妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“はちみつ”は妊婦さんでも食べられるのでしょうか?
はちみつには『ボツリヌス菌』の危険性があるため、赤ちゃんにはあげてはいけないと言われますが、妊婦さんの場合はどうなのでしょう?妊娠中に必要な栄養素と共に解説いたします。
- はちみつは妊娠中でも食べられる?
- はつみつの栄養成分と妊婦への効果
- マヌカハニーは危険?
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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はちみつは妊娠中でも食べられる!
はちみつは妊娠中でも食べられる食品です。はちみつには、美肌に効果的なビタミンB1・B2をはじめ、良質なビタミン類が豊富で、他にもビタミンB6やビタミンC、葉酸などが含まれています。
また、ミネラル類も多く、血液に関わるマグネシウムや鉄分、骨の発達に関わるカルシウムや、ナトリウムも含まれています。体内で生成することのできない、たんぱく質の元となるアミノ酸9種類や、抗酸化作用を持つポリフェノールなど、蜂蜜は栄養豊富な食材なのです。
それぞれの特徴と妊娠中への効果について、確認してみましょう。
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葉酸は妊娠前の2倍以上必要
はちみつに含まれる葉酸は、ビタミンB群に分類される栄養素の一つで妊娠前から摂取したい栄養素とも言われています。 妊娠初期の活発な細胞分裂のサポートをしたり、DNAの合成など胎児の発育に大きく関係する ためです。
妊娠前の2倍以上の葉酸が必要となるため、サプリでの補給もすすめられています。
ビタミンCは鉄の吸収をサポート
ビタミンCは美肌効果など美容に効果的な栄養素のイメージがありますが、 妊娠中に必要な鉄分の吸収をサポートし、体の免疫力を高める効果 があります。
妊娠中は妊娠前と比べて免疫力が下がり、食中毒や感染症にかかりやすくなるので、免疫力を上げることはとても良いことなのです◎
妊娠中のビタミンC摂取目安量は、1日110mg!
厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンC摂取量は1日100mgです。それが妊娠中となると1日110mg、授乳中になると1日145mgが必要な目安量と言われています。
ビタミンCは妊娠中だけに限らず、産後の体にとっても大切な栄養素となっています
ビタミンB群の各効果とは?
ビタミンB群の中でも、はちみつに含まれるB1・B2・B6には、妊婦さんにとってこのような効果があります。
- ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
- ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
- ビタミンB6…鉄分の合成を高めてつわりの吐き気を軽減
どれもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。
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ボツリヌス菌は危険じゃない?
ボツリヌス菌とは?
はちみつには「ボツリヌス菌」という菌(芽胞)が含まれており、胃腸が発達していない1歳未満の赤ちゃんに与えるのは絶対禁止とされています。
ボツリヌス菌は120度以上で4分加熱することで消滅しますが、“生はちみつ”は加熱していないので生きた状態で含まれている可能性があります。
ボツリヌス菌を乳児が食べると、腸内で芽胞が発芽し増殖して”乳児ボツリヌス症”を引き起こす
乳児ボツリヌス症の症状としては、便秘・筋力の低下・表情の喪失・脱力状態となります。死亡例は少ないですが、悪化すると命に関わることがあるので注意が必要です。大人はボツリヌス菌を食べてもこの症状になることはありません。
妊婦さんへの影響
妊婦さんは、ボツリヌス菌を含む可能性のある生はちみつを食べても問題ありません◎! 万が一ボツリヌス菌を摂取しても、胎盤を通して胎児に届くことはないので安心して食べることができます。マヌカハニーや生蜂蜜は妊婦が食べてもいい?
マヌカハニー
“マヌカハニー”は、マヌカという花から採れる蜂蜜のことを言います。主にニュージーランドやオーストラリアなどで栽培されている花で、日本ではあまり見かけません。
マヌカハニーには強い殺菌力と消毒力があり、ニュージーランドの先住民は病気の治療に用いてきたと言われています。
妊娠中に食べても良いかどうかですが、マヌカハニーは加熱処理されていないので妊婦さんは控えた方が良いでしょう。
しかし、飴やお菓子などに加工したものであれば加熱されているので、妊婦さんでも食べることができます。
生蜂蜜
「生はちみつ」とは、加熱処理やろか処理を行っていない自然の状態そのままのはちみつです。通常のはちみつは加工段階で加熱したり、ろ過したりして殺菌します。
しかし、その工程を踏むことで栄養素や効果が減ってしまいます。生はちみつは手を加えず、収穫した状態に近い蜂蜜なのです。
- 便秘解消
- 疲労回復
- 保湿力アップ
- 免疫力向上/風邪予防
- 脳の活性化
生蜂蜜=加熱してないので、妊娠中は控える必要があります。これらの効果がある反面、妊婦さんにとっては影響が出る可能性のある食品です。
詳しくはこの記事をチェック!
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はちみつの食べ過ぎは太る?体に悪い?
はちみつのカロリーは、大さじ1杯あたり62kcal、糖質は16gと高めです。しかし、通常の砂糖より少量で甘さを感じるため、太りにくいとは言えるでしょう。しかし、はちみつ=ダイエット効果があるわけではないので、食べ過ぎには注意が必要です。
はちみつに含まれる「果糖」は肝臓に脂肪として蓄積される性質があるので、食べ過ぎると太る可能性があります。そのため、ダイエット中は食べ過ぎない方が良いでしょう。
食べ過ぎた時の体への影響については、下記記事で詳しく紹介しています。あわせてチェックしてみましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- 妊娠中でもはちみつは食べられる!
- 生蜂蜜は加熱殺菌されていないので控えた方が安全
- その理由は食中毒リスクがあるため
- 食べ過ぎは太る原因にもなるので量に注意
はちみつにはボツリヌス菌が含まれることがあるので、食べても大丈夫なの?と疑問に思われることが多いようですが、妊娠中でも安心して食べることのできる食材でした。
健康や美容に嬉しい効果も多いので、ドリンクやヨーグルトに加えてみてください。
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