魚には寄生虫がいるものがありますが、「クドア」もそのうちの一つです。有名なのはアニサキスですが、クドアはどんな特徴があるのでしょうか?今回は、
- クドアによる食中毒症状
- 予防法・あたる確率は?
- アニサキスとはどう違う?
- 寄生虫がいる魚・いない魚102種
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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クドアってどんな寄生虫?
引用:schoowell
クドアは主にマグロ類やヒラメに寄生している寄生虫です。特定の条件下で発生すると言われており、食べると食中毒症状を引き起こします。
寄生虫は肉眼で確認できるサイズのものが多いですが、クドアに関しては約10マイクロメートルで 肉眼で見ることはできない小さなサイズの寄生虫 です。
食中毒症状・害は?
生きた状態のクドアを食べると、食後数時間後に嘔吐・下痢・腹痛といった食中毒症状を引き起こします。一時的なものなので症状はしばらくすると落ち着き、人の体内に寄生することはありません。
どこに寄生している?
クドアは魚の筋肉部分に寄生しています。筋肉部分とはお刺身などで一般的に食べる部位なので、生食する際は注意が必要です。
クドアの対策・予防法は?
クドアは加熱と冷凍で死滅する寄生虫なので、死んだものは食べても害がありません。加熱と冷凍には、それぞれ温度と時間の条件があります。
- 加熱…75度で5分以上の加熱
- 冷凍…-15度から-20度で4時間以上の冷凍
上記の方法でクドアは死滅するため、生食する場合は一度冷凍すると安全です。加熱に関しては中心部分の温度が75度になる必要があるので、生焼けには注意しましょう。
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発生件数・あたる確率
厚生労働省の調査によると、グドアにより食中毒を起こした件数は年々減少しています。平成23年〜26年(25年を除く)にかけては年に400人以上の患者数がいましたが、そこから徐々に減少し、平成29年〜令和元年には100人台、令和2年は88人となっています。
アニサキスはどんな寄生虫?
クドア以外の寄生虫に、『アニサキス』があります。魚の体内に潜んでいる寄生虫の中でも代表的なもので、アニサキスが人間の体内に入ると様々な食中毒症状を起こします。
アニサキスとは?
アニサキスは海に生息する小さな寄生虫で、クジラやイルカなどの体内で生まれます。アニサキスの始まりは卵の状態で、クジラやイルカの排泄物と共に海に放出されます。
その後、アニサキスは海中で幼虫のような形状に羽化します。この時点でのサイズは大きくても長さ3cmほどです。その小さなアニサキスの幼虫は最初の住処として甲殻類などの動物プランクトンに寄生し、そこから生まれる食物連鎖によって寄生を繰り返します。
アニサキスが寄生している小さな甲殻類を小魚が食べ、その小魚を大きな魚が食べ…その魚を私たち人間が食べることによって、アニサキスによる食中毒を発症することとなります。
特徴 | 半透明の白色で糸状で魚に寄生している |
寿命 | 人の体内に入った後は約1週間 |
幼虫のサイズ | 長さ2~3cmで幅0.5~1mmくらい |
成虫のサイズ | メス:6〜10cm / オス:3〜9cm |
良く発見される魚 | サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類 |
アニサキスの色は半透明の白色で、幼虫のサイズは2〜3cmの糸状なので、気づかず食べてしまうことも多いです。
魚など宿主の体内では成虫に成長しますが、人間の体内はアニサキスにとって環境が合わないため成虫にはならず、1週間以内に死滅します。しかし、その際アニサキスが胃や腸内の粘膜に潜り込むことによって激しい激痛などの食中毒症状が起こります。
見つけ方|目視は可能?
アニサキスは半透明の白色なので見にくいですが、大きさは幼虫でも長さ2〜3cmなので目視で確認することはできます。白身魚の場合は色が同化しているので発見しにくいですが、赤身魚であれば目に付くことが多いです。
発生率が多い部位
アニサキスの発生率が多い場所・部位は下記になります。アニサキスが寄生しやすい魚を捌く時は、この部位に注意してみてください。
- 内臓
- 筋肉の部分
- 卵
アニサキスは魚の内臓部分を好んで寄生します。付着したら魚の体液をエサとして住み着くのですが、これは寄生している魚が生きている時の寄生場所です。その魚が死ぬと、アニサキスは魚の筋肉部分に移動していきます。
私たちは魚の内臓を生で食べることはないので魚が新鮮なうちはアニサキスを食べずに済むことが多いですが、 魚が死んでから時間が経っていると私たちが食用としている魚の筋肉部分に移動しているので、食べてしまう可能性が上がる のです。また、魚の卵に寄生していることもあります。
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アニサキスがいる魚・いない魚は?
アニサキスを含む可能性のある魚には、いくつか種類があります。その魚の住む場所や食べるエサが、アニサキスが寄生するかどうかと関係しています。
アニサキスが寄生しやすい魚の種類には、お刺身で食べると美味しいものが多いので注意が必要です!アニサキスを含む魚の種類とその特徴について、下記記事で詳しく紹介しています。あわせてチェックしてみましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
まとめ
この記事をまとめると
- クドアはヒラメやマグロ類に寄生する→症状:腹痛/下痢/嘔吐など一時的
- アニサキスは多くの魚に存在する→体内に入ると1週間近く生きる
- 寄生虫は加熱や冷凍で死滅するので、調理法や下処理が重要!
グドアやアニサキスといった寄生虫は、身近な魚に付着しています。加熱用でも実は中にいることがありますが、死骸は食べても問題ないので安心しましょう。
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