娠中は多めに
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、細胞膜や脂質を酸化から守る働きがあります。そのためアンチエイジングに欠かせない栄養素の一つです。
体内に蓄積しにくく、不足すると神経や筋障害が出ることもありますが、通常の食事をしていれば不足することはあまりないと考えられています。妊婦さんにとっては、妊娠前よりも多めに必要な栄養素となっています。
妊娠中のビタミンE摂取目安量は、1日6.5mg!
厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンE摂取量は1日5.0〜5.5mgです。それが妊娠中となると1日6.5mg、授乳中になると1日7.0mgが必要な目安量と言われています。
ビタミンEには、 βカロテンやビタミンCと一緒に摂ると抗酸化作用が高まる 特徴があります。
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妊娠中でも安全なトマトソースは?
では、安心して食べられる安全なトマト缶はあるのでしょうか?トマト缶の化学物質や添加物が心配な場合は、これらのトマトソースを利用してみましょう。
イタリア産BPAフリー有機トマト缶
トマト缶にはイタリア産のものが多く、中国で栽培されたトマトが使用されているものが多いのですが、中には「BPAフリー有機トマト缶」というものがあります。
- 缶に溶け出すとされるBPAを含まない缶を使用
- 無農薬なオーガニックトマトを使用
このトマト缶を使えば、缶に含まれるBPAの心配・トマトの添加物や農薬の心配どちらも安心して食べることができます。一般的なトマト缶に比べ生産数は少ないですが、市販されているので探してみましょう。
紙パックのトマトソース
トマトソースは缶だけではなく、「紙パック」を容器としているものもあります。牛乳パックと同じ形で、紙製なのでBPAの心配もありません。また、紙ゴミとして捨てることができるためエコで捨てやすいといったメリットもあります。
自家製トマトソース
一番安心なのは「自家製トマトソース」を作ることです。材料はもちろんトマトのみ!ペースト状にしてしまうので、傷が付いたり熟して柔らかくなっていたり、綺麗なトマトでなくてもOKです。
電子レンジで加熱すると時短で簡単に作ることができます◎ 無農薬トマトを使えばより安心なトマトソースになりますね。
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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- トマト缶は缶詰の成分が解け出る可能性もあるので危険性があるとされる
- 妊婦さんでも安全なトマトソースは、①イタリア産 ②紙パック ③自家製
トマトには妊娠中にも欠かせないビタミンCやβカロテンが多く含まれているので、缶詰でなければオススメの野菜です。紙パックや自家製トマトソースは安全性が高いので、気になる方は工夫してみましょう。
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