春に旬を迎え、山菜採りの花形である「わらび」。山菜として食べても、根のでんぷんでわらび餅を作って食べても美味しいですよね。そんなわらびですが、食べ過ぎで悪影響がでるのでしょうか?わらび中毒とは?防ぐ方法はあるのでしょうか?そこで今回は
- わらびを食べ過ぎるとどうなる?
- わらび中毒とは
- 副作用が起こらないためには?
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目次
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わらびを食べ過ぎるとどうなる?
わらびを過剰摂取するとわらび中毒になる可能性があります。人が生でそこまでの量を食べることは無いかと思いますが、牛や馬などの家畜は一度に大量のわらびを食べてしまう事でわらび中毒を引きおこし、死亡してしまう事例も少なくありません。
わらび中毒の引き金となってしまう成分をご紹介します。
チアミナーゼ
ビタミンB1を分解してしまう酵素です。ビタミンB1が分解され、不足してしまうと上手く糖質をエネルギーへ変換できなくなり、神経や脳に悪影響を及ぼします。ビタミンB1の欠乏症である脚気の症状は以下の通りです。
- 食欲不振
- 倦怠感(特に下半身)
- 痺れや麻痺
- 全身浮腫
- 動悸や息切れ
- 脱力感
- 心不全
症状の程度やどのような症状が出るかは人それぞれですが、最悪、死に至ることもありますので甘く見てはいけません。
対策としては加熱することで反応しなくなりますので、ビタミンB1の分解を防ぐことができます。調理する際はしっかり火を通しましょう。
プタキロサイド
発癌物質として知られています。中毒症状を起こした牛に腫瘍が出来ていたことより発覚しました。
癌発生箇所は膀胱や回腸、盲腸と言われていますが、国際がん研究機関が提示している発がん性評価ランクでは低い位置に設定されていますので大きく危険視されるほどでは無いようです。
また、ランクプタキロサイドはしっかりあく抜きを行えば無毒化します。
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わらび中毒とは
昔より、牛や馬、羊など家畜がわらびを食べて発症していました。牛はプタキロサイドにより、白血球減少や血尿・血便等の出血などの症状が出ます。馬はアノイリナーゼという成分が体内のビタミンB1を破壊し、チアミンが欠乏することにより運動失調を引き起こします。
牛と馬にとっては致死率が高い中毒ですが、人に影響はあるのでしょうか。
人にも出る?
人でもわらび中毒になることがあるようです。ただ、食べるとなるとあくが強い食材なので基本的にあく抜きや加熱処理を調理過程で行うはずです。また、過剰に摂取しなければそこまで心配することはありません。
現に、動物のわらび中毒は有名ですが、人のわらび中毒に関してはあまり聞きません。それでも中毒症状を起こさないよう、採取したらすぐにあく抜きし、火をしっかり通して食べましょう。
症状
前述したように、あく抜きと加熱処理をしっかり行えばほぼ害なく食べられます。わらびを食べて体調不良を起こしてしまった場合に考えられる可能性としては前述した脚気特有の症状です。
また、発癌物質も含まれていますのでもしかすると悪性腫瘍へ繋がってしまうかもしれません。
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副作用が起こらないためには?
わらび中毒にならないよう、あく抜きと加熱処理は抜かりなく行いましょう。あく抜きがしっかりできればおのずと加熱処理されるかと思いますので、あく抜きは徹底的にしましょう。あく抜き方法は2種類ありますので下記を参考にしてみてください。
アク抜き
あく抜きには灰を用いる方法と重曹を用いる方法があります。
灰であく抜き
上澄みを沸騰させる
沸騰したらわらびを入れてすぐ火を止める
冷めるまで置いておく
水洗いし調理する
5分ほど茹でる
茹であがったら一晩水に浸けておく
水洗いし調理する
家庭では重曹を用いた方法が手軽な方法ですね。あく抜きは身体に害を及ぼす物質を取り除けるだけではなく、えぐみや苦みも緩和しますので、美味しく食べる為にも必要な過程です。
一日の摂取量は?
現在は特に規定がないようですが、以前は国で一日60gを推奨していました。約4本分の量ですので、おかずとして取り入れる分には十分な量かと思います。
わらびに限りませんが、栄養の摂り過ぎで過剰症になったり、身体によくない成分を沢山取り入れて悪影響が出てきたりすることもありますので食材の過剰摂取は避けましょう。
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まとめ
「わらびの過剰摂取によるリスクやあく抜き方法」などについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事をまとめると
- わらびにはビタミンB1を破壊する成分と発癌物質が含まれている
- しっかりあく抜きと加熱処理を行えば心配なし
- わらび中毒は家畜などの動物によく見られる症状だが、人でも発症する場合がある
- 以前は摂取量の制限が設けられるような食材だったので、過剰摂取は避けたほうが良い
リスクがある食材ではありますが、ビタミン群類や食物繊維、カロテンなどの栄養素も豊富な食材です。過剰摂取を避け、下処理をしっかり行えば問題ありませんので旬が来ましたらぜひ食べてみてください!
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