昨今は生肉を食べることが厳しく規制されてきましたよね。馬刺しなどの生肉を「美味しいのは知っているし、食べたいんだけど、大丈夫かな・・・」と怖がって食べたくても食べる勇気が出ない人も少なくないのではないでしょうか?そこで今回は、
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馬刺しはどんなところが危険なのか?
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馬刺しは体にいい?
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安全に食べるためにはどうしたらいい?
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目次
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馬刺しは危険?
効果
馬刺しに含まれる注目すべき栄養をまとめてみました。
- ビタミンA
- ビタミンK
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- 鉄分
- 亜鉛
ビタミンB1とB2はエネルギーの生産に関わるビタミンで、ビタミンAは視覚や皮膚、粘膜を健やかに保つために必要なビタミンです。ビタミンKは骨を形成する働きと、血を凝固させる働きがあり、不足すると内出血や鼻血などの症状が現れます。
ビタミンAとビタミンKは脂溶性のため、熱に強いですが、ビタミンB群は水溶性のため、熱で壊れてしまうことがあります。そのため、生肉は加熱などによってビタミンを損なうことなく食べられるメリットがあります。
また、亜鉛は精子の製造に欠かせない栄養素ですので、男性の生殖機能の改善に効果があります。
危険?
馬刺しが危険視される理由は、生ものであるため食中毒が心配されるからです。ですが、馬肉は牛肉や豚肉などの他の肉類と比べて、腸管出血性大腸菌(O157)に感染するリスクが低いため、生肉の中では比較的安全な食品だといえます。
その理由として、馬の体温は、牛や豚の体温よりも5度~6度ほど高く、雑菌が繁殖しにくく寄生虫が住みにくいことがあげられます。
それでも、生肉は扱い方によっては食中毒を起こす原因になり得るので、お店で食べる時は国の基準をクリアしている店や安全面を売りにしている店を選ぶなどの注意が必要です。
また、食べなれないためにアレルギーを心配する人もいるようですが、馬刺しは他の肉類と比べて低アレルゲンなので馬肉アレルギーを持つ人は極めて稀といえます。
食中毒に注意
では、馬刺しが原因で感染する食中毒菌や寄生虫はどんなものがあるのでしょうか?主な原因となる菌は・・・
- 腸管出血性大腸菌(O157、O111等)
- カンピロバクター
- サルコシスティス・フェアリー
腸管出血性大腸菌は主に牛の腸にいる菌で、カンピロバクターは鶏や牛などの腸や肝臓(レバー)にいる菌です。お店で馬刺し以外の肉も扱っている場合は、牛や鶏などの肉類を扱った調理器具をきちんと消毒せずに使用した場合などで馬肉も汚染されることがあります。
サルコシスティス・フェアリーは馬などの特定の動物に寄生する寄生虫で、肉眼では確認することが難しいとされています。
症状
主な食中毒菌や寄生虫による食中毒の症状を表にまとめました。
食中毒菌・寄生虫 | 主な食中毒症状 |
腸管出血性大腸菌(O157、O111等) | 激しい腹痛・下痢・血便など |
カンピロバクター | 腹痛・下痢・発熱など |
サルコシスティス・フェアリー | 下痢・嘔吐など |
サルコシスティス・フェアリーは食べても必ずしも症状を発症するわけではなく、食中毒の事例も少ないです。症状が出た場合も他の食中毒菌と比べると軽症で済むことが多いようです。
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対処方法は?
冷凍保存
腸管出血性大腸菌(0157など)は、冷凍する菌の増殖は緩やかにはなりますが、死滅はしません。
カンピロバクターは25℃以下では増殖することができないため、冷凍保存するとあんしんではありますが、腸管出血性大腸菌と同様に完全には死滅しないため、食べる時には十分な加熱が必要となります。
サルコシスティス・フェアリーは肉の中心温度が-20度以下で 48時間以上冷凍させると死滅するとされています。馬肉を取り寄せる時は冷凍のものを選ぶと安心です。
加熱
腸管出血性大腸菌とカンピロバクターは加熱しなければ死滅しないということが分かりましたが、実際どのくらいの加熱が必要なのかを調べてみました。
- 腸管出血性大腸菌(0157など):75度以上で1分間むらなく加熱することで死滅する
- カンピロバクター:75度以上で1分間むらなく加熱することで死滅する
カンピロバクターは少し触れただけでも発症する可能性が高い菌です。しゃぶしゃぶなどの少し加熱しただけでは十分に殺菌されないため、レアが好きな人でも、鶏肉や牛を食べる時はしっかり過熱することが大切です。
サルコシスティス・フェアリーは主に馬や犬に寄生する寄生虫で、馬刺しは生で食べることが前提とされているため、どの程度加熱するべきかの決まりはあまりないようです。
取り寄せしたときは注意!
取り寄せする時は以下の点に注意して買うようにしましょう。
- 冷凍品であること
- 出荷時間が早すぎるもの
- 食べきりサイズの個包装のものを選ぶ
サルコシスティス・フェアリーに感染するリスクを減らすため、また輸送中に腐ることを防ぐために冷凍している製品を選ぶようにしましょう。
その際、出荷までが2日などの早すぎるものは、冷凍時間が不十分である可能性が高いので、解体してから4日ほどで出荷されるものを選ぶようにしましょう。
馬刺しは鮮度が命なので、解凍したら当日中に食べきるのが基本です。食べきれないほどの量が入っているものは避けて、できるだけ1食分個包装されているものを選ぶと安心です。
高齢者は注意!
高齢の方は免疫力が弱く、感染症にかかるリスクが高まります。馬刺しは牛や鶏などの肉を生で食べるよりも安全ですが、免疫が落ちている人や高齢者はあまり頻繁に食べない方が無難です。
市販薬
食中毒による下痢を市販薬などで抑えてしまうのはかえって危険です。食中毒菌は体外から排出しきることが大切なので、薬には頼らず、症状がひどい場合は病院を受診するようにしましょう。
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馬刺しの食べ方
解凍方法
- 氷水でじっくり解凍する
- 半解凍でスライスする
馬刺しはゆっくり解凍すると美味しさをキープできます。氷を入れたボウルにパックごと入れて解凍し、半解凍の状態で刺身よりも薄めにスライスして皿に盛り付けましょう。
馬刺しに合うタレ・薬味
馬刺しは九州の甘口醤油とよく合います。甘口醤油とショウガ、ニンニクを混ぜたものや、卵黄と一緒に食べても美味しいです。馬刺し用のタレなども販売されているのでぜひ試してみてくださいね。
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まとめ
いかがでしたか?生肉が美味しいのを知っているけれど食中毒が怖くて食べたくても経寝る勇気が出ない・・・という人も、馬肉は牛や鶏よりも安全だということが分かったのではないでしょうか。今回の内容をまとめると、
この記事をまとめると
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馬肉は栄養がたっぷり
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馬は牛などの家畜よりも体温が高いので菌や寄生虫が住みにくい
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お取り寄せはしっかり冷凍殺菌されているものが安心
という内容をご紹介してきました。今回の記事を参考にして、美味しく安全に馬刺しを食べるようにしましょう!