こりこり、シャキシャキとした歯ごたえが魅力のエリンギ。1年を通して店頭に並び、しかもお安く手に入る。食物繊維も豊富で低カロリー、ダイエットにもぴったり!とくれば食べない手はありません。ただ、キノコ類ってどうも火が通ったかどうかがわかりにくいんですよね。加熱し過ぎると縮んでしまうし…。そこで今回は、
- エリンギは生で食べられる?
- エリンギによる食中毒の症状
- エリンギ、洗う?洗わない?
- このエリンギ、もしかして生焼け?
について、ご紹介させていただきます。
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目次
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エリンギは生で食べられる?
まずはエリンギ、生で食べることはできません。
エリンギに限らず、きのこは分類上は菌類、言葉は悪いですが、どちらかといえばカビの仲間に近い存在です。いわば食べられる菌のかたまり。加熱すれば問題なく食べられますが、基本的に生食はNG!食中毒を起こしたり、最悪の場合、命に係わることも。
調理の際はしっかり火を通して食べるようにしてください。
最近ではレシピをネットで検索される方も少なくないと思います。エリンギにもおいしそうなレシピが沢山!その中には生のエリンギを使用したものもありますが、おいしく安全に食べるためにも、必ず加熱してから使うようにしましょう。
含まれるシアンが体に危険!
実はエリンギは、シアン化水素という成分を産生するシアン生産菌なんです。
シアン化水素というと耳慣れないかもしれませんね。青酸ガスと言い換えればいかがでしょうか?神経系や循環器系に影響を及ぼし、死に至らしめることもあるほどの猛毒、青酸ガス、それがシアン化水素です。シアン生産菌であるエリンギには、このシアン化水素が微量に含まれています。
ただ、安心してください。シアン化水素は沸点が低く揮発性が高いので、加熱することで問題なく食べられるようになります。ただ、大量に食べたことによる中毒例の報告もあるので、体調に不安がある方や、子どもや高齢者など体力のあまりない方は、一度に沢山食べないようにしましょう。
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エリンギによる食中毒症状
ではエリンギによる食中毒、実際にはどんな症状なのでしょうか?
腹痛
エリンギによる食中毒で1番考えられる可能性は腹痛です。生で食べた場合はもちろんですが、古くなったものや加熱の甘かったものを食べても腹痛を起こすことがあります。
下痢
エリンギに限らず、きのこ類には食物繊維が豊富。生で食べたり、大量に食べたりすることで消化不良を起こし、下痢になる可能性があります。
胃腸の弱い方や疲れている方などは小鉢1杯程度に留めておきましょう。
吐き気や嘔吐
吐き気や嘔吐も、下痢や腹痛と同様、エリンギの消化不良で起こる可能性があります。ただ、前述したシアン化水素による食中毒の初期症状でも起こりうるので注意が必要。あわせてめまいや過呼吸、顔面紅潮などの症状が起こるようであれば、早めに医療機関を受診してください。
きのこの生態については、まだまだ解明されていないことも多くあります。しっかりと加熱したエリンギであっても、体質や食べ合わせなどによってアレルギーを引き起こす可能性は否定できません。下痢や吐き気が収まらず衰弱している、皮膚にかゆみや発疹が出ている、などの症状があれば、速やかに病院にかかりましょう。
死亡することもあるって本当?
2004年、東北地方で、主に腎機能障害で透析を受けていた人たちに、原因不明の急性脳症が多発するという事件が起きました。最終的には60人以上の中毒者を出し、そのうち19名が亡くなるという大惨事を引き起こしたのは、エリンギと同じシアン生産菌きのこである、スギヒラタケによる集団食中毒であったのではないかと考えられています。
中毒者の中にはエリンギを食べていた人もいたこと、またその年の異常気象によりきのこ内部のシアンイオン濃度が例年よりも高かったことからも、シアン生産菌きのこが原因と疑われましたが、特定には至っていません。
ただ、現在では農林水産省がスギヒラタケの食用を止めていることからも、腎機能障害がある方がエリンギを1度に大量に食べることは避けたほうがいいでしょう。
とはいえ、新鮮なものをしっかり加熱調理し、適度に食べるには何の問題もありません。あまり怖がらないでくださいね。
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エリンギ、洗う?洗わない?
「きのこは洗わない方がいい」と聞いたことはないでしょうか?これにはちゃんと理由があって、洗うと繊細な香りが飛んでしまったり、水っぽくなってしまったりするんです。
もちろんエリンギも同様。現在、市販されているきのこは、きちんと殺菌された状況で人工的に栽培されているものが大半。キッチンペーパーなどで軽く汚れを拭き取ってあげるくらいで大丈夫です。
そのまま焼くのはOK?
もちろん、そのまま焼いても問題はありません。とはいえ、エリンギってけっこうサイズに違いがありますよね。大きいものだと火の通りが見極めにくいことも。
生食では危険なエリンギ、大きいものは細かく裂いて焼いたり、ホイルで包んで蒸し焼きにするのがお勧めです。
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このエリンギ、もしかして生焼け?
コリコリした食感で、あわび茸と呼ばれることもあるエリンギ。その分、加熱してもある程度の硬さが残るので、火の通りが見極めにくいですよね。
エリンギ自体から水分が出てきて、しんなりふにゃっとしてくれば火が通ったサイン。実際にはどのくらいの時間、加熱すればいいのでしょうか。
焼く場合
エリンギの切り方にもよりますが、フライパンで焼く場合、大体片面2~3分を目安にするといいでしょう。
オーブントースターで焼く場合は、薄くスライスにしたものをアルミホイルに乗せて5分前後。薄く焼き色がつき、水分が出てきたら焼き上がりです。
炒める場合
油との相性がいいエリンギ。スライスして他のものと一緒に炒めて食べるのが、最もポピュラーではないでしょうか。
加える具材にもよりますが、熱したフライパンに油をしいて強めの中火で3~4分。エリンギに艶が出てしんなりしたら、火が通った合図です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事をまとめると
- エリンギは生では食べられない!特にシアンによる食中毒は重篤化する可能性も!
- 生食や食べ過ぎには食中毒だけでなく、消化不良やアレルギーの恐れも!
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エリンギは軽く拭くだけで調理してOK!しんなりしてくるのが火の通ったサイン
年中安定してお安く買うことができ、煮たり焼いたり、さらには和洋中のアレンジもしやすいエリンギは食卓の救世主!しっかり加熱して食べれば怖がる必要はありません。ちなみに筆者はシンプルにバターと塩コショウで炒めるのが好きです。ぜひ、皆様もお気に入りの食べ方を探してみてくださいね!