妊娠中の食事には注意したいことがいくつかありますが、その中の一つが“生焼けのステーキ”です。牛肉なので多少のレアは妊婦さんは特に気をつける必要があります。その詳しい理由や危険性について着目しました。今回は、
- 妊娠中に生焼けステーキを食べると?
- 生焼け肉の危険性と影響
- 妊婦さんがお肉を食べる効果
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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妊娠中の生焼けステーキは食中毒に注意!
妊娠中に少し赤いステーキを食べると、食中毒を起こす可能性があります。その原因菌は、黄色ブドウ球菌やトキソプラズマ菌などです。生焼けの可能性があるお肉は、絶対に食べないようにしましょう。
妊娠中は、妊娠前よりも免疫力が低下しています。普段は多少の生焼けを食べても何の影響もなかった人でも、妊娠中はお腹を壊したり痛くなったりしやすいのです。
生焼けに注意したいお肉料理
鶏肉・牛肉・豚肉・羊肉など、妊娠中に生焼けで食べてはいけないお肉は様々ですが、『生焼けが美味しい料理』も妊婦さんが食べるのはNGです。
生焼けに注意したいお肉料理には、このようなものがあります。
- レアステーキ
- ミディアムステーキ
- 生焼けのお肉
- ローストビーフ
- レバー
- 焼肉
これらの料理はレア状態で食べるのが美味しいものですが、妊娠中は完全に加熱してから食べるようにしましょう。
焼肉も牛肉なので半生で食べても大丈夫なのでは?と思うかもしれませんが、妊婦さんは体の状態が変化しているため、食べると腹痛や下痢を起こすことがあります。
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黄色ブドウ球菌とは?
黄色ブドウ球菌とは牛・豚・鶏どのお肉にも起こり得る食中毒で、その割合は牛が13%・豚8%・鶏36%となっています。
黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンという毒成分を生成する働きがあり、それによって激しい嘔吐・腹痛・下痢などの急性胃腸炎を発症します。健康体であれば食べてしまっても無症状で済むこともありまうすが、免疫力が下がっている妊娠中はより注意が必要です。
- 治療に必要な薬が制限される
- 繰り返す下痢によって子宮収縮が起こる
- 子宮収縮によって酸素や栄養が届きにくくなる
- 酷い場合は流産に繋がる可能性もゼロではない
妊娠中にお肉を食べる効果
生焼けお肉を妊娠中に食べるのは禁忌ですが、加熱したお肉であれば妊婦さんにとって嬉しい効果が多数あります。その理由は、お肉にはたんぱく質やビタミンB・鉄分などの栄養成分が豊富に含まれているためです。
妊娠中もバランスの良い食事が必須で、上記の栄養は妊婦さんにとってこのような効果を期待することができます。
妊娠中期以降はタンパク質量を増やして
タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。
- 妊娠前の成人女性…50g/1日
- 妊娠初期…50g/1日
- 妊娠中期…60g/1日
- 妊娠後期…75g/1日
妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。
妊娠中は貧血になりやすい
妊娠すると赤血球が多くつくられるようになり、胎盤や胎児形成のためにお腹に送られていきます。血液量も増えるため、より多く鉄分を摂らないと貧血になりやすくなります。
特に妊娠初期は貧血が起こりやすく、 鉄分が不足することで動悸や息切れが起こり、つわりがより一層辛くなる 方も多いです。また、貧血状態が酷くなると『鉄欠乏性貧血』となることもあります。
鶏肉には鉄分が多く含まれているため、妊娠中の鉄分不足を解消する効果を期待することができます◎ 葉酸と鉄分がセットになったサプリもありますが、食品からも摂るようにしましょう。
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ビタミンB群の各効果とは?
鶏肉にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群の中でも、鶏肉に含まれるB1・B2・B6・B12それぞれには、妊婦さんにとってこのような効果があります。
- ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
- ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
- ビタミンB6…鉄分の合成を高めてつわりの吐き気を軽減
- ビタミンB12…DNAの合成を助ける働きがある
どれもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。特に、鶏肉にはビタミンB6が豊富に含まれています。
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- 生焼けステーキを妊娠中に食べると食中毒症状が出やすいのでNG!
- 妊娠中は免疫力が低下している
- 注意したい料理はローストビーフ、焼肉など
- しっかり加熱すればたんぱく質・鉄分など妊婦に嬉しい栄養成分たっぷり!
妊娠中に生焼けステーキを食べると食中毒になりやすいだけでなく、それが原因で赤ちゃんに影響が出ることもあります。
鶏肉や豚肉など元々生食できないお肉はもちろんのこと、牛肉でも食中毒になるので、よく加熱してから食べるようにしましょう。
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