ショートニングをご存知でしょうか?お菓子作りやパン作りをされる方なら、おうちに常備している、という方もいらっしゃるかもしれませんね。常温でも保存でき、クッキーなども軽い食感に仕上がるため、市販のお菓子にもよく使われている食用油脂です。ですが、このショートニング、実は体に悪いと言われることも多いのです。いったいどうしてなのでしょうか。そこで今回は、
- ショートニングってどんなもの?
- ショートニングは体に悪い?危険性は?
- ショートニングは太りやすい?
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目次
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ショートニングってどんなもの?
お菓子やパンを作るのが趣味!という方でなければ、ショートニングをわざわざ購入しようと思われることは少ないのではないでしょうか。スーパーで売ってあるのを知らない、という方もいらっしゃるかもしれません。まずはこのショートニングがどんなものなのかをご紹介していきます。
特徴
ショートニングには、「ポロポロにする」、「サクサクさせる」といった意味があり、実際にその目的にあわせて開発された食用油脂です。
1番の特徴は無色透明、無味無臭であること。そのため、食品に加えても味や風味、色合いを邪魔することなく仕上げることができます。
使い方
元々はラードの代用品としてアメリカで開発されたショートニング。ラードはバターに比べて自由に成形できる温度範囲が広いため、昔からお菓子やパンの「練り込み用油脂」として活用されてきました。
しかし品質が安定せず、結晶化しやすいのが難点。これを解決するために作られたのがショートニングです。
お菓子やパンに幅広く使われる他、常温では固体となる性質を応用して、揚げ油として使われることも。冷めても油が液体として染み出さないため、サクサクの食感を長く保つことができます。
成分
ショートニングは、精製した油に水素ガスや窒素ガスなどを添加して作られる人口油脂です。ほぼ100%が油脂で構成されており、マーガリンから水分と添加物が抜かれたもの、と考えるとわかりやすいかもしれません。
品質が安定しているため安価で流通させることができ、さらに扱いも他の油脂に比べて簡単なため、広く利用されています。
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ショートニングは体に悪い?危険性は?
特徴を見る限り、便利な油、といった印象を受けるショートニング。なぜ体に悪いと言われているのでしょうか。
トランス脂肪酸
最近話題のトランス脂肪酸、大手メーカーがこぞって「脱トランス脂肪酸」を謳っているので、聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
このトランス脂肪酸は、ショートニングやマーガリンなど、水素を添加して作られる人口油脂に含まれるもの。 心疾患や生活習慣病、さらに免疫機能の低下やアレルギーまで、多岐に渡って健康へ悪影響を及ぼすことがWHOによって報告 されています。
ショートニングが体に悪いと言われるのは、このトランス脂肪酸が含まれることによるもの。ですが、今は技術がさらに進んで、トランス脂肪酸を含まないショートニングも開発されています。通販でも購入できるので、気になる方は調べてみてくださいね。
発がん性の有無
トランス脂肪酸には、発がん性のリスクも指摘されています。ですが、このトランス脂肪酸が問題になってからというもの、日本でも油脂メーカー各社が、このトランス脂肪酸を減らしながらショートニングやマーガリンを製造できないかと試行錯誤してきました。
その甲斐あって、現在は当時のショートニングに含まれるトランス脂肪酸より大幅に減少、中にはおよそ1/5にまで減らした商品も発売されています。トランス脂肪酸含量がラベルに記載されているものもありますので、気になる方は成分表示をしっかりチェックしてみましょう。
使用禁止国も
トランス脂肪酸の危険が問題視されているのは日本に限ったことではありません。
WHOが提言したトランス脂肪酸の危険性への指摘を受けて、アメリカやカナダ、台湾などでは、食品にトランス脂肪酸を使用することを禁止しています。
また、シンガポールやヨーロッパ諸国には、1日の上限を定めている国も。日本ではまだ規制はされていませんが、ファーストフードやインスタント食品など、 日常的に脂質を多く摂る食生活を送っていると、必然的にトランス脂肪酸を摂取する機会も多くなります。
ですが、お話したように、人口油脂の技術開発も進んでいます。 食品に含まれるトランス脂肪酸の量を気にする、和食中心にして日常の脂質摂取量を抑える、などを心がけていれば、一概にマーガリンやショートニングを毛嫌いする必要はないでしょう。
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ショートニングは太りやすい?
結論から申し上げれば、「ショートニングだろうが何だろうが、食べ過ぎれば太る」の一言に尽きます。体への悪影響を指摘されているショートニングだろうが、健康への効果が期待できる青魚のDHAやEPAだろうが、油は油。カロリーオーバーは肥満の元です。
ですが、焼き菓子などを食べる時、揚げ物や肉の脂身などに比べて、「油脂分」を意識することは少ないのではないでしょうか?さらに軽い食感は、ついつい食べ過ぎてしまう原因にも。それを踏まえると、「ショートニングを使った製品は太りやすい」と言えるかもしれません。
糖質と脂質はエネルギー代謝の経路が異なるため、同時に摂るとまずは糖質を優先して使うことになります。そのため、摂り過ぎた脂質は脂肪として蓄えられることに!糖質と脂質の組み合わせが太りやすいと言われるのはそのためです。
パンや焼き菓子は、まさにこの組み合わせ。そういう意味でも、青魚などの油より太りやすいと言えるでしょう。
代用できるもの
それでもなるべくショートニングは控えたい、といった方におすすめの代用品をいくつかご紹介します。
ラード
元々はラードの代用として作られたショートニングは、ラードで代用することも可能です。見た目やにおいも、ショートニングを使ったものとほとんど変わりなく仕上がります。
バター
バターもショートニングの代用として使用可能、贅沢な風味としっとりした食感に仕上がります。ですが半面、香りの強さが前に出過ぎて、素材の味を消してしまうことも。食材の香りを楽しみたいときにはおすすめできません。
オリーブオイル
植物性油脂であるオリーブオイルもショートニングの代わりに使うことができます。ですが、サクサク、ふんわりといった軽い仕上がりにはなりません。どちらかといえば、もっちり、みっちりとした重い仕上がりになります。また、独特の香りがかなり強く残りますので、お菓子などには向きません。パンやピザの土台に使うのがおすすめです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事をまとめると
- 油脂に水素や窒素を添加して作られた人口油脂、ショートニング、無味無臭で食品に軽い食感を与えてくれる!
- トランス脂肪酸が含まれるショートニングの摂り過ぎは健康に悪影響も!最近ではトランス脂肪酸が少ない、あるいは含まれないショートニングも販売されているので要チェック!
- 糖質と組み合わせることの多いショートニング、使われた製品を食べ過ぎるとカロリーオーバーの原因に!意識しづらい油に気をつけよう
一時期は悪の権化のような扱いだったショートニング。ですが今は技術の進歩によって選択肢が増えてきています。低トランス脂肪酸やトランス脂肪酸フリーのショートニングが販売されていることは、筆者も知りませんでした。正しい知識でより良い食材を見極め、おいしい焼き菓子やパン作りに役立ててくださいね。
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